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《2002年》
90 12/31 錆びる心 桐野夏生・著 文春文庫
劇作家にファンレターを送り続けた生物教師の恋愛を描く「虫卵の配列」、不倫相手から新しい生活を求められても煮え切らない態度を続ける男を描いた「羊歯の庭」、酒を飲むと人が変わってしまうと初めて知らせられた女子大助教授の苦悩を描いた「ジェイソン」、荒廃した庭に異常にひかれる男を主人公にした「月下の楽園」、ヤクザ映画に憧れてヤクザの世界に足を踏み込む若者を描いた「ネオン」、そして、十年間堪え忍んだ夫との生活を捨て家政婦になった主婦が、囚われた思いから抜け出して初めて見た風景を描いた表題作「錆びる心」。どれも人の魂の叫びを描いて楽しめる作品だった。
89 12/31 チチンプイプイ 宮部みゆき、室井滋・著 文春文庫
意気投合する2つの才能。室井がミステリーに挑戦して宮部のアドバイスを受けたり、宮部が室井のディナーショーに招待されたり、2人で一緒に陶芸教室に行ったり、それから故郷自慢。それぞれの本を読んでいても楽しめるのだが、その2人が一緒になったんだから、これは…。(ムフフ)
88 12/31 開国ニッポン 清水義範・著 集英社文庫
江戸時代。日本が鎖国しなかった…。そんなシチュエーションで書かれた話。出てくる歴史上の人物の設定はそのままにして描かれているだけに、笑える一方で、ちょっと、度が過ぎないかって思ったりもする。まあ、江戸時代の歴史をよく知っている人には結構楽しめるかもしれないね。
87 12/23 城をとる話 司馬遼太郎・著 光文社文庫
関ヶ原の役前夜、伊達と上杉が鎬を削る東北の国境。伊達は西国浪人・赤座刑部に上杉攻めの前線基地・難攻不落の帝釈城を築かせていた。上杉家の臣・中条左内を訪れた常陸の国・佐竹家の臣・車藤左は、単身城を乗っ取ると言い出す。出会ったもの誰もを引きつける魅力を持った藤左に従い城とりに向かう左内。そして、藤左の夢は帝釈城の普請に働く農民らを巻き込んで大きな渦となっていく。 魅力たっぷりの男の痛快無比の話?かと思いきや…。
86 12/23 退職刑事2 都筑道夫・著 創元推理文庫
今日も現職刑事の話から退職刑事が謎を解く。あくる日の芝居の切符を買った男が遺書を残して自殺した「遺書の意匠」。自首した指名手配の男が泊まったホテルの部屋で女の死体が発見された「遅れてきた犯人」。死体の右手の爪だけを切った銀の爪きり鋏」。22時48分着の下りで浜松におり23時29分発の上りで帰ることを繰り返し1週間目で殺された「四十分間の女」。新婚初夜にホテルのバスルームで殺された「浴槽の花嫁」。冬のさなかの海岸で殺された水着の女「真冬でビキニ」。結婚式の控え室で新郎が殺されたが、どこからも犯人が発見されなかった「扉のない密室」。
85 12/23 てのひらの闇 藤原伊織・著 文春文庫
早期退職の勧告に応じたばかりの飲料会社宣伝部課長・堀江。退職を間近に控えたある日会長の石崎から人命救助の場面を偶然写したというビデオテープを渡され、これを広告に使えないかと打診される。しかし、違和感を感じた堀江は、それがCG合成であることを見抜き、指摘する。その夜、会長は自殺する。堀江は20年前に石崎から受けたある恩に報いるべく、その死の解明のために動き出すが…。鋭いナイフを胸に秘めた男・堀江の姿に胸を熱くさせられる作品。
84 12/23 動機 横山秀夫・著 文春文庫
署内で一括保管された30冊の警察手帳が紛失した「動機」。女子高生殺しの前科を持つ男が殺人依頼電話に苦悩する「逆転の夏」。大手新聞社の引き抜きに会う潰れかけた新聞社の女性記者の心の動きを描く「ネタ元」。公判中の居眠りで失脚する裁判官を描いた「密室の人」。心理描写とひねりのきいたサスペンス演出が楽しめる一冊です。
83 12/23 退職刑事1 都筑道夫・著 創元推理文庫
退職した刑事がいつも訪ねるのは、子どもがいない五男坊の家。それというのも四男が自分と同じ道を選んだ現職の刑事だから。茶話会よろしく話されるのは、四男が取り組んでいる事件の数々。そして、退職刑事の推理が、真実を明かしてくれる。男物のパンツ一枚の姿で自室で発見された「写真うつりのよい女」。セックス日記を書いていた「妻妾同居」の男。画家の本を尋ねる途中で殺された「狂い小町」。スーツを着てジャケットと背広を抱えた「ジャケット背広スーツ」の男が目撃者?呪いの人形で殺人予告をする「昨日の敵」。自首はしたが殺した女の姿が消えた「理想的犯人像」。ボトル・シップの中に人形の死体が横たわる「壜づめの密室」。
82 12/17 うつくしい子ども 石田衣良・著 文春文庫
緑豊かなニュータウンを騒然とさせた9歳の少女の殺人事件。犯人として補導されたのは、〈ぼく〉の弟だった。マスコミの荒らしに翻弄されながらも、もっともらしい理由付けで事件を解説する記事を見ながら、弟のことを理解してやることが〈ぼく〉のすべきことなのだろうと、調査を始める。それにつきあってくれる2人の友達。しかし、捜査を進めるうちに、3人を締め付けてくる影の存在。弟はなぜ犯罪に走ったのか…。
途中で先は読めてしまったNだけど、それでも読ませてくれる本でした。
81 12/13 上野介の忠臣蔵 清水義範・著 文春文庫
領民から「赤馬のお殿様」と慕われた吉良上野介。彼を慕って剣にうちこみ、百姓の倅から江戸詰めに取り立てられた清水一学の目を通して描く名君・吉良上野介の姿。生まれた我が子を米沢藩上杉家に養子に出さざるを得ず、孫を貰い受けることでようやく嫡流を整えた時には、上野介も齢を重ねていた。いよいよ子とした孫に家督を譲り隠居の日を楽しみに高家の激務をこなしていた上野介だったが、時折人の名前を失念することがあった…。そして、上野介は殿中刃傷事件、そして討ち入りと、時代の流れに翻弄されていくのだった。完全な赤穂びいきの忠臣蔵の世界に一石を投じた作品です。
80 12/12 ステップファザー・ステップ 宮部みゆき・著 講談社文庫
プロの泥棒が狙った家の屋根から落ちた隣家にクラスのは、中学生の双子の兄弟。なんと2人の両親は時を同じくして駆け落ちしてしまったという。警察に言わない代わりにと2人が泥棒に申し出たのは、2人の父親になってくれということ、ついでに生活費も。「そうでないと、この家に住んでいられないじゃない」。
こうしてはじまった家庭生活。2人は必要があるとこの泥棒に父親役を求めてくる。そんな3人の関係をほほえましく眺める祖父役は、泥棒の元締め(?)の弁護士。次々に起こる7つの事件に、軽妙な会話が楽しめる連作集。
79 12/ 8 トライアル 真保裕一・著 文春文庫
競輪(「逆風」)、競艇(「午後の引き潮」)、オートレース(「最終確定」)、競馬(「流れ星の夢」)。ギャンブルレースの場を舞台として、その世界で生きる人たちが走る軌跡を家族とのかかわりの中で描いた4編。それぞれの勝負の世界を堪能できるだけでなく、より人間的なつながりを感じることができる本でした。
78 11/23 MOMENT 本多孝好・著 集英社
