K's-forumindex へ
  
トピックス No.80
2005/08/01



高岡から重要無形文化財保持者の認定
大澤 光民 氏が人間国宝に
鋳金の焼型鋳造(鋳ぐるみ法)が評価され

 国の重要無形文化財保持者(人間国宝)に、高岡市内から鋳金の大澤光民(おおざわ・こうみん)氏(63)=本名・幸勝(ゆきまさ)、高岡市下伏間江在住=が認定されることになりました。
 
  県在住者の人間国宝は平成元年に彫金の故金森映井智氏=高岡、13年死去=が選ばれて以来16年ぶりです。
 
 文化審議会(阿刀田高会長)は中山成彬文科相に、大澤氏は高岡銅器の代表的な技法である焼型鋳造を体得した上で、「鋳ぐるみ法」と呼ばれる独自の技法を確立したことが高く評価すると答申しました。
 
 鋳金は金属を溶かして鋳型に注入し、器物を鋳造する金工技術です。弥生時代以来の長い歴史を持ち、鋳型の造形法により惣型(そうがた)、蝋型(ろうがた)、砂型(すながた)、焼型(やきがた)などに分類できます。同分野では平成5年に蝋型の齋藤明氏(東京)が人間国宝に認定されており、焼型に取り組む大澤氏が追加認定されることになります。
 
 焼型鋳造は高岡銅器が得意としてきた技法で、複雑な造形や大型の作品を製造しやすい一方、「寄せ」と呼ばれる部分型を組み合わせる鋳型の製作方法や、鋳込み時の温度調整とタイミングのはかり方など、すべての工程に経験と高度な技術が求められます。
 
 大澤氏は、焼型鋳造に精通し、新たに独自の鋳ぐるみ技法を考案。銅の赤やステンレスの白などで描いた文様に不規則な膨張やかすれをほどこし、鋳金での有機的な表現を可能にしました。以来、線と点などからなる幾何学模様の美を追求されています。
 
 高岡市美術館では、7月20日から 2階回廊のガラスケースに重要無形文化財保持者(人間国宝)の認定が決まった大澤光民氏の鋳金の作品、鋳ぐるみ鋳銅花器(1999年日本工芸会賞受賞)、鋳ぐるみ六稜鋳銅花器(1991年作)の同美術館所蔵作品2点と大澤氏所蔵の鋳ぐるみ鋳銅花器(2004年作)1点の計3点が展示されています。
 8月31日まで鑑賞無料。



Page top へ