国宝瑞龍寺保存会(綿貫民輔会長)は毎年高岡開町の祖、加賀藩2代藩主前田利長公の遺徳をしのび、
「利長忌」5月20日に法要や燭光能(しょくこうのう)を行っている。今秋からは、利長公の菩提を弔うために「瑞龍寺」を建立した3代藩主前田利常公の「利常忌」も営む方向で検討を進めている。今年は利常没後、346年。350年の節目へ向けて保存会では兄・利長とともに弟・利常を顕彰する機運も盛り上げていきたいとしている。
5月初めに開かれた保存会常任理事会で「利長忌が20周年を迎えた記念に、利常公にもお礼をしてはどうか」との意見が上がり、実施する方針を固めたもので、長谷川孝徳石川県立歴史博物館学芸専門員も、利常を称える行事の必要性について市内で開催のシンポジュームで提案された。
保存会では、利常の命日である10月12日に、記念講演など実施することで計画を進める。
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前田利常は、兄利長の菩提寺として1663(寛文3)年、高岡に瑞龍寺を建立した。江戸初期の禅宗寺院建築として高く評価され、1997(平成9)年、山門、仏殿、法堂が国宝に指定された。また利常は、利長の命日が来るたびに宝物を寄進したり、菩提を弔うために加賀・越中の刀工に命じて22振りの刀を造らせるなどした。正室は江戸幕府第二代将軍徳川秀忠公の次女珠姫(天徳院殿)で3歳のとき加賀の国へお輿入れになった。
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前田家系図(略) |
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