とある病院の必殺仕事人伝説。「死を間近にした患者の願い事を叶えてくれる人がこの病院にはいるってのさ。たった1つだけ、けれど必ず、患者の頼んだことをその死の前に叶えてくれるんだそうだ。人間ってのはごうつくな生き物だよな。死ぬとなるとどうしても心残りってのが出てくる。何もかんも諦めて、坊さんみたいに清らかな心で死んでいくってわけにはいかない。いいものも食いたいし、いい女も抱きたい。そんなもんに切りはないけど、でも、これだけはどうしてもってのも、1つくらいはある。死ぬ前にどうしてもってのがな、1つくらいあるもんさ」。ひょんなことから、その役を自ら選んでしまったアルバイト清掃員の学生が垣間見た人間の心…。ホント、本田さんの話は人の心につながっているね。
77 11/21 心とろかすような −マサの事件簿− 宮部みゆき・著 創元推理文庫
今年の64冊目に続く、用心犬マサの事件簿。こちらは短編。マサの目を通した5つの事件。マサが人間と喋ることができれば、もっと簡単に事件は解決するはずなのに…。これってマサの立場でものを考えてるってことなのかな?そんな気分にさせてくれる本です。気分が悪くなる少女が出てくる表題作「心とろかすような」。加代ちゃんの妹・糸ちゃんが関心を持ってる手相が真相へと導く「てのひらの森の下で」。鏡の国のアリスの白い騎士役を果たそうとした若者が出てくる「白い騎士は歌う」。蓮見探偵事務所の所長も加代ちゃんも糸ちゃんも出てこない「マサ、留守番する」、これは学校の飼育小屋で動物が虐殺される事件がモチーフ。そして、まるで作者自身の弁明のような「マサの弁明」。
76 11/14 ALONE TOGETHER 本多孝好・著 双葉文庫
「ある女性を守って欲しいのです。三年前に医大をやめた柳瀬に脳神経外科の教授が突然依頼してきた。教授の講義の場で呪いについて尋ねただけで、医大をやめてしまった柳瀬のところに何故??そして、相手は、教授が生命維持装置を外して殺した女性の娘。教授はその件で起訴されていた。
心の波動を合わせることで、相手の隠したいと思っている気持ちすら露わにする力を持つ柳瀬。その異能力故に人との関わりをさけてきた彼だったが…。
若者の感覚を瑞々しく描く著者の作品。心について考えさせてくれる作品です。。。良かった。
75 11/12 悪魔のカタルシス 鯨統一郎・著 幻冬舎文庫
日本を支配しようと悪魔がはびこりだした。頭痛薬が効かない男・牧本祥平はその代償(?)として、悪魔を見破る目を持っていた。連続する悲劇と混乱の中、祥平は仲間を募り悪魔に対抗しようとするが…。見破られないように注意して祥平に接近する悪魔。誰が本当の仲間なのか。祥平を待ち受ける運命は。。。そして、悪魔の正体とは(かつて滅びたあの種族なのか)。
それにしても、最後は悪趣味な終わり方だったなぁ。この作家、どうも中長編は楽しめない。短編は結構面白いのに…
74 11/ 6 ハリーポッターと炎のゴブレット J.K.ローリング・著 松岡佑子・訳 静山社
一気に読んじゃったよ、この上下巻セット本。通勤の電車やバスの中でね。いやあ、ハードカバーって片手で持って読むものじゃないね。結構手首なんか痛くなっちゃったよ(笑)。
今回、ハリーが大活躍クィディッチの寮対抗戦はなく、ワールドカップの話があるだけ。そして、三大魔法学校対抗試合なるものが開催される。そう、魔法学校はホグワーツだけじゃなかったんだよね。その対抗試合は年齢制限があってハリーは出られないはずが、まあ主人公がでなければ話が始まらないってわけで、何故か選手に選ばれてしまう。こうでなくちゃはじまらない…。それからいつもの仲間、ロンとハーマイオニー。それぞれが思春期を迎え、自分の感情に振り回されそうに…。まあ、ハリーだって恋に悩むしね。その上、ハリーにまとわりつく記者まで出てきちゃうし…
三大魔法学校対抗試合、これこそあの名前を呼んではいけないあの人の仕掛けた罠だった。そして、あの人の忠実な下僕が学園内を暗躍する…。。。
それにしても、この本を読んでいる途中でダンブルドア校長(リチャード・ハリス)が亡くなったんだよなぁ。ホント、淋しい限りです。
73 10/29 鳩笛草 燔祭/朽ちてゆくまで 宮部みゆき・著 光文社文庫
幼くして両親とともにそれまでの記憶を失った麻生智子は、祖母を亡くし、2人で暮らした家を売却するために片づけを始めた時、段ボール箱に入ったビデオテープを見つけた。それは彼女の予知能力を示す記録だった…(朽ちてゆくまで)。高校生の妹を殺された多田一樹に代わって報復の強力を申し出た青木淳子。彼女は、念じただけで人や物を発火させてしまう能力を持っていた…(燔祭)。他人の心を読むことができる女刑事・本田貴子は、その能力が減退していくことに築いた時…(鳩笛草)。これは3人の女性の生き方に関する物語。彼女らはただ超能力を持っているけれど…。ホント、面白い作品だね。
あっ、そうそう。『燔祭』って、映画『クロスファイア』の原作の一つなんだよね。
72 10/25 寿司屋のかみさん お客さま控帳 佐川芳枝・著 講談社文庫
今年の15冊目と同シリーズの本です。カウンターの内側からみた悲喜こもごもの人間模様を、おかみさんの温かい目で表した一冊。下町の人情が感じられて、ほっとできました。う〜ん、親方もきっと素晴らしい人なんだろうなぁ。長すぎた恋を実らせた常連さんのカップルを巡るおかみさんの気の揉みようなんて、読んでて一緒になってドギマギ…
71 10/23 理由 宮部みゆき・著 朝日文庫
東京都荒川区の超高層マンションで起きた一家四人殺人事件。殺されたのは誰で殺したのは誰だったのか?事件はどうして起きてしまったのか?事件の前に何があり、事件の後に何が残ったか?ルポルタージュの手法によって描き出されていく真実。
『磁石が砂鉄を集めるように「事件」は多くの人々を吸い寄せる。爆心地にいる被害者と加害者を除く、周囲の人々全て−それぞれの家族、友人知人、近隣の住人、学校や会社などの同僚、さらには目撃者、警察から聞き込みを受けた人々、事件現場に出入りしていた集金人、新聞配達、出前持ち−数え上げれば、ひとつの事件にいかに大勢の人々が関わっているか、今更のように驚かされるほどだ。しかし、言うまでもなく、これらの全ての人々が「事件」から等距離に居るわけではなく、また相互に関わり合いを持っているわけでもない。彼らの多くは、「事件」を基点に放射状に引かれた直線の先に居るのであり、すぐ横の放射線の先に居る別の「関係者」と面識が全くない場合も多い。』
70 10/17 とり残されて 宮部みゆき・著 文春文庫
勤め先の小学校で、「先生、あそぼ」とささやく子どもの幻を見た養護教諭が呼ばれるまま見つけた校内プールの女性の死体…、その謎に迫る『とり残されて』。交通事故死したと思われた兄の影を追った孝子を待ち受けていたのは…『おたすけぶち』。投げられなくなったプロ野球の投手が路上で刺される事件が起きた時、女が彼に語りかけた『私の死んだ後に』。電車に乗り合わせたOLから聞かせられた自殺事件に興味を抱いて男がその会社を訪ねた時…『居合わせた男』。銀行で起きた次長の奇行の話を聞いた男が起こした行動は…『囁く』。深夜2時14分に起こされた真琴は自らを磨き上げてとある会社の採用試験に出かけていくが…『いつも二人で』。夢で見た場所を探偵に探してくれるように頼んだ梨恵子がその場所を見つけた時…「運命を変えてはいけないなんて、戯言だ。それじゃ生きる価値もない」…『たった一人』。
