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トピックス No.222
2011/07/01
国重要有形・無形民俗文化財 高岡御車山
高岡御車山会館に実物の山車を通年展示
2014年度に会館完成を目指す

 高岡市は北陸新幹線が開業する2014年度に会館完成を目指して、国重要有形・無形民俗文化財「高岡御車山祭」と「山車」を展示する高岡御車山会館の建設基本設計を進めていますが、地元代表者でつくる高岡御車山保存会は、実物の山車を数カ月ごとの交代制で、全7基を順番に1基ずつ展示する通年展示に努める意向を示し、合意書を高橋高岡市長に提出しました。市長は「歴史都市として整備を進める高岡にとって大きな一歩で、合意に感謝したい。山町の心をくみ、今後も相談しながら良い会館づくりを目指したい」としていて、早々に「平成の御車山制作検討委員会」を設置し、デザインの具体化などへ協議を急ぐ計画です。
 

高岡御車山祭
 高岡御車山保存会は、6月の保存会理事会で合意した項目を高岡市に報告しました。合意項目は、高岡のまちづくりの拠点として、山車の通年展示に努力するとしたうえで、冬期間でも組み立てられるスペースを会館内に設けて欲しいことや、維持管理への配慮や支援などを市に求めています。山車の展示は最初が通町で最後が二番町という巡行順とし、期間を3カ月か4カ月での交代制とする方向で引き続き協議をします。
 
 御車山会館の建設は高岡市にとって長年の懸案で、09年には建設地を守山町と利屋町にまたがる2051uに決定し、同年に組織された建設計画策定委員会は10年 2月、山車の実物と、新たに制作する「平成の御車山」などを展示する計画をまとめていました。しかしながら、保存会では冬期間の組み立てなどで山車が傷むことへの懸念があり、展示期間に異議もありました。6月に高岡市が国の歴史都市認定を受けたことで「観光拠点づくりに協力しよう」とする機運が熟したといえます。
 
 高岡御車山祭は、加賀藩初代藩主・前田利家が豊臣秀吉から譲り受けた鳳凰の飾りがついた乗り物を、二代利長が慶長14(1609)年高岡開町に際して町民に与えたのが始まりとされ、山町の人が約400年受け継ぎ、毎年5月1日、伝統工芸の技が集約された山車が巡行します。祭を運営し、山車と祭礼を保存継承する高岡御車山保存会は、山車を所有する9町(通町、御馬出町、守山町、木舟町、小馬出町、一番町、三番町、源平町、二番町)に、先導役の源太夫獅子を持つ坂下町を加えた10ヶ町の代表者で構成されています。

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