高岡市伏木古国府の国指定重要文化財・勝興寺本堂の改修工事は、本堂を覆っていた工事用の仮設屋根「素屋根」の取り外し作業が始まった。素屋根は12月中旬には、すべて取り払われる予定で、ハイテク技術と伝統工法を駆使し、創建時の鉛屋根風に再現された本堂の屋根がいよいよ全容を見せることになります。
素屋根は、鉄骨製の部材をボルトでつなぎ、間口、奥行きがそれぞれ50メートル、高さ30メートル。本堂を雨風から守るため、素屋根は工事の初めの段階で半年間かけて設置されました。
素屋根は本堂の柱の数に合わせて12の部分で構成されており、本堂に平行にして正面と背面側にステンレス製のレールを引き、素屋根を移動させる「スライド工法」で本堂を覆ったものです。
屋根への亜鉛合金板の張り付けや鬼瓦の代わりに用いられる木製の鬼板の取り付けなど、屋根部分の工事が完了したことから素屋根を取り外すまでになりました。
取り外しは、正面と背面にジャッキを置き、幅4・5メートル分ずつを3日おきに取り外すことにしており、600トンの重さの素屋根は50トンずつ南側から北側にかけて外されます。
|
|
|
本堂を覆っていた
工事用の仮設屋根「素屋根」
|
|
|
|
大屋根を支える
猿だと伝えられていた邪気
|
創建時の鉛屋根風に再現された
本堂の屋根
|
|
|
|
勝興寺は本願寺8世蓮如が1471(文明3)年に現在の福光町の地に建てた「土山御坊」が起源と言われています。
一向一揆の拠点となり、江戸時代以降も大きな影響力を誇っていました。
平成の大修理は来年秋までに本堂の改修を終え、2015(平成27)年度までに、本坊、総門、唐門など江戸時代の建造物全12棟を修理する構想があります。
|