この本、読み始めて感じたのは違和感だった。そう、これってSFなんだよね。でも、読み進むうちにこれがやっぱり宮部みゆきの作品なんだなって納得させる。ホント、宮部みゆきって多才なんだよなぁ。
69 10/15 我らが隣人の犯罪 宮部みゆき・著 文春文庫
念願のタウンハウスに引っ越した中1の僕だったが、隣家のイヌに悩まされる日々に嫌気がさして、叔父さんと妹と一緒にイヌを誘拐しようとしたら『我らが隣人の犯罪』が暴かれていく。雨の日、赤ん坊を連れた女性が家にやってきて、「あなたの弟よ」といきなり言われてしまう『この子誰の子』。学校の問題児クラスと言われる学童達が彼らを認めてくれた教頭先生にお礼を込めて送る『サボテンの花』。結婚式の祝電を見た司会者が仕掛けた事件『祝・殺人』。そして、突発性味覚減退症にかかったボーイ長が推理作家に誰にもバレない自殺方法を考え出して貰おうとする『気分は自殺志願』。どれもこれも楽しめる作品ばかり。『サボテンの花』なんか、夢があって良いなぁ。
68 10/ 6 聖(さとし)−天才・羽生が恐れた男− 山本おさむ・作画 小学館
全9巻。もう涙が出ちゃったよ。死と向き合いながら棋士という世界に生きた村山聖の話。今年の23冊目、6/4の大崎善生・著「聖の青春」が原作なんだけど、山本おさむさんの創作した部分も良いんだよね。生きるということをテーマにし続けた山本さんの真価が発揮された感じだね。
67 10/ 5 写楽百面相 泡坂妻夫・著 新潮文庫
本屋の若旦那二三が、馴染みの芸者の部屋で見たこともない衝撃的な役者絵を目にして以来、その絵に魅せられてしまう。時は寛政の改革の真っ只中。その浮世絵師がついに世に出る。しかし、その正体は謎のまま。二三はそれを調べるうちに事件の渦中に巻き込まれていく。江戸と上方を結ぶ大事件を軸に、写楽の正体に関する謎解きが展開される。
う〜ん、これって推理小説??読んでいるうちに江戸の世界に自分がいるような錯覚を抱いてしまったよ。面白かった。
66 10/ 2 名探偵の呪縛 東野圭吾・著 講談社文庫
図書館の探偵小説のコーナーにやってきた“私”は、いつの間にか別世界に迷い込み、名探偵となっていた。しかし、そこは「本格推理」という概念のない町。クリエイターの家から盗まれたものを見つけ出すように頼まれた名探偵だったが、調査を始めた彼の前で次々と起こる怪事件。難なく解決していく彼の前に明かされる真実は…。この本は、「本格推理」に対する“私”のレクイエムかな??
65  9/29 鈍い球音 天藤真・著 創元推理文庫
日本シリーズを目前に控え、東京タワーから監督が忽然と姿を消した。やむなく代理監督を立てて戦いを挑ん東京ヒーローズだったが、その代理監督までもが姿を消してしまったのだ。事件の陰に蠢く黒い陰謀を暴こうと奔走する新聞記者や監督の娘の前に、驚愕の真実が。。。 先が読めてしまったんだけど、語り口も軽くて読みやすい本だった。
64  9/25 パーフェクト・ブルー 宮部みゆき・著 創元推理文庫
高校球界のスーパースター・諸岡克彦の焼死体が発見された。第一発見者は彼の弟・達也と蓮見探偵事務所調査員・加代子、そして、元警察犬・マサ。克彦の元チームメイト・山瀬の自殺によって事件は終幕を迎えたかに思われたが、少年スポーツ界に暗躍した製薬会社に対する脅迫事件も絡み、達也らによって、徐々に真実が明かされていく。そして、最後に明かされる驚愕の真実…。爽やかな読後感。やっぱり宮部みゆきだね。これって長編デビュー作なんだよね。
63  9/24 エンジェル 石井衣良・著 集英社文庫
「僕を殺したのは誰??」記憶喪失の幽霊が追う『自分自身殺人事件』の謎。自分のことだから、簡単に謎は解けるはずなんだけど、この幽霊、死の直前の2年分の記憶を失っている。少しずつ明かされていく謎、そして何故2年分の記憶がなくなっているのかが明かされた時、幽霊は究極の選択を迫られる…。この小説が最後まで爽やかな印象を与えてくれるのは−そのために、結末が見えてしまうところもあるのだが−、自分のためでなく、人のために死を「生き」ようとする主人公の姿があるからなんだろうね。
62  9/18 落語長屋の四季の味 矢野誠一・著 文春文庫
72もの落語と食べ物を旬に分けて綴ったエッセイなんだけど、その話の面白さにクスッとなるだけでなく、古い時代の庶民のイメージがそのまま浮かんでくる感じで、ほっとさせられる。読んでいてつい、あっ今日はこれ食べたいなって思ったりもしたしねぇ。そうそう、食べものの旬ってことにもちょっと意識させられたかな。
61  9/15 キトキトの魚 室井滋・著 文春文庫
ヤケに元気で、それでいて健気、異様に張り切っててピチピチと生きが良い状態を表す富山弁「キトキト」。そんな富山生まれのキトキトの魚みたいな女優(?)・室井滋の自意識過剰な一人っ子時代から、痛恨のフライデー事件の顛末まで。室井滋が体験した(別に巻き起こしたわけでもないが)出来事が、彼女の楽しい文体で書かれてる。いつ読んでも、室井滋は面白いね。
60  9/12 探偵ガリレオ 東野圭吾・著 文春文庫
突然燃え上がった青年の頭、池に浮かぶデスマスク、心臓だけが腐った男、海上でいきなり爆発した女性、幽体離脱した少年。『世間で騒がれる不思議な現象のいくつかは流体の悪戯さ」と言い切り物理学科助教授・湯川学の元に、捜査一課の刑事・草薙俊平が不思議な事件を運んでくる。そして、科学的に証明される事件。科学小説じゃなく、それがしっかり探偵小説になっているところが、東野圭吾のなせる技だね。
59  9/10 スタジアム 虹の事件簿 青井夏海・著 創元推理文庫
夫を亡くしプロ野球チーム・東海レインボーズのオーナーになることになった虹森多佳子。彼女が超弩級の野球音痴。優雅なドレスに身を包み、綺麗な靴を履いて観客席で今日も野球のお勉強。そんな彼女の耳に入ってくるさまざまな事件の話。それを次々と解決へと導いていく。試合展開が推理にぴったりマッチして、ちょっと笑ってしまえちゃう。
これって、自費出版された本が、好評を得て文庫化された本なんだよね。
58  9/ 8 綺羅の柩 建築家探偵桜井京介の事件簿 篠田真由美・著 講談社ノベルズ
1967年3月26日マレーシアのカメロン・ハイランドで消息を絶ったシルク王ジム・トンプソンに材を得た作品。名探偵ともてはやされることを苦痛にしか思わない京介、親友の栗山深春、蒼、そして、師匠の神代教授。いつものメンバー(このシリーズはほとんど読んでる)が、事件の謎に巻き込まれていく。生きているものが幸せに慣れないのなら、どんな推理も無意味である。う〜ん。
あっ、そうそう。今回は深春の家族について、随分描かれていたなぁ。
57  9/ 5 どうころんでも社会科 清水義範・著、西原理恵子・絵 講談社文庫
沖縄の人はどうして北海道の昆布を沢山食べるのか?知多半島は田舎っていうけど、じゃあなぜ義朝、家康が絡んでくるの?等々、身近なところの疑問から、人間の活動を考える。人間の社会行動のなにかを考えるのが本当の社会科って学問なんだと、実証的に証明してくれる本。学校の社会科もこんなだったら、興味深く学んだんだけどなぁ。どうも暗記物は苦手だったから(笑)。ただ、これだと体系的には学べないかな?
