――私の名は金色の魔王(ロード・オブ・ナイトメア)。全てを創りしものよ……。
………でも、あとがきじゃ、L様になって、馬鹿な作者と、間抜けな部下Sをからかうだけなのよねぇ……。
暇だし、どっか出かけよーかなー……。
L様 旅行記・激闘編
〜北京飯店に陽は落ちて〜
と、ゆー訳で、私は今、神戸中華街にいるの。……周りは人がいっぱいね。
――ちなみにこの旅行。代金はすべて作者もちだと担当さんに確認とったから安心ね〜。
――さて、中華街に来たんだし、まずは格好が大事よね!中華街とくれば……やっぱりチャイナドレスよ!
サービスシーンも必要だしね。……あ、今変なシーン思い浮かべた君は、後で体育館の裏に来てね♪人生について(体に)教えてあげるから☆
? 何で周りにいる人たちは私を避けてるんだろう……?私の進行方向にいた人たちは左右に避けている……モーゼみたいね……。
……ここだ、ここだ。中華系の服がいっぱいあるわね……私的にはコスプレの衣装に多いあのみょ〜な光沢を放つ生地が嫌いなのよね
私は手近なところにいた茶髪の店員のねーちゃんににこやかに話し掛けてみた。
「ね、チャイナドレスちょうだい。あ、みょ〜な光沢の放ってないやつね」
「! あ、は、はいぃっ!」
その店員は体調でも悪いのかしら?顔色が真っ青だわ……私も気をつけよ。
「こ、これなどいかがでしょう……?」
店員が持ってきたチャイナドレスはイメージとしては某格闘ゲームに出てくる気孔を武器にしている少女のものかしら?それに近いわね。
チュンリーですな。
「う〜ん……これにするわ。それでいくら?」
どんなに高くたって作者に請求されるから大丈夫♪
「あ! はい、三万五千円になります!」
「そう。代金はこっちにつけといてね」
私は担当さんから渡されたとある紙を店員に渡すと一言断わってから、更衣室に入って着替えた。
――鏡を見る………バッチリね。
さぁ、食べるわよ〜!
私は店から出ると、手近なところにある出店でラーメンを頼み、すする……う〜ん、美味。
「あんがと。請求書はこっちに回しといてね」
「……請求書はこっちに」
「……請求書はこっちに」
「……請求書はこっちに」
…………………。
ふぅ〜。食った、食った。遊んだ、遊んだ。
私はやさしいから作者と部下Sへのお土産も忘れてないわ。
作者には怪しげな中国帽。(四千三百円)
部下Sには怪しげなパチもんゲーム。(九百八十円)
……どっちも請求書は作者回しなんだけどね。
さぁて、ここの目玉!北京飯店に行くわよ!
――北京飯店、ここ周辺を牛耳取る飯屋……その実態はやっぱり飯屋。
私は北京飯店に入ると、すぐに店員が出てきた。
「ようこそ、ご人数は……?」
「一人よ」
「そうですか。ではこちらに」
その店員に案内されて私はテーブルに座る。
立ち去る店員。私はしばしメニューを眺めた。
……フフフ……この時のために私のお腹は腹三文目よ!……どこぞの自称天才美少女魔道師の小娘の食欲みたいね……。
さぁて、ど・れ・に・し・よ・う・か・な♪
「……お決まりでしょうか?」
「あ、餃子、焼きそば、炒飯、シュウマイ、後お任せコースをそれぞれ二人分ずつ」
「………ご確認します。餃子、焼きそば、炒飯、シュウマイ、お任せコースをそれぞれ二人分ずつですか?」
「そうよ」
「…………かしこまりました……」
注文を取りに来た店員は少し顔を青くして注文を伝えに行った……どしたのかしらね。
北京飯店のご飯はそれはもうおいしかったわ。でも、私は気づいてしまったの……一つの注意書きに……。
――当店では現金お支払い以外をお断りしております――
……どうしよ………そうよ!逃げ出せば!!
私はトイレに向かい中に入る、そしておもむろに窓を開け、一気に外に踊り出る!
バウバウ!
――げ! 猟犬がこっちに向かって来てる……じゃんぷ☆
私は窓から再び、中に戻った。猟犬は窓の外をうろうろしているわね……くそ、退路の一つは絶たれたか……。
私が他の退路を思案していると、不意に声をかけられた。
「……お客様、申し訳ございませんが当店は食い逃げと判断させていただきます」
ど、どうしよ……。
「おら!速度が落ちてるぞ!」
私は厨房で皿を洗っていた……。
私のすぐそばで太って脂ぎってるオヤジがツバを飛ばしている。
……このストレスは作者と部下Sに送ってあげよう……私はそんなことを考えつつひたすら皿を洗ったのだった……。
おひまい。