18,6,10付 北日本新聞より

 

写経で心和らげて

大仏寺で教室開講−あすから毎月第2日曜―

高岡・谷道さんら

 

 

 独学で写経に取り組んでいる高岡市小馬出町の谷道巌さん(82)が中心となって「大仏寺写経会」を結成した。毎月第二日曜日に、高岡大仏がある大仏寺(同市大手町)で、写経教室を開く。11日に第一回があり、ボランティアーで講師を務める谷道さんは「何かと物騒な時代。写経で心を和らげてほしい」と、参加を呼びかけている。

 

 谷道さんが写経を始めたのは役30年前。戦時中に県人でただ一人、人間魚雷「回天」に搭乗し命を落とした戦友、小森一之さん=旧福野町出身=の霊を慰めようと、高岡大仏へ毎日参拝に行くようになったのがきっかけだった。以来、写経や写仏を続けている。

 

 昨今は、全国的に痛ましい事件が続いていることから「一人一人が清らかな心でいられる社会にしたい」と、友人とともに写経会を結成。誰でも自由に参加できる教室を開くことにした。

 

 毎回午前十時から約1時間半を予定し、「般若心経」を入門編とする。初心者は筆ペンを使い、上達すれば毛筆に切り替える。写経前には、その日に取り組むお経を読むことにしている。谷道さんは「たくさんの人に参加してほしい」と話す。

 

 教室は参加費500円と実費が必要。問い合わせは大仏寺、電話0766(23)9156.

 

 

 

注)、第一回教室は、6月11日に33人が参加して開催され、大盛況の内に終わった。

 

 

 

 

 

18,9,1付  北日本新聞 24(読者のひろば=投稿欄)より

 

精神を統一し般若心経写経

高岡市 新田恵子(主婦 52歳)

 

 

 縁があって高岡大仏寺の写経会に出てみました。以前本紙に記事として掲載されていましたが、谷道巌氏の指導のもとで行われています。

 

 当日、仏殿はあふれんばかりの盛況で私は末席に座りました。まず井上住職の読経があり、木魚の音が静かな雰囲気のなかに鳴り響き、心が幽玄の世界へと導かれます。あとで聞いたのですが、写経をする前にお経が別にあるとのことで、古い昔から中国で行われていたことも初めて知りました。

 

 読経が終わり早速実技に入りました。般若心経262文字の浄書です。私は毛筆は苦手なのですが、初歩の人は筆ペンからと教えられ、お手本の上に写経用紙をのせてなで書きをしました。これならば私にもなんとかできそうと思い、約1時間、精神統一をして写経に挑戦しました。

 

 なかなか上手には書けませんでしたが、書きあがると何とも言えない気持ちになり、写経の功徳を知ることができ、有意義な時間となりました。来月もまた行くつもりです。みなさんもぜひ一度足を運んでみてください。

 

 

 

 

 

18,9,1付  北日本新聞 24(読者のひろば=投稿欄)より

 

日中を避けて朝に夕に写経

                                     射水市 川口和香子 (主婦 67歳)

 

 

 日差しがまだまだ強い日中を避け、朝夕の風がさわやかに肌に感じるころ写経を始める。筆を静かに運びながら、永六輔の亡き父、永忠順氏が日頃言っていたという言葉を思い出した。「いつも体調と相談しながら自然体で生きたい。無理をしない。静かに生きる。借りたら返す」

 

 「借りたら返す」の意味は「生きるということは誰かに借りをつくること。生きていくということは、その借りを返してゆくこと。誰かに借りたら、誰かに返そう。誰かにもらったら、誰かにそうしてあげよう」とのことだという。

 

 連日、目を覆いたくなるようなニュースが続き、人と人とのきずなの希薄さお感じさせる今日、一人でも多くの人にこの言葉を伝えたい。

 

「仏」の経文を書き写すだけではあるが、あらゆることへの精神統一の場として、写経をずっと続けていきたい。そして「赤ちゃんのときにかわいいと言われて、花嫁のときに美しいと言われて、おばあちゃんになったら、またかわいいと言われて」。こんな女の生き方もいいと思う。