56  8/30 オモロイやつら 竹本浩三・著 文春新書
西川きよし、花菱アチャコ、いくよ・くるよ、大助・花子、桂文珍、そして林正之助。吉本の歴史を彩った人々を吉本新喜劇の作・演出を多数手がけた筆者が生々しく語った本。そこには、芸人と呼ばれる人たちがただ面白いわけでなく、裏打ちされた人生があることを教えてくれる。結構ためになる本(?)
55  8/28 むかし噺うきよ噺 小沢昭一・著 新潮文庫
読んでいて、クスリときちゃう噺の数々。昭和のはじめの東京の風景を描いた噺、著者の少年時代のいたずら噺、映画や芝居の裏話などなど。おいらが生まれるずっと前の噺なんだけど、なんとなく懐かしく感じちゃうんだよね。何でだろう?全然知らないはずなのに…
54  8/24 返事はいらない 宮部みゆき・著 新潮文庫
失恋から、銀行のCD機を欺く犯罪に荷担する微妙な女性心理を描く「返事はいらない」、田舎から出てきた青年と六本木の有名ディスコとのかかわりを切なく描く「ドルネシアにようこそ」、カッとなって部長に口答えをしてしまったOLの目の前で、課長の友人が事故死した、これは全くの偶然なのか、それとも…と心を揺らされた「言わずにおいて」など6編が収録されているこの本。作者の宮部さんが東京生まれの東京育ちということもあって、無限の金が埋もれ果てしない夢がこぼれる幻想都市“東京”に浮かび上がる様々な人の人生が生き生きと描かれている。平成3年、この本が出版された時代の“東京”の姿ではあるが…
53  8/17 滅びのモノクローム 三浦明博・著 講談社
 第48回江戸川乱歩賞受賞作である。最初の昭和20年の頃のシーンがちょっと読みにくかったけど、その後、現代は一気に読ませられた。広告代理店に勤める男が骨董市で古いリールを買った。その時に行李とスチール缶をおまけに付けられたのだが、缶の中には古い16oフィルムが入っていた。剥がそうとすれば崩れるそのフィルムにうつっていたフライフィッシングのキャスティングシーン。これを何とかして再生し、CMに活用できないか…。プレゼンに成功した男がいよいよフィルムの再生を開始した頃、変死事件が起こる。何がフィルムに隠されているのだろうか。そして、男にも魔手が…
 冷徹なイメージの暗殺者が、最後は感情にまかせて動いてしまう点は納得がいかなかった。一応、暗殺者の生い立ちを示すことで一応の説明はしようとしているようのだが。政治家のエゴにしても、あまりに狂信的?犯人側の心のあり方が図式的すぎるかなって感じはする。
 まあ、十分楽しめる作品ではあったが、今後の活躍を期待したい。
52  8/15 泡亭の一夜 泡坂妻夫・著 新潮文庫
東京・神田に生まれ育ち、幼い頃から落語に慣れ親しんだ著者が本の中に作った席亭の名が『泡亭』。そこでかけられる著者自作による新作落語の数々。滑稽話や郭話、人情話ばかりでなく、演芸までもあって、中入りにはエッセイまで取り揃えて、満足の得られる席になっている。一度、こんな席、ほんとに行ってみたいものだ。(^0^)/キャハハ
51  8/14 どこへ行っても三歩で忘れる鳥頭紀行ジャングル編 西原理恵子、勝谷誠彦・著 角川文庫
西原理恵蔵、カメラマンかっちゃん、虫の西田お兄さん、ビデオカメラマン鴨ちゃん、担当はせぴょんの5人がアマゾンに釣りに出かけた。そんな様子を西原の絵とかっちゃん、西田お兄さんの2人のレポートが笑いの渦へと運んでくれる。しかし、かっちゃんと西だのお兄さん、同じ事象を語っているはずが、ちょっとずれてしまっているのが楽しめる。しかし、西原は強く生きてるなぁ。もう、わがまま通しちゃったり…。それにしても、酔った勢いで企画が立ち上がっちゃう世界って?
金角、銀角、かっちゃんと出かけたベトナム編や一人旅の台湾編も収録(?)されている。
50  8/12 MISSING 本多孝好・著 双葉文庫
1994年代16回小説推理新人賞受賞の「眠りの海」を含む短編集で2000年版のこのミス!の第10位にランクインした本である。推理というよりは、魅力的な人間が描かれたとても透明感の溢れる作品が読める。特に女性がよく描かれている。まあ、おいらが男だからそう思うのかな?「祈灯」「瑠璃」なんか好きな作品だね。
49  8/10 偽書『武功夜話』の研究 藤本正行、鈴木眞哉・著 新書y
1959年の伊勢湾台風で、愛知県内の旧家の崩れた土蔵から発見された『前野文書』…のちの『武功夜話』は、NHKや朝日新聞によって戦国時代を解明する超一級の資料と喧伝され、それを指示する学者もいた。そして、有名作家が種本とした使ったことから、その内容が史実とし一人歩きを始めた。著者らはそのあまりのあり得ない内容や文体等々から、その偽書性を解明していく。マスコミ、学者、有名人によって簡単に常識が作られるという事実に慄然とさせられる。
さて、この『武功夜話』、学者の間では、ただの読み物という認識が主流らしい。あれ?じゃあ、そんな目くじらを立てて偽書だと騒ぎ立てることもないってこと?う〜ん、何を信じれば良いものやら…
48  8/ 6 あの頃ぼくらはアホでした 東野圭吾・著 集英社文庫
おいらよりちょっと年上の著者の傑作青春記。その数年の差と育った土地柄の違い、そして著者自身の個性から、おいらには考えられない人生だけど、やっぱり面白い。それにしても、この数年の差というのは、結構人格形成には大きな影響を及ぼしているのではないかと、47『精神科医を精神分析する』を読んでいて、感じたものがある。おいらと同年齢の秀才精神科医について言及された部分で、批評的分析はできても、自己省察を放棄しているという記載は、逆にそうかもしれないと思わせられたものだ。その点、この本はしっかりとした自己省察(?)があるからこそ、楽しめると思う。
 怪獣少年だった小学生時代から、ワルの巣窟、悪名轟く恐ろしい学校で学級委員をやった命がけの中学時代、日本で最初に学園紛争が起こり、制服が廃止されたという“有名校”での熱血高校時代、。花の体育会系であって、“似非理系”と思い知らせられた大学時代、そして就職までのアホらしく生きた青春の日々が描かれている。面白い!
