「
第42話」の前半以外は「日本アニメーション」オリジナルです。
<原作>
ペリーヌを屋敷においてビルフランが事務所に戻った時のタルエルの動揺はアニメ以上です。今夜からペリーヌがビルフランの屋敷に住む事を聞いたタルエルは、口癖の「察しますに・・・」の後の言葉が思いつかなかった程です。原作ではタルエルの性格を<主人の考えに対しては明白にはどんな僅かの異議をも唱えない>人物と書いてあります(この事はアニメ「第53話」でタルエル自身がいっています)。この時から、ペリーヌに対するタルエルの言動が・・・
晩餐の場面はアニメと同じです。ペリーヌを食堂に案内する召使(ルイ)の服装の色は原作では黒です。デザートは、アニメではブドウ?を食べていますが原作では桜ん坊を自分で取りますが後にバスチャン(セバスチャン)が杏子と桃を取り分けてくれる。晩餐後、バスチャン(セバスチャン)がペリーヌに身振りでサインをおくる場面は共通です。
「エドモンの写真(肖像画)」は原作ではビルフランの部屋から通じた書庫の暖炉の上にあります(アニメではビルフランの部屋を出た所の廊下の壁)。エドモンの写真を前にペリーヌは想わず嗚咽を漏らします。原作ではビルフランはこの事に気付き「なぜ泣く?」と聞いています。ペリーヌは「この御写真が・・・お子様が・・・あなた様はこの御方のお父様で・・・」ビルフランはちょっと、わけが分からず差し控えていた、それから同情して感動した口調で「お前も身寄りの者のことを考えたか?」「ええ、そうなのです・・・そうなのです」「可愛そうにのう!」・・・以上・・・
翌朝、ビルフランの事務室にいるペリーヌを見た後のタルエルとテオドールの会話の場面はアニメと共通です(原作ではカジミールが加わり3人)
原作は「
第42話」の後半部分からアニメとは話が違ってきます。
タルエルとテオドール、カジミールの3人がベランダの下で密談をしている所にダッカからの返事を持った電報配達人がやって来る。タルエルは電報をビルフランに届て「私が開きましょうか?」と言って封を開けるが、英語の文面だった為、「それならオーレィの仕事じゃ」とビルフランが言う。タルエルが出て行った後、ペリーヌは電報を訳す。内容を知ったビルフランはペリーヌに今一度、返事を書くように指示する。相手は電報に出てきた2人、マケルネス神父に英語で、フランス人のルセール氏にはフランス語で書くようペリーヌに言った。ペリーヌは英語に直す文章は容易に書くことが出来たがフランス語で書く文章は一行も書く事が出来ず秘書室へ辞書を取りに行っても良いかビルフランに尋ねる。
「お前は綴り字に自信がないのか?」
「ええ、少しもございません。それで、あなたのお打ちになる電報を局の人に笑われたくないのです」
「するとお前は間違わずには手紙が書けぬのじゃな?」
ペリーヌはフランス語の綴り字、文法等は全く自信が無いことをビルフランに言う。
「学校へは行かなかったのか?」とのビルフランの問いに対してペリーヌは勉強は旅の合間に両親が教えてくれた事、あまり、勉強はしなかった事を言う。
午後からの工場巡回の途中、ビルフランはペリーヌに「大変立派な小学校の女の先生が此処に居る、戻ったらその人に、放課後、わしの仕事がすんでから、六時から八時まで、お前を教えてくれるかどうか、聞いてみよう」と言ってさらにビルフランは説明を続けている。「先生の名前はベローム嬢(ベロームとは美しい男という意味)、その名のとおり、わしより背は高く、肩幅も広い」といっている。
原作ではもう少し詳しく「ベローム嬢」について説明していますがこのへんで・・・
「教養のある娘に仕上げます」
結局、ベローム嬢はマロクールの全権を握っているビルフランの頼みを断るはずも無く、またペリーヌの事も気に入ったので家庭教師を引き受ける。
以下は稽古二日目のビルフランとベローム嬢の会話です。
「何という災難だったんでしょう、この娘が教育されないでいましたとは!」
「賢いでしょう?」
「賢いどころではございません、もしこういうことがいえますなら、賢いこと
この上なしとでも仰ってくださいまし」
「書くほうはどうでしょうな?」
「芳しくはございません、が上手になりましょう」
「綴り字のほうは?」
「おぼつかのうございます」
「そうすると?」
「あの娘を見ますのに、書き取りをやってみてその書き振りなり綴り字なりを正確に知ることが出来ましたが、しかしそうすればそれだけの事でございます。私はあの娘のもっと良い意見を叩きたいと思いましてマロクールについて短文を綴らせました・・・以下略」
ベローム嬢はペリーヌに文章を書かせた結果、ペリーヌの見たり感じたりする天性を、また見たり感じたりしたことを言い表す天性を、高く評価する。ビルフランは喜びペリーヌが今日に到るまでの経緯をベローム嬢に説明する。
「あの娘の意思が強くなるように仕込んでくだされ・・・以下略」
「仕込むことよりもお手本の方がずっと効き目のあるものでございますから、あの娘は私から学ぶよりもずっとよく、あなたに学ぶことでしょう・・・以下略」
その後のベローム嬢は機会ある事にペリーヌに「ビルフラン」のことを口にした。そうして往々ついペリーヌの巧みな質問に乗せられて勉強とは関係のないビルフランに関する事柄を語らせられるのであった。結果、ペリーヌはベローム嬢からビルフランの「眼」に関する詳しい情報を得る事ができた。しかし、甥やタルエルの陰謀に対しては直接にも間接にも質問をさせはしなかった・・・中略・・・それがどんな事であるにせよ・・・聞き出すということは断念しなければならなかったかも知れない、しかし、カジミールの母親ブルトヌー夫人のマロクール訪問があってこれがため、きっといつまでも閉じられたままでいたであろうベローム嬢の唇は開かれたのである。 |