平成9年8月末、テンが我が家にやって来た。
白くて小さくて、
まるで天使のようだった
すっかり、有頂天になってしまったわたし・・・


我が家にやって来た初日から、
すっかりくつろぐこの態度のでかさに、
私は、少なからず無謀な野望を抱いてしまった
この子はきっと、
念願の「ボス猫」になってくれるに違いない!!

まぁ、それは後に
儚い夢だったと思い知らされたわけだが、
それでもテンは毎日元気にご飯を食べ、う○ちをし、
お外で泥だらけになって
ねずみすずめを取った
正しく猫の王道まっしぐらである
三国一の幸せな猫なんである
これほど舐めるように可愛がっているんだから、
きっとその内、恩返しをしてくれるに違ない
私はまた、新たな期待を抱いてしまった

テンとチーコは仲良しである
飼主としては申し分がない
これもひとえにチーコ様のお人柄(お猫柄?)の賜物である
彼女はかつて、クーちゃんという黒猫と生活を伴にしていた
このクーちゃんって奴は、毛並みと同じにナカナカ腹黒い奴で、先住猫だったのをいい事に、チーコにやりたい放題し放題、暴虐武人の振る舞いだった
飼い主の身としては、チーコが不憫でならなかったが、これも猫の世界のしきたりなのかと、フォロー一辺倒に回っていた
まぁ、そんな訳で、不屈の忍耐力を身につけたチーコにとって、チビで能天気なテンの一匹や二匹、どって事なかったのである
私は、チーコの瞳に理性と知性の光を見たね
賢い猫は気立てがいい

チーコはデブだ
うちにやって来て暫らくして、避妊手術をさせていただいた
勝手な人間の振る舞いを、彼女はどう思っていたのだろう
今でも心が痛んでいる
一度ぐらい出産を経験させてやるべきだった。後悔しても後の祭りか
母性を奪い取られた腹いせに
彼女は食って食って食いまくった
そして想像妊娠よろしく、このような腹になった次第である
私は文句がいえない
ごめんね、チーコ