「荒野を彷徨う〜♪今日も唸るボクのー銃〜〜〜♪」(^^

「ラファールさん、なんですか? その歌みたいなの」(−−

「ん、これ? レコードでミリオンを狙ってる歌さ作詞、作曲、編曲、唄全部ボクさ……どったの、イーグル?」

「何でもありません……」




ファイティングヒーロー
THE FIGHTING HERO!


 イーグルとラファールは砂漠にいた。
しかも、迷子である――最悪だ。

「……この砂漠から抜けない事にはレージートを倒す事すらできなくなるね〜」

「楽しそうに言わないで下さいよ………? 町、じゃないですか?あれ」

 そう言いながら、砂漠の一点を指差すイーグル。

「……どれどれ、みふぁそ♪あ、ホントだ。助かったね〜〜。ボクたち」

 二人は、とりあえず町を目指して歩いていった。



 イーグルとラファールは、半ばの腐れ縁によっていっしょにレージートを倒そうとしている。

 レージート、正式名称は「超帝国団レージート」その名のとおり帝国政を取っており、各国家を侵略している。レージート内部では帝国の圧政に苦しんでいる人々もいるらしい。

 二人は正義のため……ではなく、ある個人的な事情によりレージートを倒そうとしているのだ。いっしょに行動しているのもたまたまにしかすぎない。

 砂漠にぽつんとある町――住人に聞いてみると「タマラス」という名らしいが――についた。小さいながらも人通りは多い。

「今晩はここに止まってくしかないですね」

 イーグルは暗くなりかけている中で太陽でぼおっと明るくなっている空を見上げながら、そばにいるであろうラファールに呟く。

 だが、いくらまっても返事はかえって来ない。

「?」

 不審に思い、イーグルはラファールがいるであろう場所を見た――ラファールはいない。

 そこらへんを見回し、やっと見つける。――彼はナンパをしていた。

「はぁ〜い!君、かわいいね♪名前なんてーの?」(^^

 ナンパされている少女は年のころ14かそこらだろうか。――迷惑そうだ。

「……ラファールさん、迷惑そうじゃないですか」

 “いつも”のことにイーグルは軽くため息をつき、ラファールを止めにかかった。

「なんだよ〜。今いいとこなんだから〜〜」(TT

「……すみません、この人いつもこうでして気をつけて帰ってくださいね」

 イーグルはラファールをひとまず置いておき、その少女を解放(?)する事を先にした。

 少女はペコっと頭を下げると、小走りで去っていった。

「なんなんだよ。も〜」凸(−−

 どっかで聞いたことあるようなことを言いながらラファールは拗ねる。

「……ラファールさん、早く宿屋へ行きましょう。日も暮れちゃいましたよ」

「ったく、しょうがないかぁ〜」


「いらっしゃいませー !」Σ(○・/(←目を白黒させてます)

「あ、君は……」

「! 運命だぁ運命の出会いだよ、これはぁ!!」(^^v

 タマラスにただ一軒ある宿屋に入ると、ラファールがナンパした少女がいた。

 イーグルが何か言いかけるが、それをかき消して、再びラファールのナンパが始まる。

 少女は涙目でしどろもどろになっている。

「……ラファールさん」

「ほら、善は急げ、って言うじゃない」

「……ラファールさん」

「やっぱお似合いなんだよ」

「…………ラファールさん、いいかげんにしてください……非常手段に訴えるかもしれませんよ?」

「…………はい……」

 背を少し丸め、ナンパをやめるラファール、イーグルは帳簿をつけた。

「お泊まりはいつまでですか?」

「明日の朝までで」

「……それでしたら、7ジュートですね」

 少女に7ジュート渡すイーグル。ラファールは指を加えながら二人を見ていたが、先ほどの非常手段使用発言のためか何もいわなかった。



 宿の1階は食堂となっていた――結構人が入っていることから考えて、どうやら主要な都市国家の近くにある交通の要所らしい。

 ――ちなみに、宿の料金とここの食事代とは別料金である。

 イーグルは四人用の席に一人で、食事をとっていた。ラファールは別の一団の女性達を口説いている。

「……ラファールさん、ホントーに節操がないなー」

 イーグルはラファールの歯の浮くようなセリフの数々を聞きながら、一人呟く。

「………お隣よろしいですか?」

 そうやって、食べていると、銀髪の女性が声をかけてきた――傍目から見ても美人である。

「……え、えぇ、いいですよ」(//_//

 イーグルは一瞬見ほれてしまい、返事が遅れた。――しかし、女性は気にした風もなく後ろを向く。

「マスター、ここ空いているそうです」(^^

 そう言う女性。イーグルが怪訝に思っていると全身黒ずくめの男が入ってきた。

「………………」(TT

 ちょっとがっかりするイーグル。彼も、ラファールほど節操無しではないが、ほのかな恋が一瞬で終わった事に心で泣いた。

 席につく、男と女性。ふと、横を見るとラファールはふられにふられ戻って来ていた。







 友だ(笑)




 その友、ラファールはその女性を見ると、一瞬でイーグルのところへとやって来る。

「お嬢さん、おひとりですか?」

「いえ、マスターがいますが……それが、どうかなされましたか?」

「いえ、なんでもないです………イーグル、そろそろ寝よっか」(TT

「はい……」

 二人は、心に傷をおって、二階へと上がっていった………。





 ―― 一夜明けて翌日。

 二人は、宿を後にすることにした。

「ありがとうございました」(^^ (−−

 少女はイーグルに(営業)スマイルでラファールにジト目で二人を見送った。

「いや〜いい天気だね〜〜」

 二人は、嫌な思い出が結構ありげになったタマラスを後にした……が、

「……つけられてるね」

「そうですね……」

「どうする?」

「やりますか?」

「そだね」

 二人は同時に振り返った。

「!」

「!」

 後ろにいる二人組の男は立ち止まる。

「僕たちに御用ですか?」

「!」

「!」

 男は同時に剣を抜き、イーグルとラファールに切りかかってくる。

「三流の剣士に本気ですか」

「うわっ♪白兵戦かぁ苦手なんだよね〜ボク」

 そう言い、二人は刀と銃を抜く。

「はっ!!」

 イーグルは刀のみねで男の首の後ろを打つ。

「ほらほら♪」

 ラファールは銃底で鳩尾を打つ。

「……さてと、起きてくださいよ」

 イーグルは男から武器を取りあげ、頬を軽くたたく。

「……!っ!!ぐぁっ!!!」

 突然男は口から血を吐き、倒れる。

「な、なんだ!?」

「毒?……いや、違うな………」

「……呪術?」

「!イーグル、こっちの男も死んでるよ!」

 ラファールはもう一人の気絶している男のそばにかがみこんで息のないのを確認する。

「……一体何が………?」

 イーグルたちにそれを知るすべはなかった……。




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