47  7/29 精神科医を精神分析する 佐藤幹夫・著 新書y
凶悪な事件が起こるたびにマスコミに登場する精神医療の専門家。しかし、精神医療の専門家ってそんな黙って座ればピタリと当てられるような占い師みたいな存在なんだろうか?マスコミに煽られて、マスコミが用意した都合の良い情報を元に、さももっともらしい分析をして、診断名をまき散らす。それが単なるレッテル貼りや見込み診断でしかないのだが…
 見立ては医療の始まりであって終わりではないはずだが、それだけに終わってしまって、そこに患者の姿が見えなくなっているんじゃないか。そんな嘆かわしい状況に警鐘を発する書。第6章と最終章が先に書かれて、その後、第1から6章まで書かれているだけに、最後は論点が呆けた感じになったのだが、まあ、それは我慢しよう。
 作者は実名を上げて相手を非難しているが、底には本来その医者のかつての患者と向き合っていた姿を取り戻して欲しいという願いが込められているように思ったが、それは甘い見方??
46  7/26 デズデモーナの不貞 逢坂剛・著 文春文庫
池袋のバー《まりえ》の客たちをめぐる5つの物語。ママの名は沢野まりえ。愛想を振りまくこともなく、客の噂も嫌う彼女は、ちょっと手こずりそうなタイプの女。そこの客の異常な心理をテーマに紡がれた作品集は、こんなの現実にはないだろうけど、まあ、ママがいい女だから良いかって話(え?)。ただねぇ、精神分析では治せないけど、行動療法であれば治せるって断定的に言ったり、行動療法では嘔吐剤や電気ショックを使って強制的に症状を消すと言ったり、アミタール・ソーダを時間をかけて静注して半覚醒状態にして深層心理を探る麻薬分析があると言ったりどうも、精神科治療に対して妙な偏見を持ってるのかな?どうなんだろう??
45  7/24 田宮模型の仕事 田宮俊作・著 文春文庫
模型と共に歩んだ半生。父が始めた製材業。それだけでは食えずに始めた木製模型作り。それが火事で焼失。木製模型専業に転換した矢先にプラモデルの台頭。そんな苦難の時代を経て世界のタミヤに成長した会社。その社長が綴った奮闘記。ホントに模型が好きなんだなぁってうならせられたよ。これを読んでると、模型が作りたくなっちゃった。あ〜、時間が欲しい。
44  7/22 迷宮 清水義範・著 集英社文庫
24歳のOLがアパートで殺害され、性器をはぎ取られていた。世間を震撼させた猟奇殺人にをめぐる犯罪記録、週刊誌報道、手記、供述調書…一人の記憶喪失患者が「治療」と称してこれらの様々な文書を読ませられる治療の真意は何か、事件の真相は…。犯罪報道における事実とは何か。人は自分に理解できる「事実」を捏造し、勝手に分かったような気になりたいだけなのではないか。人の心の奥底にある真相は、わかるものでもないだろう。そんなことを突きつけてくれる作品だった。いやあ、この本はお笑いでなく、しっかり読ませてくれる作品だった。
43  7/21 地下街の雨 宮部みゆき・著 集英社文庫
職場恋愛だったのに挙式2週間前に突然の破談。職場は寿退社したばかり。親にせっつかれて地下街の喫茶店でウエイトレスになった麻子は、そこにやってきた妄想癖のある女と知り合う。麻子の元同僚の男がその女にまとわりつかれた時麻子は…表題作、地下街の雨など7つの短編が、都会の片隅で生きる人たちをうまく描いている。いやあ、はらはらさせられながらも、この作品、ホントの悪がいないんだよね。それだからこそ、楽しめる作品です。
42  7/17 空の穴 イッセー尾形・著 文春文庫
イッセー尾形のエッセーは随分笑わせてくれて、そんなつもりで買った本だったけど、これが結構シリアスな作品集。
ありふれた日常生活に紛れ込む不思議な瞬間を描いた9編。「音楽理論をふりまわす演歌歌手と出社拒否の父親に見せるためにビデオを撮り続けるシンガーソングライター」「絵をかじった程度の模倣画のレンタル屋の営業マンと、都会に出てきた女性学芸員」「電話ボックスになんでも好きなものを書いてチョーメンをおいた女とそこに書き込みをしていく人たち」などなど、結構面白いやりとりが楽しめるんだけど、読ませる力がちょっと…
41  7/14 その後のシンデレラ 清水義範・著 祥伝社文庫
児童文学や民話の名作の主人公のその後の生活を描いた作品群。そして、人間関係の面白さを描いた作品群。最後は、不思議絵のエッシャーの父が日本に来ていたっていう意外史的な作品。その後シリーズはそれなりに面白いけど、人間関係の面白さが清水義範の真骨頂かな。いろんな人物が出てくるんだけど、その人物がそれぞれ生き生きと描かれているんだよなぁ。
40  7/13 虹の天象儀 瀬名秀明・著 祥伝社文庫
44年間の使命を終え閉館した東京渋谷の五島プラネタリウムに、不思議な少年がやって来た。「古い機械を動かすと、昔にタイムトラベルするような気がしない?だって、プラネタリウムはどんな時代の星でもつくれるんでしょう?吸い込まれそうになったことない?」。少年にカール・ツァイスW型プラネタリウム投影機を説明していた私の意識は一瞬で時空を越えた。それは織田作之助が生きた昭和20年前後の時代。織田は臨終の床で「思いが残る…」と言い残していた。それは何を意味する言葉だったのか。
「パラサイト・イブ」の作者によるノスタルジックな物語。
39  7/12 文章魔界道 鯨統一郎・著 祥伝社文庫
あらゆる小説を読んではいるが、作品を書いたことのない大作家・大文豪。小説を読んだことはないが、無限に文章が浮かぶ弟子のミユキ。大文豪が初めて書いた作品が、この世の全ての小説を消滅させようとする霊界の文章魔王に奪われた。霊界に飛び込んだミユキは、魔王との戦いに勝利することができるか。彼女の武器は文章作成能力とパソコン!同音異義語、回文、同音異義文が飛び交うこの小説。え〜い、腹立つ(笑)
38  7/11 CANDY 鯨統一郎・著 祥伝社文庫
目覚めたら、記憶を失い、不思議な世界に迷い込んでいた主人公。世界の破壊者と呼ばれ追われる身の彼を救ったリンリン。彼の頭の中にはアイドル歌手として存在する彼女がなんとソープ嬢。α、β、γと3つあるパラレルワールド。堅苦しいαワールド、普通のβワールド、そして自由なγワールド。今、神は1つの世界を選ぼうとしていた。そして、彼は世界の決定権を手にすることができる3つのキャンディを集めるため、βワールドからγワールドへ送り込まれてきたのだ。彼の決断は…
う〜〜ん、親父ギャグ炸裂の本。ちょっと腹立たせられる本だった。
37  7/ 9 夢にも思わない 宮部みゆき・著 中公文庫
今年の26冊目『今夜は眠れない』の続編。中学生コンビの活躍が楽しめる。秋の夜、下町の庭園での虫聞きの会で起こった殺人事件。殺されたのは、主人公・僕が心憎く思っている相手クドウさんの従姉。被害者は少女売春組織との関わりがあったらしい。親友・島崎の奇妙な動きに心穏やかでない僕。そして、クドウさんとの恋は…
途中で、大どんでん返しがあるのではと思ったら、切ない終わり方になっちゃったんだよなぁ。まあ、自分が予測していたよりも納得のいく終わり方で、やっぱり宮部みゆきは面白いね。
