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トピックス No.229
2011/10/16
北陸線三セク経営に移行
北陸線第三セクター会社の設立準備が進む
新型車両 521系車両を複数台導入

 富山県と県内市町村は、2015年春の北陸新幹線開業後にJR西日本に代わって北陸線を運営する第三セクター会社設立の準備を進めています。北陸線は、JR西日本が運営する米原駅から直江津駅までの 350km余りの区間で、うち富山県内は 96km区間です。越中宮崎から石動までには 19の駅があり、北陸新幹線の長野−金沢間開業に併せて、新幹線と並行する「並行在来線」が経営分離されることになります。
 
 富山県が設立する三セク会社はこのうち県内区間のみを運営します。3県にまたがる並行在来線を一体運営する会社を沿線県と共同設立する方法もありましたが、単独で運営し、JRの広域的で特急優先のダイヤを、通勤・通学などの利用実態に合わせた普通列車中心のダイヤに見直し、編成車両数をきめ細かく増減したり、高岡−西高岡間などに新駅を設置するなど地域に密着したコンパクトな体制をつくることを目指しています。
 
 並行在来線は収益源である特急列車の役割が新幹線に移り、運賃収入の低い普通列車だけが残ることになり、三セク会社の収支は厳しいと言えます。県の予測では、仮に運賃を据え置き、公的支援などを行わなければ、開業初年度から 22億円の赤字になり、人口減などの影響も考慮し開業後 10年間の累計では赤字額が 248億円に膨らむと予想されます。資産の保有・管理コストを県が負担する「上下分離方式」の方が経営は安定しますが、経営責任を明確にして三セク会社に企業努力を促すには上下一体方式が適していると判断しています。
 

12年3月に導入が計画されている、新型 521系車両
 
 JR西日本 佐々木隆之社長は石井知事との会談の中で、12年 3月のダイヤ改正時に、北陸線の県内区間に新型車両 521系車両を複数台導入する方向で検討していることを明らかにしました。経営分離前の新型車両の導入は、経営分離時に減価償却がある程度進んでいて、この新型車両を譲り受けられることとなれば、三セク会社が新たに購入する場合より初期投資を抑えることができるため、県は今後、鉄道資産の譲渡交渉でこの車両含めた鉄道資産の安価な譲渡を求めていく方針です。

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