この子を貰ってきた時、さて、名前を何にしようかと考えた
候補としては、テンとレオと、二つが最終選考に残ったのだが、
さてさて、どっちがいいだろう?
何せ、名前は一生背負っていかなければならないものだし
安易に付けたくはなかった
レオに関しては、別に「西武」のファンだと言うわけではなく、
単に、「ジャングル大帝」のレオを連想した次第だ
飼い主の欲目かもしれないけれど、ほら、ほら、なんか、似て見えない??
・・・で、テンに関しては、ああ、本当のことを言えば
「うる星やつら」のテンちゃんが好きだったので、ふと、浮かんだんである
先住猫がチーコで、「地」
ニューフェイスの猫がテンで、「天」
おお、ナァ〜イス!ではないか
自分のセンスにめまいすら感じるね


鬼姑のようなクーちゃんが亡くなってテンがやってくるまで、約4ヶ月の期間があった
この4ヶ月が、おそらくチーコの人生で最高の月日だったに違いない
気を使う相手も無く、まぁ、同種の仲間がいなくなって、多少は淋しそうではあったが、何せ家の中すべてが自分のテリトリーになった訳だから、庭先で寝転がろうが私のbedで身づくろいしようが、誰からも文句は出ないのである
「うれしいわ!天国だわ!」と、思っていたかは定かではないが、この頃のチーコは穏やかな顔をしていた
おまけに、家猫が一匹になってしまって私も淋しかったので、チーコは私のご寵愛を一身に受けていた
でもね、幸せの後ろには、必ず落とし穴が待っているんだよね

悪いね、チーコ


一難さって又一難、まことについていないチーコである
クーちゃんの前では「嫁猫」だった彼女が、テンを迎えて今度は「乳母猫」に変身である(しくしくしく、苦労が尽きないね)
でも、彼女はまことに良くやってくれた
尻尾を振ってはテンを遊ばせ、甘えてくればどこでもナメナメしてやった
子供を産んだ経験もないのに、
あれは生まれ持った母性本能なんだろうか
巷でよく聞く、子育てを放棄する母親に見せてやりたい、この姿
なんなら、チーコの抜けた爪でも差し上げようかしら

テンも又、まことにチーコになついた
どうも彼女を、ママだと勘違いしているらしい
産みの母の事など、もう、とうに忘れているんだね
しょうがないか、脳みそ少ないしな
この姿を見ていると、ああ、産みの親より育ての親だな・・・と思う
人の世も猫の世も、結局は「愛」と「歴史」なんでしょうねぇ

ちなみにテンにおいての大事な人って言うのは、
一番がチーコで、二番が私
・・・なんか、気分が悪い

あんなに小さかったテンも、今じゃこのありさまだ
体は充分に大人だが、精神はまだまだガキンチョなので、
未だに同じ勢いでチーコにぶち当たっていく
年老いたチーコに、この体当たりはかなりのダメージになる
それに気付かないテンは、最近のチーコの
「寄らないでよ!」との威嚇に、
ちょっぴり淋しげで、哀しげである

ま、しかたがないって、テンちゃん