36  7/ 8 秘密屋 白 清涼院流水・著 講談社ノベルス
「秘密屋」は本当に存在した。『秘密屋 赤』で一応の解決をみたと思われた秘密屋だったのだが、実は伝説でも何でもないというのだ。そして彼は間違い電話という形で、作者にアプローチをかけてきた。「秘密屋の謎」を探ろうとあり地獄のような秘密屋の罠に引きずり込まれる作者の運命は…
ところで、この本なんだけど、2001年4月5日第1刷発行分においては、その存在意義すらも否定しまうほどの極めて重篤な誤植がある。え?それってどこ??それは…秘密屋。
35  7/ 7 秘密屋 赤 清涼院流水・著 講談社ノベルス
口裂け女、人面犬、トイレの花子さん…、世の中に流れる怪しげな噂。いつでも「友達の友達の体験談」として語られるまことしやかな話の数々。そんな「都市伝説」を研究した作者が世紀末に出会った「秘密屋」という謎の存在。そんな秘密が白日の下にさらされる……読んでて腹を立てさせられた本である。
34  7/ 3 初ものがたり 宮部みゆき・著 新潮文庫
本所深川一帯をあずかる回向院の旦那こと、岡っ引きの茂七が挑む難事件の数々。夜っぴで屋台を開いている正体不明の稲荷寿司屋の親父のところを訪ねて、ふとしたことで閃きを得て事件を解決。読んでいて安心できる展開。シリーズとして楽しめる話なのだが、途中で終わっているんだよな。宮部さん自身「いつか必ず再開します」って言っているし、ホント再開されるのが楽しみなシリーズです。
33  6/30 ダックスフントのワープ 藤原伊織・著 文春文庫
底にいつもあるのは虚無?この本に出てくる主人公はいつでも、何か冷たい感じを抱かせてくれる。そしてそれでいて、冷え切ってはいられない。それは作者自身の姿勢なのかもしれないなと思う。引力の外側にいたいと思い続ける者と、いやおうなく引力の内側に引き込もうとする他者。そんな力の動きの中で主人公は何を考えるのだろう。そこにはいつでも真理への意志があるように思う。ちょっと難しいけど、面白い本だった。
32  6/27 人質カノン 宮部みゆき・著 文春文庫
町の片隅、日常に潜むミステリー。そんなの作り話だろうって思いながらも、もしかしてほんとにあるかもって思わせるのは、やっぱり宮部みゆきの読ませる力なのかな?全7編のうち、3編(「八月の雪」「過ぎたこと」「生者の特権」)は“いじめ”がそこに流れていて、やっぱり1993年前後の時代の反映かな?
31  6/25 矢吹丈25戦19勝(19KO)5敗1分 豊福きこう・著 講談社文庫
小学生の頃、貸本屋で借りた「ぼくらマガジン」で連載されていた“タイガーマスク”、中学の頃、リバイバルで20巻揃えて買った“あしたのジョー”、子どもの頃のヒーローが蘇える。ほんと、憧れたんだよなぁ。同じ原作家による2作品。いずれも孤児の主人公が戦いの世界を生きていく。それが、子ども向けと青年向けの違いでこれだけ違う生き方として描かれたのかなぁ。そんな2人の生き様もしっかり検証してあって面白かった。おいらより年上の著者だけに、やはりジョーに対する思い入れが強いんだろうねぇ。いやあ、パンチ数を数える中でジョーを疑似体験したりと、すごく楽しんで書いてるように思ったよ。はは
30  6/24 ロックンロールミシン 鈴木清剛・著 新潮文庫
入社2年目のサラリーマン・賢司。仕事は順調、彼女にも恵まれ、でも、冴えない毎日。そんな時、高校時代の同級生・凌一がインディーズブランドを旗揚げ。気の合う仲間と作りたいものを作るという凌一。そんな凌一を手伝いながらも、そんないい加減で良いのかって、つきあい切れなさを感じる賢司。皆の未来は…
この作品、「GO」の行定勲監督の手で映画化されるらしいが、主人公は凌一になるらしい。。。
29  6/23 オンリー・ミー 私だけを 三谷幸喜・著 幻冬舎文庫
何ともはや、面白いねぇ三谷幸喜って。なんでこんなに妙なことばかり考えるんだろう?そして、それを実践してみたり。ほんとはどんな人なんだろうねぇ。自分をすごく小心者だと評しながら、結構大胆なことを繰り返すんだよね。だから、ほんとは結構図太い神経の持ち主なんだろうなぁ。結構人迷惑な人だとは思う。
 それにしても、著者が言うとおり、あまり役に立たないことばかりを書いた本でした。(^0^)/ウフフ
28  6/21 毒笑小説 東野圭吾・著 集英社文庫
5/27に紹介した「怪笑小説」の姉妹本(?)。それってあるあるって思わせるけど、そこにはずいぶんと毒が振りかけられているようなそんな笑いの作品の数々。「手作りマダム」「花婿人形」なんかが結構お気に入り。「つぐない」なんてしんみりとさせてくれる作品もあったりしてね。
27  6/18 倒産はこわくない 奥村宏・著 岩波アクティブ新書
リストラという名の人減らしをしたところで、企業は維持し続けられるのだろうか?本来のリストラ=再構築によって、生まれ変わる必要があるだろうし、倒産こそその好期かもと教えてくれる本。会社更生法によって系列下されて生き残るという従来のやり方が破綻していると教えてくれているのだが、未だに日本の体質はそこから脱却しようとしていない。吸収合併によって肥大化する企業が絶滅した恐竜に見えてしまう。う〜ん、「いろんなものをまとめりゃイイってもんじゃない。そんなことしてたら小回りがきかなくなっちまうぞ!」とはうちの職場にも言えることかもしれない。
26  6/15 今夜は眠れない 宮部みゆき・著 角川文庫
この作品、中公文庫から出ていたんだけど、おいらが読んだのは角川文庫版。違いはないが、確か中公文庫版はペラペラ漫画付きだっけ?
そんな話は置いといて、父の浮気に悩む母がいきなり5億円のお金を遺贈されたって、設定で話が展開する。なんのための遺贈か。それによって起こる家族の内と外の変化。そして、これが黒真珠奪取計画と繋がるのだが、その繋げ方が絶妙なんだよね。まあ、軽快に読める作品でした。
25  6/13 間違いだらけのビール選び 清水義範・著 講談社文庫
飲むべきビールを求めて何種類かの試飲の末にある結論にたどり着いた大のビール党の男、せっかく作った庭にやってきた猫がする糞に悩まされる男、気づいたら正月を一人で迎えることになったデパート・マン、ストーカーに狙われることになった見た目と声にギャップがありすぎる声優。
この先どうなるんだ?と思わせておいて、そんなに日常って突飛なことにはならないよって落としてほっとさせてくれるそんな短編集。 
24  6/ 8 「A」マスコミが報道しなかったオウムの素顔 森達也・著 角川文庫
オウムの中から見ると、外の世界はどう映るのだろうか?そんな疑問から撮り始めたドキュメンタリーが、日の目を見るまでが描かれている。自分たちとオウム世界のの温度差、翻訳しきれない言葉のずれ。境界でものを見つめた森氏と、広報担当・荒木浩の2人の苦悩として描かれている。そして、メディアの手で取捨選択された情報によって洗脳されている国民の姿もそこには見えてしまう。敵意と偏見、真実はどこにあるのだろうか?
