アルバム「パサディナパーク」収録の「7月のクリスマス」。
ここで歌詞を掲載したいところですが、それは著作権の関係で
まだできないようです。
詩の内容は、「結婚五年目の夫婦が南の島に旅行にきて、
そこで妻が結婚記念日について夫に聞く。夫は
忘れたようなフリをするがホントはちゃあんと憶えてた」
という感じです。曲はよいのです。「銀座の恋の物語」のように
男女交互に歌う形式です。しかし、問題はその内容だ。
妻が”7月25日が何の日かわかる?”という問いに対して夫は
ふざけたり、はぐらかしたりします。こいつ、マジで憶えて
ないだろう、と思いました。妻が、”ねえもう五年目よ”と
言ったところで、ハッと思い出したに違いない。
そして、マジボケがバレるとやばいと思い、最後に
気の効いたセリフをひねり出してごまかす。
なんてやつだ。
この男がほんとに憶えていた設定なのかどうかは、
作詞家に聞いてみないとわかりませんが、それ以上に
許せないセリフをこの男は吐くのです。
妻が、”ねえ私のこと愛してる?”と尋ねますが
、それに対する夫の答えが、
”神のみぞ知る”ときたもんだ。
何様のつもりじゃーい。
この歌好きなんです。ホントは。しかしこの歌詞に
でてくる男が嫌いなのです。
おいらの読み取り方がおかしいんでしょうか。
この曲を聴いたことのあるひとは、どう思ったのでしょうか。

その後の新展開

下のハイファイセットホームページに山本潤子さん御本人が
登場されて、「神のみぞ知る」はアガサクリスティーの
謎解きとかけているからでしょう、との御返事。
う〜ん。そうかなあ。推理小説の犯人が誰であるか
神のみぞ知るってことはないと思うぞ。
読者のみぞ知る。名探偵のみぞ知る。あるいは 横溝正史の
映画にでてくる「よし、わかった警部」のみぞ知る。
この歌詞の夫、結婚5年目にして、アリバイ工作を
画策し、それを疑う妻の追求をトリックと評し、
自分が完璧なアリバイを作ると言われて、「君は
ポアロに勝つつもりかい?」と言う。このポアロとは
つまり自分のことだろう。なんたるうぬぼれ。
妻が3度も7月25日が何の日かわかる?と尋ねるのを
3度ともバカチンな返事を返すというのは、あまりにも
妻が可哀想ではないか。

歌詞だけを見るとこういう疑問、疑念が
次々に沸き上がってくるが、実際に曲を聴いてみれば
そんなことを微塵も感じさせないパワーが
みなぎっていて、ほんとに幸せな雰囲気に
包まれるのだ。ううむ。わしの負けだ。
この歌詞にでてくる君たち。君たち夫婦は
その後も幸せに暮らしているのだね。

この作詞をされている方は「水色のワゴン」など
情景が目に見えるような、ストーリー性のある素敵な歌詞を
作っておられます。しかしわしのようにツッコミを
いれてくる輩がいるとは思わなかったろう。
「作詞、策におぼれる」とはこのことか。


ハイファイセット ホームページへ
山本潤子さんは”葱のはな”という
ハンドルネームを使用なさってます。

好きなもの一覧にもどる