産地(地層) |
北海道中川町(蝦夷累層群オソウシナイ層) |
年代 |
白亜紀後期カンパニアン |
分類 |
竜盤類・獣脚類・テリジノサウルス類 |
発見された部位 |
指骨(末節骨含む) |
展示・収蔵 |
中川町エコミュージアムセンター/実物化石・展示 |
発見・研究 |
2000年の秋に中川町在住の遠藤 富士幸 氏が発見し、安平志内川流域で骨のようなものが含まれた細粒砂岩ノジュールを発見した。それは旧中川町郷土資料館に寄贈され、約3年後、2003年夏に中川町エコミュージアムセンターにてクリーニングされた。
4ヶ月を要したクリーニングの末、末節骨2点を含む指骨数点が発見された。この標本は早稲田大学国際教養学部の平山
廉 助教授によって鑑定され、テリジノサウルス類のものであると判明。2004年6月に発表された。
この標本は北海道で3番目の恐竜化石となり、日本で4例目となるテリジノサウルス類となった。日本のテリジノサウルス類化石は、御船層群より歯2本及び脳函が発見されている。
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特徴
発見の意義
etc... |
とくに最も保存状態が良かった末節骨に見られる特徴は以下。
1.サイズのわりに薄く、全体のカーブが弱い。
2.関節面背側に小さな張り出しが存在する。
3.関節面腹側の屈筋突起が弱い。
これらはテリジノサウルス類が有する特徴である。
今回の発見では、標本が海成層で見つかったために同層から産出するアンモナイト類などの示準化石から時代を類推できる。これらの調査によると、生息年代は後期白亜紀のカンパニアンであると推定される。これはテリジノサウルス類としては最も新しい時代のもので、モンゴル・中国など大陸で見つかる他のテリジノサウルス類との分類上の関係やテリジノサウルス類がたどった進化の道筋を解明するのに貴重な資料と言える。
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参考) |
1. 中川町エコミュージアムセンター公式サイト http://city.hokkai.or.jp/~kubinaga/ |