このドキュメンタリーは映画として公開されたらしいが、残念ながらおいらの目に触れることはなかった。そして、「A2」なるドキュメンタリー映画も作られたらしいが、今日現在、それも見る機会がなかったことは残念。
23  6/ 4 聖の青春 大崎善生・著 講談社文庫
重い腎臓病を抱え、名人位を目指し命がけで将棋を指し続けた村山聖(むらやまさとし)、A級8段の生涯を綴ったノンフィクションである。村山聖の生き様と、彼と共に生きた人たちの姿が鮮やかに描かれている。誰もが村山聖を愛していたという言葉が臆面もなく出せる。おいらも目頭が熱くなってしまった。
藤原竜也が村山聖を、小林稔侍が師匠の森信雄を演じたTBSスペシャルドラマ『聖の青春』(2001年1月)も見たし、ビックコミックスで連載中の『聖−天才・羽生が恐れた男−(山本おさむ)』(現在7巻まで)も読んでいるが、この本はさらなる感動を与えてくれた。将棋を知らなくっても十分感動できる本である。
22  6/ 3 黄昏のカーニバル 清水義範・著 講談社文庫
懐かしい味わいのSF作品集である。ほのぼのとした雰囲気ではあるが、結構笑えたりする。7編ある作品の中で特に気に入ったのは「デストラーデとデステファーノ」。時間逆流世界の日常を豊かに表現されて、ついクスッ。それから、表題である「黄昏のカーニバル」でのコンピュータだけの動く世界で出てくるテレビ番組など、そう言えばそういうのあったなって思い出していたよ。はは
21  5/31 映画は予告編が面白い 池ノ辺直子・著 光文社新書
90秒に集約されて、次にこの映画を見たいと思わせる予告編。時に予告編に期待しすぎて、あまりの下らない映画に腹がたったりすることもあるけど、これは見たいなって思わせてくれる。それこそ、一話完結の1つの作品。それでも、面白すぎて予告編だけで満腹になられても困るとは、作る側も大変である。そんな予告編制作の現場を、制作会社「バカ・ザ・バッカ」の社長をしてる池ノ辺さんが教えてくれている。これって、池ノ辺さん自身が書いたんじゃないかな?ほんとに丁寧な書き方した本です。
20  5/29 もっとおもしろくても理科 清水義範・著、西原理恵子・絵 講談社文庫
5/11に読んだ「おもしろくても理科」の続編。進化論、生物・非生物、動物・植物、男・女の違いから、ロケット、ビッグバン説、遺伝子とDNAまで、前作の理科室の理科ではなく、ずいぶんと高尚な話。清水氏が結構真面目に書いてるエッセイだからこそ、サイバラの漫画がほっと息抜きさせてくれる。いやあ、良いコンビです。はは
19  5/27 怪笑小説 東野圭吾・著 集英社文庫
 満員電車の中で感じている不満が口をついて出てしまったら…、年金で細々と暮らしているばあさんが“追っかけ”にはまったら…、周りの人間が人間以外の動物に見えてしまう中学生が自分の正体に気づいた時…。人の心の闇を、ブラックに笑わせてくれるそんな傑作短編集。結構笑わせて貰ったんだけど、読んだ翌日、電車に乗った時、ちょっと他の乗客にムッと感じたことがあったりして…あはは
18  5/23 新築物語 または泥江龍彦はいかにして借地に家を建て替えたか 清水義範・著 角川文庫
 作家・泥江龍彦の義母の死から始まった騒動記。借地契約更新問題、等価交換プラン、資金計画、地主の承諾書…などなど、次々起こる問題、義母の後始末。心労と疲労で倒れそうになりながらも泥江夫妻はついに…。家を建てるプロセスが分かりながら、人の気持ちの流れが楽しめる小説。作者自らの体験記なのだから、これならおいらにでも書けるんじゃないかと思ったりもしたけど、まあ、そんな甘いものでもないんだろうね。そう感じさせるくらいに流れるように読める本なんだよなぁ。
17  5/21 東京バカッ花 室井滋・著 文春文庫
 室井さんってなんでこんなに面白いんだろう。富山から大学に行くために東京に出てきた室井さんと彼女を取り巻く人々の話なのだが、これがなんとも笑わせてくれる。なんで彼女の周りはこんなにすごい事件が起こるのかなって、呆れかえっちゃうよ。これが作り話でないから、よけいに笑えるんだろうけどね。
 でも、ちょっと気になるのが…、室井さんって富山のこと好きなのかな?なんとなく、田舎って卑下しているようなイメージもあるんだけどなぁ。それって、読むおいらのひがみ心のせい??
16  5/19 国語入試問題必勝法 清水義範・著 講談社文庫
 物まねで書かれた小説?著者自身がそう言っているのだが、さて残念ながらその物まねの対象が何なのかを知らないのはとっても残念なこと。読んでいて、こういうのってあるあるって思わせられたり、それから、これはなるほどなぁ…って納得しそうになると、実はウソ八百だったりと楽しませてくれる作品ばかりだった。表題の国語入試問題必勝法などは、あやうく娘に教えそうになったくらい…作者自身が「受験生の方々にくれぐれも申しあげます。ここに書いてあることを信じて受験に臨んではいけません」とあとがきに書かれて、馬鹿なことをしなくてよかったと思っちゃった…。あっ、それもウソってことはないよね??
