デビッドデュバルのスイングホ−ム

左のグリップはストロング(写真1)。いま、米国や欧州のツアーで多くなっている。ここ数年でこのグリップを基本にした握りが世界の主流になっても不思議はない。

 米国は沈みやすい洋芝で、フェアウエーからのショットも難しい。欧州のライも日本のように球が浮くようなものではないから、単純に打ち込むショットでは距離感を的確に出せない。パーオンするには、ターフをとらないことが第一。左をフックグリップにすることによって、極端なダウンブローは不要になってくる(写真5〜6)

デュバルのスイングでの最大の特長は極端なフックグリップにある。左手甲が正面を向くほどかぶせて握り、右の親指、人差し指でできるV字は右肩をさす。このグリップからは、左に曲がるフックボールを想像したくなるが、実際には、これで逆のフェードボールを持ち球にしている。

 デュバルのようにグリップした方がクラブを握りやすいし、振りやすいというゴルファーもいるのではあるまいか。ただし、こうしたグリップにして飛ばし、コントロールするためには、いくつかの条件をクリアしていかなければならない。今回はアドレスとバックスイングでのポイントを紹介しておきたい。

 『グリップエンドがおヘソを指すようにセットする』

 これがアドレスでのポイントだ。写真1のようにグリップ位置はボールよりも後方(からだの中央寄り)になる。

 『テークバックは低く、長くではなく、アーリーコックで早くリストの角度を決めてしまう』

 これは、バックスイングでのポイントだ(写真2)。

テークバックでリストをコックしてから腕を上昇させる。そして、上昇していく左腕が左肩を引っ張り、ターンさせる。つまり、上半身が主体となった動きで、下半身は、そうした動作を支える役でしかない。もちろん、左肩のターンが深くなっていくにつれて腰もわずかにターンする。

 その腰のターンによって左ヒザが、これまたわずかに内側に寄せられる。しかし、これは、あくまでも結果であって、自分から動かそうとするものではない。むしろ、意識としては、下半身は不動を保つぐらいでいい。それでこそ、大きな捻りが生まれる。

 ダウンスイングからは一転して、下半身が主役になっていく。上半身はトップスイングのままにおいておき、左足を踏み込む(写真5)。さらに左腰をターンさせていくことで左肩を引っ張り(写真6)、その左肩が左腕を振らせていく。後半は、下半身と左肩が主体になるというのは、こうした連動をさす。左足を踏み込んでからの実際の動きは一瞬にして終わってしまうから、フィニッシュまでを意識してはいられない。