DCR-SC100 ぶっつけ本番レポート

DCR-SC100
 平成19年8月、突然2泊3日の県外出張(研修)に行くことに。ウチの業種でもご多分に漏れず、研修には報告書が付き物。私は大抵記録用にデジタルビデオカメラを持って行きます。カメラとしてもテープレコーダーとしても使用でき、限られた荷物で任務が遂行できるからです。当然これまでは愛機DCR−TRV900を持参しておりました。しかし今回は滞在日数が長いことから携行品が多くなり、カバンにはTRV900を突っ込むスペースなど最早無さそうです(泣)。デジカメで我慢しようかと思っていた矢先、某リサイクルショップでDCR−SC100の中古を発見(当時定価220,000+税が税込9,800円!! 熟慮の末購入し、いきなり実戦投入と相成りました。


 「熟慮」と書きましたが、スペックの確認といった方が近いかもしれません。決断材料となったのは
(1)小型軽量であること
(2)L型リチウムイオンバッテリー対応機であること
(3)端子類の省略がなく、汎用ケーブルを接続可能であること
 (1)は説明不要でしょうが、(2)について、ウチはL型バッテリー対応機が多い(左参照)ので、充電器やバッテリーを兼用でき都合が良いのです。(3)はいつでもどこでもその機材を使用する為に不可欠な要素であると私は考えます。
 TRV900との比較。TRV900の占有体積約2.4 ・撮影時質量約1.2kg に対してSC100の占有体積は約1.0 ・撮影時質量約0.7kg 、比較の為に並べてみると、かなり違いがあるのが判ります。但し、両機ともL型バッテリーが縦に位置している関係で高さはほとんど同じです。
 SC100本体にはデッキモードでの録画ボタンが無くリモコンでのみ操作可能となっています。まぁこっちで「受け」ることは余り無いので余り気にしなくて良いと思います。 
 今回の出張では屋内の研修(講習)が多かったのですが...座席指定が最前列になっており、発表者とスクリーンの両方を画面に収めることができません(泣)画角が狭いことはある程度覚悟していました(SC100のフィルター径は特殊規格となっており、その為の変換アダプタが欠品だった)が、こうして実際に突きつけられると苦しいものがあります。
 バッテリーは2本付いて来たので手持ちと合わせて3本を充電して持参。テープ2本をLPモードで撮影しほぼ使い切りました。メーカー公証より長めなのはフォトモードだと電力消費が少ないからなのかもしれません。
 ワークショップ形式の「ファシリテーション・グラフィック」という手法の研修。
 (左)机上に紙を並べたり模造紙にどんどん書き込んでいったりします。ある程度机上に並べたものをきちんとカメラに収めるのは無理で、かなり斜めからの撮影となっています。
 (右)SC100の目玉機能のひとつ、液晶モニターの角度を変更させて行なう「自分撮り」を応用。椅子の上に立って腕を目いっぱい伸ばして撮影してみました。古い時代の製品だけあってモニター角度は自在という訳にはいかず、カメラを左手で持つことになり(シャッターボタンを押すのは親指)真っ直ぐに撮るのはかなり難しかったです。
 気を取り直して屋外撮影をチェック。
 (左)SC100のフォトモードはTRV900と違って記録を開始した時点でスルー映像になるので、次の画像を素早く撮影できます。撮影時には「ちょっとくすんでいるかなぁ」と感じた色調はキャプチャーして補正すると結構いい感じになりました。接写性能は余り良くありません。画像の中心に赤トンボがいるのですが、これ以上寄るとピントが合いませんでした。
 (右)ビデオカメラの面目躍如という感のある月食の画像。ズーム倍率に余裕があるので月の「欠け」がはっきりわかります(ある程度拡大しないと明るさが補正されてしまい「欠け」がわからなくなるので、低倍率のデジカメでは苦手とする被写体である)。
 ここからは研修終了後のオプション、国宝松本城へ足を伸ばしてきました。
 (左)大手門をくぐり、内堀から天守閣を撮影。敷地内の案内板に撮影スポットが親切に記入されているのが微笑ましい。
 (右)天守閣見学入り口へと通じる道より。もっと下からアオって巨大感を演出したかったのですが、広角性能が足りずこれが精一杯です。この画像も撮影している時は真っ暗で本当に撮れているのか半信半疑でしたが、キャプチャーして補正したらちゃんと写っていて安心。
 松本城といえばやはりキングギドラの凄まじい羽ばたきに耐え他の建造物との格の違いを見せ付けた「三大怪獣地球最大の決戦」の1シーンが思い起こされます。うろ覚えで撮影した為、劇中とだいぶアングルが違ってしまいました(汗)劇中人々が逃げ惑ったあの橋は鮮やかな朱色に塗られていました。この時点でかなり雲行きが怪しくなり、慌てて松本駅へ向かいました。
   
 帰路の乗り継ぎの時間が不明確な為、松本駅にて夕食の駅弁を購入...って既にビデオカメラのレポートを逸脱しているような気がしますが(笑)画像は20:30頃に特急列車に乗り込んだ時点で撮影。見た目以上に暖色系にシフトして撮影されており、画像補正を経て記憶に近い色に落ち着きました。左の画像にマウスを載せると中身が見えます。
 家に帰り着き、22:30頃から一杯やろうとしているところ。ここまでSC100の評価をしてきましたが、より客観的に同一の被写体でTRV900と比較することにしました(画像をクリックすると別窓で開きます)。
 (左)SC100でかなり近接して広角側で撮影。(右)TRV900でほぼ同じ位置から広角側で撮影。両者ともあえて画像補正はしていません。こうして見る限り広角側の画角にはさほどの違いはないようです。色調はTRV900の方が近いです(少しだけ青みが強く感じられる)。
 余談ながら、長野駅で購入した鯉のうま煮は中心部分(肝?)がホクホクして大変美味しかったです。


 <まとめ>(のようなもの)
 画面の解像度と色の鮮度(純度)の点ではやはりTRV900に軍配が上がります。SC100は電子式手ぶれ補正機能の為、常時26万画素程度しかCCDが有効に機能していないということなので止むを得ないところでしょう。そもそも使用目的がまるで違うのですから。むしろ以前職場で使った他のビデオカメラとSC100との静止画画質の違いがさほど気にならなかったことから、納得して使えば結構いいのではないかと思います。現在ではSC100よりも小さく軽量なビデオカメラが幾つもあり、デジカメ機能も充実しています。しかしそれらは小型化を追求した結果、ボタンの位置がわかりにくかったり狭い液晶画面にタッチして操作しなければならなかったり、とっさに使えないものも少なくありません。SC100の評価ポイントは気軽に扱えることにあるような気がしてきました。良い買い物をしたと思います。あとは広角レンズを調達することを考えなければ。コレとか。

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