介護研ニュース 編集・発行『高岡発・介護問題研究会議』
                    発行責任者  二   上    浩
第2号  2002・2・1 発行    URL  http://www1.tcnet.ne.jp/kaigoken/

 ホームページ『高岡発・介護問題研究会議』は、私が雨晴苑在宅介護支援センター・ソーシャルワーカーとして実践してきた「在宅介護支援センターの地域活動」を基に作成しました。地域や医療・保健・福祉等関連機関とのネットワーク活動は、ケアマネジメント機関としての在宅介護支援センターにとって、非常に大切な活動です。
 地域の民生委員さん等と協働して、数多くの問題を解決してきました。その中でも、放っておけば決して表面化することのない、「家族・親族の問題」をテーマにインターネット・ケース会議を通じて問題を解決する意図でスタートしたホームページです。
開設から3ヶ月経過した正月。「研究会議」をスタートさせなければならない1通のメールが舞い込みました。在宅福祉の基盤ともいえるネットワークが破綻しています。地域の福祉コミュニティーといわれるものも機能していないのが現状ではないでしょうか?
 そんな中で、介護問題が発見出来るわけがありません。サァー大変。という事で、急遽第1回「研究会議」を開催いたしました。
 次に、「研究会議NO1」の議事録をご紹介いたします。尚、この会議は継続して開催いたしますので、ぜひ、ご参考にして頂きたいと思います。
 尚、議事録の末尾に、次回会議「研究会議NO2」のご案内をさせて頂きました。皆様の会議ご出席、心よりお待ち致しております。

研究会議 NO1議事録  2002・1・12(土)20:00〜

議長 ただいまから会議を始めさせて頂きます。議長のホームページ管理者二上 浩です。
本日市民の立場からご参加いただいている方が少なくとも1名おいでますので、ご報告いたします。尚、私二上は元在宅介護支援センターソーシャルワーカーです。
それでは、議題 (1)研究会議のすすめ方・会議(案)
           (2)『高岡発・介護問題研究会議』のすすめ方
          (3) その他
 に関して、一括してご意見をお伺いいたします。

 先日、『介護問題発見の手引き』等に関して、研究会議を開催する必要性を感じた1通のメールをいただきました。部分抜粋してご紹介いたします。

『 社協、官製の住民組織に幻想がおありのようですね。在宅支援センターも私が知る限り、ほとんど期待は出来ないところだと思うのですが。今までの組織体がもう時代についていけない、と思っているの。措置時代にラクチンにお金が入って来ていたわけだから、サぁー競争、といわれてもあたふたしているばかり。しかし、組織としての旧勢力と、そこに居る個人は別です。個としての職員の方が、現状を変えようと頑張っていらっしゃるのは、私も知っています。いろんな集会や勉強会で、頼もしい方たちを拝見してきました。私の町にも、数人居ます。NPOと言う、手探りのしかし、しがらみのない活動にいろんな支援や助言を下さいます。私は、社協は、サービス提供者になってはいけない、が持論です。認定調査とか、居宅支援とか中立、独立性の強く求められる仕事をして欲しいと思います。民間ができること、出来ている事には手を出さない。社協はどうしたって高コストですから、納税者としては、何でも屋で何もかも中途半端な社協の体質は変えてもらいたいと思うのです。
 在支にも似たような感想を持っています。何をしているのかよく分かりません。基幹型も出きましたが、何のためにあるの、理解できない。パソコンに作ってもらうケアプランで仕事しているケアマネがとっても多い現状では「ケアマネジメントリーダー活動支援事業」が必要と考えられるのも解りますが、でもはっきり言って、余計なお世話。仕事をまた、増やすのだ、と思っています。介護の現場で何が起こっているのか、何にたいして利用者さんが不安や不信を感じているのかホンキで、知ろうとしない人たちに、ケアマネのリーダー研修などして欲しくないと思うのです。NPOのよさ、をそぐことになると私は考えています。』

 厳しい現状ですね。現実をそのまま正確に描写したメールだと思います。それでは、社協、官製の住民組織 を本来の形に戻す為には、どの様にしたら良いのでしょうか。
 又、地域・福祉コミュニティーを修復するのには、どうすればよいのでしょうか。(果たしてコミュニティーが存在していたのでしょうか?)

