悪の秘密結社 第参話
――前回のあらすじ
敵はいまだにできず。ブラックナイト――通称ブラナイを仲間にし、励む一同。
果たして、敵はできるのか?
「……では本日の議題に移ろう……本日の議題も、敵の組織についてだ……」
マルム様はそうおっしゃり、ブラナイ君も気を取り直したらしい。
「そうですね……我らが活動を開始すれば勝手に出てきてくれるのではないでしょうか?契約、登録はそのあとでも遅くはないのでは?」
それを聞き、腕をあごに当て考え込むマルム様。……う〜む、そういう考えもあったか……。
「そうだね……そういう考えもあったね」
そう言うと、マルム様は懐からなにやら一通の封筒を取り出した。
「マルム様、それは?」
なっ!先を越された!!
ブラナイ君め〜〜っ!
「?、どうしたのかねバイト君?」
「……いえ、なんでもありません」
何とか平常心を保ちつつ、そうマルム様に答える。
「ならいいが……そうそう、これは私が活動を開始する前から極秘裏に書いておいた戦略資料だ。」
『お〜っ!』
今度はハモッて返答する。おしっ!あと一歩!
「それで、いつから活動を?」
あ!また先越された!!!
「そうだね……今日はもう遅いし、明日からでどうだろう?」
「分かりました」
「了解しました」
おしっ!先越した!
「では、今日は解散」
○月 □日 ◎曜日 天気○
明日から本格的に「世界征服研究機関」――略して「世研」の活動が始まる……。
楽しみだな〜。破壊活動☆
フフ……フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ………………
……ハァハァハァハァハァ……
――翌日いろいろすっ飛ばして世研秘密基地。
「バイト君も、ブラナイ君も早かったね。」
「マルム様、今日休日なんですけど……」
――今日は、この町の休日だ。
――名称は「最初に正義と悪との戦いにケリがついた日」もちろん、この町にしかない休日だから、他の町のカレンダーには載っていない。
「……そういえばそうだったね。では始めよう」
『ハッ!』
「ブラナイ君は所有している空戦兵器を使い、活動を起こし、活動宣言をしてくれ」
「はっ!」
そう言い、ブラナイ君は出てった。って、あれ?
「……マルム様、私はいったい何を……?」
「あ、あぁそうだったね。バイト君は…………町を混乱におとしいれてくれ……変装してな」
「はい!」
私はそう答えると、ブラナイ君と同じく出て行った。
……フフ……破壊活動♪Let´sらご〜♪
私は心膨らませ、町に踊り出た。(もち変装済み♪)
チュドォォォォォォォォォォン!!
私が外に出るとそこは戦場だった。
多分ブラナイ君が乗っていると思われる白っぽい飛行物体の周りになんか虫っぽいロボットみたいのが飛んでいる。
あ、なんか光っぽいものが出てきた。キュィィィィィィンって
う〜ん、あんなの見たことないな〜。
まぁいいや♪破壊〜♪破壊〜♪あははははははははは!
私はおもむろに街中で踊りだした。
周りで見ていた見物人(個人用バリアを張っている)は張っていない私がいて更に踊りだしたので、かなりビビッていた。
マルム様、一般市民は混乱してます。この調子なら町を混乱におとしいれることが可能です。
「フハハハハハハハハハハハハハ!」
今度はおもむろに笑ってみた。
……混乱じゃなくて、引いてるな〜。
よし!初志貫徹!!
「どぉぉぉぉぉぉぉりゃぁ!」
私はダッシュで走る走る♪
――光が見える。
――時も見える。
何かの道が見えたような気がした。
あぁ、人間ってすばらしい……。
「!」
気がつくと布団の中で寝てた。
外は真っ暗だ。
「知ってる天井だ……」
そう、ここは自分の部屋だった。
枕もとの時計を見ると午後11時だった。
「どうして?今日は「世研」の活動開始じゃなかったっけ……」
記憶を探る……思い出せない……。
う〜ん……よし!こういう時は!
私は自分の部屋を出て、一階に下りる。
トントントン……
階段をおり終える。
「?、どうしたの?…………」
「お母さん、スト〜ップ!」
「え?どうしたの?……」
「私の名前言わないで」
「どうして?」
「私は女子高生Aとしているんだから!本名なんか言っちゃダメ!」
「……別にいいけど。ところでなに?」
「私、今日どれくらいの間寝てた?」
私の質問にお母さんは意外そうな顔をした。
「……そうね……12時間ぐらいかな〜」
えと……昨日は午後11時ぐらいに寝たから〜って、えぇぇぇぇぇぇぇ!!!
……も、もしかして……今日、参加できなかった……?
「おか、あさん?今日の学校は……?」
「え、今日は「最初に正義と悪との戦いにケリがついた日」で休みじゃないの」
「あ゛……」
「それに、今日どんなに起こそうとしても起きなかったじゃない……」
「そ、そうなの……?」
「あぁって……どうしたの?」
「なんか精神的に疲れちゃって……」
「そう……まぁ、丁度明日は日曜だし、ゆっくり休みなさい」
「……うん……」
私は自室に戻り、布団の中にもぞもぞと入っていく。
はぁ……でも今日の計画はどうなったんだろ?
一体……。
○月 ▽日 ◇曜日 天気△
今日、計画に参加できなかった。
ってゆ〜より、計画自体やったのかどうかも分からない。
はあ……。
不完全燃焼で燃え尽きれきれなかった……。
今度こそ、完全燃焼して、真っ白になりたい……。