高岡市下佐野の下佐野遺跡では平安時代から近現代までのさまざまな遺物が発掘されていますが、今年度調査対象のD地区4,500uで発掘された平安時代の遺物が公開されました。
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須恵器や土師器がたくさん発掘されていますが、人面墨書土器や墨画土器など特殊な土器が見つかっています。人面墨書土器では直径約10センチ、高さ約10センチの土師器に人の顔を描いたもの、これは他の遺跡で見つかったものに比べて顔の表情がかなり図案化されていて、溝に投棄されたものではなく土中に埋納した状態で見つかっています。
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公開された墨書土器
大きな図 |
墨画土器では、直径約15cm高さ約15cmの土師器の瓶に疾走する飾り馬2頭が墨書で表現されていて、水が流れていたとみられる溝遺構の近くから発掘され、馬は鞍や鐙などをつけた躍動的な姿で描かれており、出土は県内初とのことです。
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これまでに京都などで発掘された、簡略な絵が描かれた墨画土器とは大きく異なっていて、詳細に描写された墨画土器は全国的にもまれで、手綱など見つかることが難しい革製の馬具が描かれていて、当時の馬具を知る上でも貴重な資料と言われています。
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この他にも、8cm〜60cmの正面から見た人の形に木を削って表現した人形木製祭祀具、馬の形の木に墨書で表現された馬形木製祭祀具や祭の場を世俗から守るための結界にに用いたと思われる、斎串なども発掘されています。
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