以上に関してご意見をお願い致します。

(ご意見)

議長 塚本様よりご意見を頂きましたので、ご紹介します。

社会保障と人権連絡会議inとやまの塚本と申します。
 『社協、官製の住民組織に幻想がおありのようですね。〜中間略〜NPOのよさ、をそぐことになると私は考えています。』のご意見について私見を述べます。忌憚のないご批判などをいただければ幸いです。
(1)制度疲労について
(2)社会福祉協議会のあり方について
(3)在宅介護支援センターの実態について
(4)ケアマネジメントリーダーについて
(5)「だから、・・・」から後について

(1)制度疲労について 社会福祉協議会や官製の住民組織(民生委員協議会などの事でしょうか?)などの既存の組織が時代の流れについていけないというご指摘と受け止めました。確かに、地域の福祉が大きく転換しつつある今日、それらの既存組織ないし団体は、地域が求めているようには機能していない観があると思います。しかし、ではそれらの組織・団体はもう「旧勢力」であり、新勢力にとって代わられ葬りさられるべきものかというと、そうではないだろうとも思います。現在だけを見れば制度疲労のほころびばかりが目につきますが、社会福祉協議会や住民組織がこれまで地域の福祉に対して貢献してきた歴史は否定できませんし、これから将来に向かっても一定の役割を担う事が期待されていると思います。
 肝心なのは、旧勢力と定義付けて潰すのではなく、いかに良いところをのばし、問題のあるところを改めていくかではないでしょうか。ご指摘の中にもあるように、どんなに情けない組織・団体でも、まともな考えの人が一人二人はいるでしょうし、内部から変革しようと頑張っているでしょうから、そういった人たちを支援したり、あるいは外からの力(NPOなど)で組織・団体の変革を促すなど、いろいろやり方はあると思います。投稿された方も、おそらくはそのような意味での闘いを日々体験しておられるのでしょう。表明された問題意識には共感できる部分があります。まずは、このような話題を話しあえる場ができただけでも前進だと思います(二上さんに感謝!)。議論を重ねる中で、参加される方の思いが形になっていけば(バーチャルではなく現実社会のものになっていけば)と思います。
2)社会福祉協議会のあり方について
 市町村社会福祉協議会のあり方として、伝統型(事業主体とならないタイプ)といわゆる事業型(積極的に事業主体となるタイプ)とに大別され、いずれが良いかといった議論がなされる事がありますが、これは一長一短があり、一概に断ずる事はできないだろうと個人的には思っています。いずれのタイプを選ぶかは、社会福祉協議会会員である地域住民が運営に参加する中で主体的に選択すべき事でしょうし、それぞれに一長一短があるわけですから、長所を伸ばして短所を改めるよう工夫していけば良いのだろうと思います。もし、社会福祉協議会が現状で高コストならば、なぜ無駄があるのかを分析し、解決可能な事から解決していくべきだと思います。また、公平性についても、事業型と公平性とを両立するにはどうすれば良いのか、という視点もあり得るのではないかと思います。「社会福祉協議会だから高コストなのだ」「事業型だから公平ではないのだ」という論理は、あまり精密ではないですし、建設的な提案には結びつきにくいと思うのです。
 後者についてだけ若干言及しますと、たとえば訪問介護事業と居宅介護支援事業を両方一つの社会福祉協議会が行う場合であっても、個別ケースごとに、たとえばAさんの訪問介護をその社会福祉協議会で担当するならば居宅介護支援は他の事業所にゆだねる(逆もありますが)などのルールを作ってサービス利用者やそのご家族にその意義を説明し、ご了解をいただくような運用をすれば、必ずしも公平性が損なわれるという事にはならないと思います。

3)在宅介護支援センターの実態について
 在宅介護支援センターの介護保険法施行以後の実態は、ご指摘の通りと思います。ただ、これもいわゆる「在宅介護支援センター不要論」に傾くのではなく、いかに地域で求められる姿に改めていくかという視点で考えるべきだろうと思います。支援センターの再生に関しては少し私見をまとめていますので、ご一読の上、忌憚のないご批判を賜る事ができましたら幸いです。

http://www2.nsknet.or.jp/~mcbr/p-chuchotement20001115.html
http://www2.nsknet.or.jp/~mcbr/p-chuchotement20001116.html
http://www2.nsknet.or.jp/~mcbr/p-chuchotement20010418.html

4)ケアマネジメントリーダーについて
 この制度も、ご指摘の通り問題があると思います。指導する立場の方々が、指導される側よりも実践経験がなく、どうかするととんでもない見当違いをなさる事が懸念されます。介護保険法下のケアマネジメントの問題は、もっと別の方法で解決できると思います。具体的には上記3)に挙げた拙稿にて少し言及しています。

