実録・少額訴訟


第二回 未払い金発覚


2008年1月11日
 前々から考えてはいたが会社を辞めることを決意する。退職に関する規定を確認するために残業で他の社員が全員いなくなってから就業規則を読んでいた。なんとなく開いたページで給料に関する規定のページがあったので読んでみる。…ん?……んんん??これは…

貰えるはずの給料が違うじゃねーか!!(※3)

入社してから1年10ヶ月して始めて給料が不足していることに気づいたのだ。まあ、本来なら入社してすぐに給料明細を確認しておけばよかったのだろうが、この会社の給料明細は「○○手当」という項目が多すぎて判りづらかったのでよく確認していなかったのが現実だ。
とにかく、まずは給料の不足分を払ってもらうことが優先だ、退職はそれを全て受け取ってからだ。


2008年1月14日
 この日は休日だったのだが例の赤字の仕事のせいで私だけ休日出勤だった。他の人は来ないと思っていたのだがM部長(※4)とたまたま会ったので給料が不足していることを言ってみと、「給料のことは役員Sがやってると思うから伝えておくわ」と伝えてくれたようだ。


2008年1月中
 M部長が役員Sに伝えたところ、役員Sは「必ず訂正するから少し待ってくれ」と言っていたらしいので、とりあえず次の給料日までは待ってみることにした。


2008年2月25日
 給料日。給料が訂正されていないのでいつ訂正されるかM部長に再度尋ねると、数日後、M部長から「役員Sは4月の給料日までに訂正するから待ってくれと言っている」と伝えられる。まあ、年度の途中でそういった訂正をするのはいろいろと面倒なのかなと4月まで待つことにする。


2008年4月25日
 給料日。やったー!基本給が1000円増えたぞ!
って、当然そういうことを言いたいわけではない。基本給は僅かに上がっていたが、根本的な問題である本来の基本給や各種手当の訂正が全くされていない。この日は役員Sが来ているので直接聞きに行く。すると「直ってない?もう一度調べるからもう少し待って」という。…が、今思うとこれは会社側の作戦だったのかもしれない(※5)。


2008年7月5日
 まだ訂正されていないのでM部長から再度役員Sに言ってもらうが「必ず直すから待ってくれ」の繰り返し。


2008年10月14日
 こちらが足掻いても仕事の状態が改善されないと感じたことや、8月に次の仕事が大体決まったこともあり退職願を提出、その際に給料不足分の支払いを再度求める。


2008年10月2X日
 仕事の引継ぎをする人に給料のことを話していると「それなら最後の給料貰ってから労働基準監督署(以下監督署)に行った方がいい」とアドバイスを受ける。


2008年10月30日
 役員Sより、給料はすでに訂正されていると言われる。役員Sの説明によると、「同期で入社している短大卒の人に比べ、調整手当10000円という形で差がついている」とのこと。今までの給料が正しいと言いたいらしい。…私はこの調整手当10000円があったとしても入社前に示された給料には不足しているということを言ってきたのだが。

 つまり、本来は大卒の給料が貰えるはずが実際は短大卒の給料+10000円しか貰えていなかったということがはっきりした。


2008年10月31日
 役員Sをわからせるために給料明細を持参。調整手当があっても給料の総額が不足していることを伝える。少し待ってほしいとのこと(またか)。
(結局以後役員S及び会社から給料に関しての説明はなし)


2008年11月10日
 退職


2008年11月25日
 最後の給料が振り込まれるが不足分の振込みはなし。まあ、予想通りか。






※3 月10000円程違う










※4 この人は部下の話を親身に聞いてくれるいい人だった



















※5 給料の時効は2年なので、最初の給料から順番に時効が成立し始める
労働基準法第115条 この法律の規定による賃金(退職手当を除く。)、災害補償その他の請求権は2年間、この法律の規定による退職手当の請求権は5年間行わない場合においては、時効によつて消滅する。




 

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