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トピックス No.230
2011/11/01
山門・仏殿・法堂・大庫裏・禅堂・七間浄頭・浴室
国宝瑞龍寺七堂伽藍の修理と復元
奈良文化財研究所名誉所員鈴木嘉吉氏の記念講演会

 高岡市の国宝・瑞龍寺は、総門をくぐると二階建ての山門が目の前にそびえ、左右に翼を広げたように優美に回廊が延びています。かつては、左右の手前側に「七間浄頭(しちけんじんずう)」と「浴室」があって、平等院鳳凰堂を思わせたとのことです。七間浄頭はトイレを指す瑞龍寺独特の名称で、七間浄頭と浴室は、禅堂と併せて「三黙道場」と呼ばれる禅宗の修行道場です。江戸期の瑞龍寺はこの二棟と山門、仏殿、法堂、大庫裏、禅堂の七堂伽藍が対照的に騒然と回廊で繋がっていて、伽藍瑞龍と呼ばれていました。
 
創立60周年記念講演
 明治期には廃仏毀釈など財政的に苦し時期もあって、棟ごと売られるなどして失われたと考えられます。それでも瑞龍寺は一直線に並ぶ主要伽藍や左右対称の建物配置、回廊などが典型的な禅宗伽藍として高く評価され、1997年には国宝に指定されました。七間浄頭と浴室が復元されれば禅宗伽藍の見事な完成形に戻ります。
 
 本年11月に創立60周年を迎える高岡ロータリークラブでは、記念事業の一つとしてコンピューターグラフィックスよる七間浄頭、浴室を再現することにしていて、七間浄頭と浴室の復元に向けた市民の気運を盛り上げることにしています。これまでも高岡開町の祖、加賀藩二代藩主 前田利長 公を多くの市民に知ってもらおうと菩提寺である瑞龍寺に利長墓所の案内看板を設置したり、利長の功績について理解を深めるためのシンポジウムを開催するなど、瑞龍寺との深い関わって来ました。
 
瑞龍寺七堂伽藍CG復元映像  にDVDをUpしました
 
 CGを制作したのは、寺の大修理に携わった富山職藝学院の上野幸夫教授で、これまでの発掘結果や時代考証などを考察し製作されまされています。七間浄頭のCGでは、トイレの神様「烏瑟沙摩明王像」が祭られた様子や、手や体を清めたり、水を流すためのひしゃくや桶が置かれた内部の様子も色鮮やかに描かれています。CGは高岡RCの記念行事で披露するほか、市内の小中学校へ DVDを配布、さらにインターネットでの公開も検討しています。また奈良文化財研究所名誉所員 鈴木嘉吉 氏による「国宝瑞龍寺伽藍の修理と復元」〜修禅歴史建築の再生から完備へ〜と題した創立60周年記念講演会も計画されています。
 

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