5)「だから、・・・」から後について
 ご投稿を拝見しての感想ですが、NPOが旧勢力に代われば万事問題解決という事にはならないと思います。現在の問題の客観的な分析がなければ、NPOといえども社会福祉協議会ないし既存の組織・団体の二の舞にならないという保障がありません。いろいろ問題がある事をご指摘になられた事自体に意義はありますし、そのご指摘も大筋正しい内容だと個人的にも思うのですが、できればそこで終わるのではなく、「だから」どうするのか、その問題を「私は」どうやって解決しようと思うのか、「だから」から後を一人称で語る事がなければ、自分の人生とその問題との関わりが出てこない、社会を変える実践が生まれてこないと思うのです。議長の二上さんが<厳しい現状ですね。現実をそのまま正確に描写したメールだと思います。それでは、どの様にしたら良いのでしょうか。又、地域・福祉コミュニティーを修復するには、どうすればよいのでしょうか。(果たしてコミュニティーが存在していたのでしょうか?) ご意見をお願い致します。>と簡潔ながらあえてコメントをされた意味がそこにあると考えるのは深読みでしょうか。誤解のないように付言しますが、私は決して投稿された方を非難する意図でこれを書いているのではありません。できれば今一歩踏み込んだご意見を伺わせていただきたいという希望からです。私もご意見をお待ちします。 m(_ _)m

議長 会議開始早々、早くも失敗してしまいました。このメールは続いております。「だから、・・・」の部分を掲載します。

『因みに私たちは、訪問介護、居宅支援ともに、県下いっせいに行われた第三者評価で県内最高との評価を貰いました。それでも、私たちはまだまだ利用者さんの側に立ててないと、考えています。利用者さんの身になって、寄り添うには、制度が、通達が、指導が邪魔なことよくあります。それを利用者の我侭に付き合ってるとか、利用者の言いなりになっているとしか判断できない、行政とか福祉の旧勢力の方達にとっても不信感があるんです。
 私たちは未だない新しい地域ケアを構築したいと考えています。NPOの有機的な連携システムをまず作りたいと考えています。お力をお貸しください。』

そして、塚本様は決して深読みされていないことを付け加えます。
     塚本様、どうもありがとうございました。

 現在手元に届いているのは、塚本様のご意見1通ですが、塚本様のご意見に対してでも結構ですので、皆様のご発言をお願い致します。             20:30

議長 今回のテーマは、「研究会議」初回としては、余りにも問題の範囲が広く、漠然とした、ご意見をまとめにくい内容ではなかったかと思います。
 そこで、 議題(2)の中でも触れましたが、公的機関から地域への働きかけ等について、今までホームページ上で考え方をご紹介してきました。本来ならば、地域の皆様に対しても、各機関の機能や「素晴しい地域活動」等の必要性等についてお知らせして行かなければならないと考えていますが、現時点で、その「手立てがない」というのが実情です。(機関が動かなければ、地域が機関を動かすことへの期待)この問題に関して良い案があれば教えて頂きたいと思います。 21:15

議長 本日は、色々な角度から、中身の濃いご意見、どうも有り難うございました。
塚本様のご意見にもありましたように、「既存の組織の良いところを伸ばし、問題のある所は改めて行く」という姿勢が大切なのではないでしょうか。
 今日の会議にご参加いただいた方々や、今後、議事録を目にされる読者の皆様に(今日そしてこの先積み重ねて行かれるであろう)議論の中から、感じられた各々の考え方を、地域社会の中で活用していっていただければ幸いと思っています。
 又、本日の参加者の中には、登別市の特別養護老人ホーム緑風園菊地様が、地域へ働きかけられて、ご参加いただいた方もおいでると聞いております。
 『高岡発・介護問題研究会議』で提起している問題は、取るに足りない小さな問題かもしれません。しかし、この様に地域から忘れ去られようとしている問題だからこそ、発見できる地域の態勢を整えて行って頂きたいのが私の気持ちです。そして「地域で本日の会議内容や『介護問題』等について話題になる事がホームページを開設した最大の意義なのだ」と自問自答しています。
 次回は、今日提示されました豊富な資料の中から、ゆっくりと吟味しながら議案を作りたいと考えております。
 本日ご発言いただけなかった方々にも、次回はご意見をお伺い出来るものと楽しみにしております。
 それでは皆様、本日はお忙しい中、長時間にわたり、どうも有り難うございました。
 これで「研究会議NO1」を閉会いたします。
                                       22:00

