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パパが読んだ本…

  2002年4月に金沢に転勤。生まれて初めての電車通勤。以前は随分本を読んでいたんだけど、インターネットを初めて以来、本を読む時間もほとんどなくなってたんだよな。でも、電車通勤のお陰で時間ができたんだよね。ははは
《2004年》
13 3/19 天井裏の散歩者幸福荘殺人日記 折原一・著 角川文庫
日本推理文壇の重鎮・小宮山泰三が住むモルタル木造2階建ての幸福荘。彼をしたって作家志望の若者が集う場。運良く入居を許された私は、部屋にあった1枚のフロッピーに戦慄する。創作か現実か、6つの不思議な連作短編小説を読み終えた時…、いやあ、さすが叙述ミステリーの名手って作品。
12 3/17 漂流裁判 笹倉明・著 文春文庫
レイプを主張する女とそれを否定する男。二人の証言が転々とする中、弁護士・深水耕介は行く先の見えない航海を乗り切ることができたのか。上陸したその地は、真実だったのだろうか。
バブルの時代を生きた人々の心の綾が描かれた一冊。
11 3/9 孤島 津村秀介・著 講談社文庫
名もなき男が汚れたレインコートを羽織って、母が死んだ孤島を目指す。私は誰なのか?島は特別な病気の者を対象とした療養所。母と同じ病気だと信じていた男は、しかし医者から、病気ではないと宣告される。私とは何?裏街に続く、津村秀介の実験的小説。
10 3/ 5 ダレカガナカニイル… 井上夢人・著 講談社文庫
警備会社に勤める西岡は、盗聴をしたとして、誰もがいやがる職場への転勤を命じられる。仕事は、新興宗教団体を過激な反対運動から守ること。しかし、着任当夜、道場が出火し、教祖が死を遂げてしまう。そのことを理由に西岡は解雇されてしまうが、それ以来、頭の中で他人の声がしはじめる。声の正体は誰なのか?教祖は事故死ではなく、殺されたことが判明。声の正体を確かめたいと西岡に近づく教祖の娘は…。
時空を超えた愛が描かれた井上夢人(岡島二人の片割れですね)のデビュー長編。結構引きずり込まれました。
9 2/28 裏切りの特急サンダーバード 西村京太郎・著 新潮文庫
サンダーバードが乗っ取られた。400人以上の乗員乗客を人質にした犯人は、11億円を要求。応じなければ、列車が爆破する!事件の絵図を引くのは謎の富豪・大明寺一郎。彼はゲームのように犯行を楽しみ、警察を翻弄する。1度きりの遊びのはずが、金に困った手駒たちが、再度の犯行を大明寺に要求したことから破綻が…
 う〜ん、あり得ないなぁ。毎日見ている列車だけに、ちょっと…
8 2/26 絶叫城殺人事件 有栖川有栖・著 新潮文庫
外壁が黒一色に塗られた黒鳥亭の古井戸で見つかった死体の謎を解く鍵はイソップ童話にあった。ホラーゲーム「絶叫城」のモンスター、ナイト・プローラーを名乗る連続通り魔はゲーム・エンドとのメッセージを残して姿を消したが、ゲームをクリアした者はナイト・プローラーになってしまうと言われていた。「黒鳥亭」「壺中庵」「月宮殿」「雪花楼」「紅雨荘」、そして「絶叫城」。6つの謎に火村とアリスが挑む。
 短編ながら…いや、短編だからこそ楽しめる謎解きの妙。
7 2/23 悪魔のトリル 高橋克彦・著 講談社文庫
あまのじゃくの生まれ変わりの顛末を描いた『眠らない少女』、時代遅れの衛生博覧会で観たバラバラの美少年の蝋人形のことを20年後聞かせられた青年の話を描いた『悪魔のトリル』、陶製のドールハウスと同じものを作った時に…『陶の家』など、魅惑的な怪奇世界を描いた6編。
6 2/18 赤・黒 池袋ウエストゲートパーク外伝 石田衣良・著 徳間文庫
10分間で1千万円。博打の借金に悩む映像ディレクター・小峰は誘われるまま池袋最大のカジノ売上金強奪の狂言強盗を実行。成功したと思われた時、横取られたばかりか、やくざに追いつめられる羽目に。どん底に落ちた男がはい上がるために、逆転の賭に挑む。
マコトは出てこないけど、キングもちょっとだけだけど、サルは準主役級だけど、IWGPの雰囲気そのままの作品。
5 2/16 できるかなリターンズ 西原理恵子・著 角川文庫
なぜかロボット相撲で全国大会優勝、そして賞金100万円をゲット!壮大なプロジェクトを立ち上げたサイバラ先生だったが…。
そして、鴨ちゃんと出かける鳥頭紀行、カンボジアへ、サハリンへ。
サイバラ先生って、何でも体当たりなんだからぁ。
4 2/13 失われた背景 陳舜臣・著 中公文庫
連続殺人、書画骨董の贋造、日中戦争勃発当時の愛憎の人間関係。いきなり殺人事件の容疑者にされた『東方文明研究所』の程紀銘は、3人の同僚とともに仕掛けられた罠の背後に潜む人物を追う。
30年以上前にかかれた作品なんだけど、全くそんなことを感じさせない名作。
3 2/ 5 盗まれた完全犯罪 大谷羊太郎・著 講談社文庫
テレビの推理ドラマの放送中に同じシチュエーションで殺人事件が起きた。犯人はドラマのとおり、同じマンションの階下に住む住人か。探偵役は、住人の妹のボーイフレンド。彼が仕掛けた罠とトリック…
 これって1976年に書かれた話なんだよねぇ。青春推理っていうけど、どうも若者が老成しているような…。う〜ん、時代と共に、若者のイメージが変わってきてるんだろうねぇ。
2 1/30 ダリの繭 有栖川有栖・著 角川文庫
 天才ダリの心酔者・宝石チェーン社長の死体が神戸の別邸のフロートカプセルから発見された。そして、彼のトレードマークだったダリ髭はなくなっていた。他にも不可解な点が…。事件の解決に立ち上がった有栖川有栖と犯罪社会学者・火村英生。一人の女性を巡る社長とデザイナーの確執、母違いの社長の兄弟達。社長は『最も有責性のある被害者』だった。
 誰もが心に癒しの場としての繭を抱えているのかもしれない。
1 1/21 裏街 津村秀介・著 講談社文庫
 月の夜、黒い運河に架かる橋の上から、一人の男が突き落とされた。浮かび上がらない死体。事件を目撃した男は、殺した男が自分のことを被害者だと信じて過去を探っていることを知り、殺した男に会おうとする。互いに出会おうとしながらも、2人を隔てる壁。事件は本当にあったのか。自分は何者なのか。2人の男に蘇る20年前の真夏の記憶。あの空襲の時、自分は生きていたのだろうか。
 う〜ん、推理小説?人間の光と影を描いた物語。
《2003年》
《2002年》