15  5/16 寿司屋のかみさん おいしい話 佐川芳枝・著 講談社文庫
OLさんから寿司屋のおかみさんになって、好きなエッセーを書いて、それをコンクールに応募したら最優秀賞を受賞。その時の審査員に勧められて本にしちゃった本当のおかみさんの話。これは処女作「寿司屋のかみさん うちあけ話」に次ぐ第二弾。仕事の合間をぬっての執筆活動だから、すぐに次の本ができるわけじゃないんだけどね。
それにしても、おかみさんのいる店は、とっても丁寧な仕事しているところみたい。これ読んでたら、寿司屋のカウンターに座りたいなと思うけど、やっぱりお金がね(笑)
14  5/15 12皿の特別料理 清水義範・著 角川文庫
小説を読みながら料理が分かるって面白い本。あっ、ただし、そのまま作ったら失敗することもある。だって、「こうしたら失敗しちゃう」みたいなこともしっかり書かれているから。
そして、これは決して料理のうんちく小説なんかでなく、小説としても十分楽しめる。しっかり落とすところは落としてくれる(ん?)んだけど、それがそれで妙に納得できちゃうんだよね。そんな楽しい話が12品、ゆっくり味わっちゃった。
13  5/11 おもしろくても理科 清水義範・著、西原理恵子・絵 講談社文庫
理科の話は結構興味深く読んだんだけど、そこにチャチャを入れるサイバラの絵がとっても面白くて、電車の中でつい吹き出してしまったよ。清水さんの時代って、かなり学校で実験があったんだよね。日本の教育って、体験重視と知識重視を繰り返してきてるんだけど、そういう意味では、体験重視の頃に育ってるんだろうね。だから、おいら、清水さんが言ってるような実験をした覚えがないんだよね。慣性の法則や地球のサイズの話、細菌や脳のこと、それからエコロジーの話。いろいろ笑えて為にはなる(?)話が一杯だった。
12  5/ 9 わたし いる 佐野洋子・著 講談社文庫
絵本作家佐野洋子さんの『宝物のような遠い小さな記憶をよび起こす7編』。読んでいて、そんな自分がいたなぁ…って小さい頃を意識させてくれる話です。ホント、大人になっても佐野さんの中に有り続ける子どもの感性。いつでも驚かせられるばかりである。
子どもは美しくはないけれど、魅力的だ。ばかでトンチンカンで弱くて自然っぽい。ははは
11  5/ 8 “全身漫画”家 江川達也・著 光文社新書
『BE FREE!』という漫画でデビューして以来、『まじかる☆タルるートくん』『東京大学物語』『GOLDEN BOY』『ラストマン』とヒットを飛ばし、現在、『ONE ZERO NINE』『日露戦争物語』を連載中の漫画家。挑戦し続ける作家の足跡を作家自らが語った本。最後に夢オチになる作品が多いのだが、まあ、編集者との関係もあるのだろうが、あふれ出す創造性が収まりきらないところがあるのかなって思わせられたりもした。
10  5/ 6 さよならレフティ 山本おさむ・作画、小倉和之・原作 小学館
小倉さんがビックコミックスピリッツ主催の第1回ミレニアム大賞で原作家デビューした作品です。戦争で左手首を失った左腕の甲子園優勝投手が、自らの存在をかけて、8年間の苦難を乗り越え右投手としてプロを目指すという話。その夢がたたれた時…
 「どんぐりの家」という作品で有名な山本さん。村山聖九段を描いた「−天才・羽生が恐れた男−聖」が今連載中。いつも人間が生きるということを突きつけてくださる方です。この作品でも、それを強く感じさせられました。
9  5/ 4 ホームヘルパーは見た! 速水喬子・著 宝島社文庫
ホームヘルパーの経験のある主婦兼ライターのエッセイです。それこそ、ヘルパー養成講座じゃ教えてくれないような話が楽しめます。まあ、ヘルパー養成講座なんて受けたことないけどね。はっきり言って、ホームヘルパーの仕事ってなんでこんなに安く見積もられてるんだろう。看護婦さんもそうかもしれないけど、医者(なんか)より、ずっと大変な仕事してると思うんだけどなぁ。それに気になったのは、現場の感覚。なんでそんな訳の分からないことがまかり通るんだって呆れかえってしまう。速水さんの憤りに素直に納得してしまう。そして、極めつけは介護保険制度のデタラメな運用。現場を知らない役人が作った制度だね。この制度ってこれからどうなるんだろう??一気に読める本でした。
8  5/ 2 中国の神さま−神仙人気者列伝 二階堂善弘・著 平凡社新書
民間信仰系の神、道教系の神、そして仏教系の神について簡単に解説してある。『封神演義』の作者の恣意によってかつての伝承から随分歪められた形になったことや、中国の神様達が随分人間くさい(まあ、かつて生きた人物と同定される神様が結構いることもある)、特に道教系の神様の人間臭さは面白い。
7  4/29 無敵のラーメン論 大崎裕史・著 講談社現代新書
大崎氏は広告代理店に勤めている方で、1995年に「東京のラーメン屋さん」というサイトを立ち上げ、翌年、検索サイト「Ramen Bank」を立ち上げた人です。「日本一ラーメンを食べた男」と自称されるだけあって、ご当地ラーメン、地ラーメンに関してすごい蘊蓄が語られてます。ただ、それで結構お腹が一杯になった感じがしたのだけど…。
6  4/20 むかつくぜ! 室井滋・著 文春文庫
室井滋さんのまわりで起こった事件の数々が語られるのだが、その語り口が軽妙で、存分に笑わせてくれる。10年前に出版された本の文庫化なのだが、まったくそんな時を感じさせないのが嬉しい本である。
5  4/18 巨人軍に葬られた男たち 織田淳太郎・著 新潮OH!文庫
岐阜短大付属高校の左腕エースとして1970年春・夏の甲子園で名を馳せ、その年の秋、ドラフト1位指名を受けて巨人に入団した故・湯口敏彦さんのことを中心にして、巨人というチームのあまりにも異様な性格を描き出したノンフィクションです。湯口さんの背番号は19。その後、江川事件で阪神にトレードされた小林繁や今の巨人のエース(?)上原浩治に受け継がれていく背番号だ。それくらいに彼は将来を嘱望されていたのだが、二軍暮らしを続け、1973年3月、20歳の若さで急死してしまう。ノイローゼで入院していたが、その死はあまりに急だっただけに、自殺では…いや、今でもこの事件のことを知る人は自殺だと思っているらしい…と取りざたされたということらしい。
彼をここまで追いつめた巨人というチーム。当時、川上監督の下でV9の道を歩んでいた栄光の巨人が、幾多の若者の命(死んだ湯口さんだけでなく…)によって支えられていた事実に触れ、荒涼たる気分にさせられてしまった。プロなんだから、弱者は去るしかないと言ってしまえば終わりかもしれないが… 
4  4/15 風刃迷宮 竹本健治・著 光文社カッパノベルズ
竹本健治は新本格の鬼才と言われる人で、そういうことは置いといて、この人の作品、嫌いではないのだが、どうも読ませるって感じが弱いんだよね。この作品に関して言えば、催眠暗示とかそういうことも関係するので、なんとなく最後はごまかされちゃったかなって感じで終わっちゃってて、不全感が残っちゃったよ。だいたい、この作品、竹本さんが作り上げた探偵役の主人公が全然活躍しないものだから、シリーズ最新作って言われて…それも肩すかしにあったって感じです。
3  4/14 気まずい二人 三谷幸喜・著 角川文庫
三谷幸喜の対談集である。これが面白い。初対面の人と話をするのが苦手な三谷が対談の経験を積むうちにどれだけ話し上手になるか…って本。いやあ、でも読んでると、話上手な人が相手だと、話し下手でもなんとか相手をして貰えるなって思っちゃって。ホントに克服出来てるのかな?って思っちゃったよ。ははは。
 まあ、おいらにしても初対面の人とは話ができないからなぁ。あれ?新しい職場で話をしてない人がまだ何人いたかな??まあ、今週は歓迎会があるし、その時に話ができるかしら…う〜ん、三谷幸喜より人と話すのが苦手なような気がするおいら。
2  4/13 お父さんは時代小説(チャンバラ)が大好き 吉野朔実・著 角川文庫
吉野朔実さんというのは漫画家であるが、結構心理描写の優れた作品を書かれる。りぼんでデビューしたんだったかな?その後はぶ〜けあたりがホームグラウンドになっていたような覚えがある。まあ、彼女の作品を読んだのは今から20年以上前のことだからね(笑)
それで、この本は『本の雑誌』という月刊誌に連載された吉野朔実劇場の単行本化。6年前に出たものが、今度角川から文庫化されたもの。漫画で描かれているのだが、本の書評というよりは、本の周辺で起こる身近な人々の様子。それでも、そこにでている本を読みたくなるのは、やっぱり吉野朔実さんの筆力なのかなと思ってしまう。イヤ、楽しい本だった。
1  4/12 仕事 三谷幸喜の 三谷幸喜・著 角川文庫
三谷幸喜が自らの仕事を振り返って書いた本、まあ、自叙伝とまではいかないけど、小学校の頃に書いた劇の台本に始まって、映画『みんなのいえ』までが描かれている。その上、中1の時に書いた劇の台本がそのまま出ている。いやあ、ホント才能あったんやろうなぁ。まあ、結構変な子ではあったらしいが…