 本日の発言者塚本さんのホームページ 社会保障と人権連絡会議inとやま    URL   http://www2.nsknet.or.jp/~mcbr/index.html 

研究会議NO2   会議開催ご案内

 下記日程、要領で会議を開催いたしますのでお知らせ致します。ご意見は、下記時間帯に、メールkaigoken@p1.tcnet.ne.jpでお願い致します。
 尚、当日都合で参加できない方や、内容が量的に多いと判断される方は、事前にご意見をお寄せ下さい。順次速報に掲載いたします。これは、前回会議の反省としての試みです。但し、事前に届いた反論(ご意見に対する)については20:00の開会と同時に一括公開いたします。又、閉会後に届いたメールは、議事録に追加掲載することと致します。

 各位にはお忙しい時節とは存じますが、以上ご理解の上、ご参加の程よろしくお願い致します。
・会議開催日時     2002年2月9日(土)  20時〜22時頃まで
・議    題   (1)「在宅介護支援センターとケアマネジメント」
           (2)「在宅介護支援センターとネットワーク活動」
            (3)その他

研究会議 NO2     速報   2002・2・9(1・27 掲載)

議長
ただいまから会議を始めさせて頂きます。議長のホームページ管理者二上 浩です。
元在宅介護支援センターソーシャルワーカーです。
「研究会議NO1」でご発言いただいた「社会保障と人権連絡会議inとやま」塚本聡様の資料の中に「第5回富山県医療福祉保健交流集会」シンポジウムでの発言原稿がありました。
 その中で、ケアマネジャーの所属等の違いから、4つの類型に分類して話を進めておられます。
(1)母体法人のサービスに対し、宣伝・囲い込み機能を果たしている。
(2)市町村直轄であり、基幹型在宅介護支援センター・保健婦さんの業務等。
(3)母体法人が、囲い込みできるほどの総合的ケアサービス能力を持たない。
(4)母体法人のサービスは整備されているが、囲い込みは一切行わない。
  http://www2.nsknet.or.jp/~mcbr/p-chuchotement20001115.html  

 今回、在宅介護支援センターのケアマネジメントを議題として選びましたのは、在宅介護支援センターは、地域活動を内包したケアマネジメント機関として制度化されており、上記(4)に徹する必要がある(必要な方に必要なサービス)と考えられますが、現実として「果たしてどうなのか」という問題があります。
塚本さんは『利用者と事業者のどちらを向いて仕事をするのかという問いは、専門職としての倫理を厳しく験す問いであり、良心的なケアマネジャーほど、この板ばさみにあって苦しんでいるはずです』と表現されております。
幸いと申しますか、来年度(2002・4)から実施が予定されている「ケアマネジメントリーダー活動支援事業」により、改善を期待するものですが、果たして、行政指導的方法でよいものかとも考えております。
尚、基幹型在宅介護支援センターについては、地域の保健・福祉サービス等、全般にわたるご指導役ですから、今回の論議からは外させて頂きます。

 もう1点、在宅介護支援センターには、地域や医療・保健・福祉関係機関等との連携という役割がありますが、この「在宅介護支援センターの地域活動・ネットワーク活動」についても、ご意見をお伺いしたいと思います。これは、ケアマネジメントとも関係の深い活動であると考えております。
 このテーマは、私にホームページ作成の決意をさせたきっかけでもあります。「在宅介護支援センターが介護保険実施後も在宅介護支援センターである為に」の中で次のように記述しております。
 「在宅介護支援センターには地域を、福祉目的を持って組織化するという重要な役割があります。(中間省略)次に、各種サービス機関との連携を密にしながら、その持てる機能を最大限に引き出す必要があります。(後半略)」
(参照)在宅介護支援センターが介護保険実施後も在宅介護支援センターである為に以上2点について、議題として提示いたします。
在宅介護支援センターを、本来の姿に戻す為にはどうしたらよいのか。という観点から「在宅介護支援センターが行うケアマネジメントの質(内容)」「在宅介護支援センターの地域活動・ネットワーク活動」に対しての活発な議論をお願い致します。
(参考)塚本さんの同発言の中で、提言として「囲い込みのあるケアマネジメントと囲い込みのないケアマネジメントでは、報酬に差をつける必要性がある」と述べておられますが、これに関して、保険調剤に例えて意見を述べておられる方がありますので「ホームページ開設者からのご案内」2001・11・15付を参照して下さい。

このページについて、ご意見、ご感想などEメールをいただければ幸いです。

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