VOL6.地上波・衛星デジタルの時間差について 今、プロ野球が熱い!!仕事場での朝の会話も、まずその話題からだ。 僕は10年以上も前からヤクルトスワローズのファンである。 そういう訳で、よくナイター中継を観るのだが、やってるのは巨人戦ばかり! 巨人戦でないと数字(視聴率)が取れないからであろうが、寂しい状況だ・・・ しかし、CS放送・Jスカイスポーツではセ・リーグ全試合放送している。 ヤクルト戦も毎試合見られるのだ。これがCATVに加入した動機のひとつでもある。
ちょっと裏番組を見てみると、珍しいことに今日はテレビ朝日(北陸朝日放送)でも ヤクルト戦のナイター中継している。 面白いので2台のテレビで両方を流して見てみる。 カメラアングルが違うので、どうやら別制作のようだ。 さすがにピッチャー対バッターの場面では同一アングルである。 ここで、ふと気付いた。 テレ朝の方はバッターが打ってるのに、Jスカイの方はようやくピッチャーが投げ始める頃。 これは奇妙だ!野球は生中継なのだ! 右図がその時の模様。 下の2枚は、上の写真を拡大したものだ。 Jスカイ=ピッチャーセットポジション テレ朝=既にキャッチャーが捕球 これは当然、同一時刻の写真である。 かなりの時間差だ。計ったところ、Jスカイは約2.5秒も遅れている。 「ま、JスカイはCS放送だから遅延が生じているのだろう」などと推測。 放送・通信衛星は、上空約3万6000kmの静止軌道上を周回している。 放送電波は、地球局→衛星(トランスポンダ)→一般家庭・CATV局 というルートで届けられる。 “行って来い”なので、約7万2000kmの行程である。 電波は光とほぼ等速、約30万km/秒。72,000km÷300,000km/sec=0.24sec 単純計算で“行って来い”には0.24秒しかかからない筈だ。 ん?計算上の遅れと実測値は随分と違うなあ・・・
今日もJスカイスポーツ1でヤクルト戦(対広島東洋カープ)をテレビ観戦。 珍しいことに今日はNHK−BS1でもヤクルト戦を放送中。 先日と同様に、2台のテレビで両方を流して見てみる。 右図がその時の模様。 Jスカイ=ピッチャー投球直前 BS1=キャッチャー捕球。2塁牽制を伺う なんと、同じように衛星経由(CS・BS)であるにも関わらず、 やっぱりJスカイはかなりの遅延があるではないか! 計ったところ、やはり約2.5秒の遅れ。 対地上波との遅れとほぼ同じだ。 果たして、この時間差の原因は? Jスカイスポーツ(CS)が地上波・NHK−BSと決定的に異なる点は「デジタル放送」であること。 CSデジタル放送では、限られた周波数帯域(中継器数)でより多くのチャネルを確保するため、デジタル圧縮を用いる。 そのため、通常のアナログ放送に較べ、 送出側ではエンコード処理(A/D変換)、受信側ではデコード処理(D/A変換)が必要となる。 さらに信号多重化処理も加わるだろう。 見た目は同じような映像であるが、裏では複雑な処理を行っているのだ。 これが“時間差”の大きな要因ではないかと推測する。 10万円程度のパソコンでもデジタル動画編集ができる時代ではあるが、 リアルタイム映像のデジタル処理となると2〜3秒の遅延が生じるのは仕方ないのだろう。 現状の地上波放送だって全くのリアルタイム映像ではない。 FPUやSNG、STLやNTT中継回線。少々の遅延はあるのだろう。 2〜3秒遅いからといって、特に支障があるわけでもないのだから・・・ あとがき テレビの時報に合わせて生活しておられる方も多いのではないのだろうか? 僕も「“めざましテレビ”7:20の時刻で出勤」という生活パターンだ。 地上波の場合は、各地方局でテロップ入れをしているのでほぼ正確だろうが、BSデジタルの場合はどうだろう? 果たして『BS○○の7:20』は本当に7時20分なのだろうか? 今度検証してみようかと思う。 遅延を考慮して2〜3秒早めに放送しているとすれば立派なものだ。 |