高岡市は、高岡銅器発祥地の金屋町と金屋本町のそれぞれ一部にあたる6.5haを、伝統的建造物群保存地区(伝建地区)に指定します。4月の指定の後、年末には文化庁から、国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)として選定される見通しです。「歴史都市・高岡」を象徴する町並みのブランド力が高まり、保存や活用の動きが加速すると思われます。重伝建地区になれば、町家の修理や、一般家屋を町家風に改造する際などに補助金の活用が出来ますが、建物の高さやデザインなどが規制されることになります。市は 1013年度から順次、国、県からの補助も活用し、町並み整備を進める方針です。
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高岡開町から 2年後の1611(慶長16)年に開かれた金屋町と金屋本町は、狭間格子(サマノコ)のある町家やそで壁のある特徴的な伝統的な町並みが現在に残っています。1980-90年代に無電柱化や石畳の整備が進んだことを機に、住民を中心に保存・継承の意識を高める活動を続けています。
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狭間格子(サマノコ)の家屋が軒を連ねる金屋町 |
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市は2007年度から地元住民の意向調査を始め、2009-10年度に各家屋の構造や建築年代、文化財的価値などを調査し、11年度に対象エリアを 6.5haとし、所有者の 8割の同意を得たことから、伝建地区に指定することにしました。6.5haには家屋、土蔵、鋳物作業場、寺院といった建築物や、祠や板塀などの工作物計約 320件があり、うち約 120件を伝統的な建造物と特定した上で国に申請します。
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重伝建地区は昨年 11月時点で全国 40道府県に 93ヵ所があり、県内では南砺市の相倉(平村)と菅沼(上平村)、高岡市の山町筋 5.5haが選定されています。また、高岡市では、昨年に吉久地区の住民を中心に選定を目指した「吉久まちづくり推進協議会」を設立しています。 |