.
K's-forumindex へ
トピックス No.225
2011/08/16
国宝・瑞龍寺
法堂の屋根を銅板葺きからこけら葺きに復元
山門や禅堂、回廊などの建造物もこけらの葺きに

 瑞龍寺と高岡市は、国宝に指定されている法堂の屋根を現在の銅板葺きから、こけら葺きに復元修理する計画をすすめています。併せて山門や禅堂、回廊などほとんどの建造物についても、こけらの葺き復元することも検討していいて、これらの計画書を文化庁に提出しました。国の認可を待って、約15年ぶりの大規模修理事業に着手し2020年頃に完工する見込みです。
 

銅板葺きからこけら葺きに復元される計画の法堂
 法堂は重要な法儀を行う御堂で、1650年代に完成しました。6つの部屋で構成されていて、天井部には狩野安信筆の草花が描かれ、壁面などには金箔を貼り、鳳凰の欄間彫刻などで荘厳な雰囲気で、前田利長の位牌が安置されている境内で最も大きい建造物で、完成時はこけら葺きだったと推されていますが、1892年頃には瓦葺きに、1964年には銅板葺きに変遷しています。
 
 山門などは瓦葺きに替えられていましたが、1985-96年の「昭和・平成の大修理」でこけら葺きに戻されていましたが、法堂の銅板屋根の傷みはあまり進んでいなかったため、復元が見送られてきました。
 今回の計画では、法堂を建立当時のこけら葺きに戻すほか、鉛瓦屋根の仏殿を除くこけら葺きの建造物についてそれぞれ屋根の葺き替えを検討していて、一部に雨漏りが見られることから早急な対応が必要です。
 
 瑞龍寺は加賀藩二代藩主・前田利長の菩提を弔うため江戸時代初期の1640-60年代に造営され、1997年には仏殿、法堂、山門がそれぞれ国宝となりました。総門や禅堂、大茶堂などは国の重要文化財に指定されており、七堂伽藍が対照的に配置された、江戸初期の禅宗寺院建築として高く評価されています。
 

   .