実録・少額訴訟


第九回 口頭弁論(後編)


2009年3月24日
 15:20頃、裁判官の人が控え室に呼びにきたので再び法廷へ。 法廷に入ると被告はおらず、被告なしでいくつか話をされた。話のうちの1つで裁判官の判断について聞かされた。裁判官の判断で私の主張が認められなかったのは次の2点

・残業代の計算に住宅手当は含まない
・付加金の支払いの判決はないだろう(若干曖昧 ※21)

 しかし、それ以外の部分については全て認められる模様。金額で考えると、1回目の訴えの変更申立の金額から付加金の分を除いた約25万(※22)になるはず。上記の2点については法的な解釈の問題であるから特に不服はないし、何よりも被告側の不当な主張が全て退けられたことには満足だ。

 私としてはこれで判決を出してもらって問題ないのだが、裁判官は「20万程の支払いで和解をする気はないか」と聞いてきた。裁判官の考えとしては、双方が完全に対立しているため、判決を出しても異議申立があればまた裁判が長引くことや、今回の場合、支払額の細かな部分まで再計算しなければならないのでそれにも時間がかかるためらしい。

 しかし私としては、被告側は支払いを散々引き伸ばしてきた挙句時効で支払いを免れようとするなど、対応が非常に悪質だったこともあり、1円たりともまける気はない。丁寧にお断りした(※23)。

 被告が呼ばれ、被告にも裁判官の判断の内容を説明された後、双方和解の意思がないことを確認する。本来ならこの後判決が出て終わりなのだろうが、被告は裁判官の判断が相当不服らしく、また無意味な主張を何度も繰り返す。仕舞いには、「この判決が、どの法律の何条によって出されたのか全て書き出せ!」などと無茶苦茶なことを言い出す始末。結局被告は約20分間喋り続けた。

 被告がようやく喋るのをやめたところで閉廷。通常、少額訴訟の判決は当日出されるのだが、前にも書いたように細かな計算が多数あるため判決は後日(約2ヵ月後)出されることになった。

 結局法廷を出たのは17時少し前、3時間以上かかったことになる。裁判が終わった後、裁判官の人に聞いたが、これはかなり長い方だそうだ。まあ、被告がもっと簡潔に話せば1時間は短くなったような気はするのだが…。

 帰る頃にはこれまでの緊張と発言のおかげで喉がカラカラになっていた。自販機(※24)でカルピスを買って帰宅した。後は良い判決が出ることを祈るだけだ。

 







※21 少額訴訟で付加金の支払いを命じる例は少ないらしい

※22 付加金の占める割合が大きかったので結構減った









※23 仮にこちらが和解に応じても、被告は和解する気はなかったようだが













※24 ここのジュースが1本90円となかなか良心的。500mlのカルピスも90円。ここの裁判所だけかもしれないが

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