レポートNO8「保険者の責務とケアマネジャー」

2004年10月26日厚生労働省は介護給付適正化推進運動の実施について方針を発表しました。
【趣旨】の書き出しは次のとおりです。

『介護保険制度は老後を支える基礎的な社会システムとして定着したが、介護サービスが真に所期の効果をあげているかとの観点、不適正・不正な介護サービスはないかとの観点から改善の余地がある。』

〜全保険者が第一歩を踏み出そう〜
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/10/h1021-7.html
「やっと・・・」という想いで読みました。ご参照ください。

介護支援専門員は介護保険制度の要に位置づけられた役割です。保険者と2人3脚で、そして良い意味での緊張感をもちながら、地域福祉の充実に努めたいものだと思います。

指定居宅介護支援事業所『高岡発・介護問題研究会議』開設以来、非常に閉鎖的な地域福祉の現状を見ていますが、最近利用者や市民の方々から情報をいただけるようになりました。
また、認定調査に関してご指摘させていただいたところ、「担当ケアマネジャーが認定調査をしない」方向で実施されるようになりました。
そのような中で目にした不適正なサービスやケアマネジメント報酬の不正受給・ケアマネジメントの原点にかかわる問題とその対応をご紹介いたします。


【通所サービスと訪問入浴】
通所で入浴サービスを利用しながら訪問入浴も利用しておられる方のケースでは通所入浴で背中を洗ってもらえないという実態が明らかになりました。また、介護度も明らかに2ランクは重く出ていました。
介護度が重いと利用できる金額が増える代わりにサービスの利用単価が高くなるものもあります。明らかに事業者の都合で介護度の操作が行われておりサービスの質も悪いことから、基幹型在宅介護支援センター(担当課に設置)に状況を伝え、アフターフォローをお願いしました。

 利用者にはケアマネジャーを替えることが出来ることを伝えました。

【訪問しないケアマネジャー】
週に1回一泊のショートステイを利用されている介護家族から「もう一泊出来れば良いのだが・・・」と相談を受けました。「担当ケアマネさんが毎月来られるから相談してみたら・・・」と言うと「来ない」と言われる。「利用票は・・・?」通所のときに「次回まではんこを押して返してください」・・・「それじゃいつ来られるのですか?」「半年かな???1年かな???」・・・認定調査が唯一のモニタリングの機会だったようです。
「御用も聞けないケアマネジャー」という話は聞いたことがありますが、「訪問しないケアマネジャー」がいたとは信じられないことで、事例検討会や研修でケアマネジメントの質を学ぶ以前の問題でもあり、ケアマネジャーがケアマネジャーであるためにはまず通らなければならない問題だと思います。

 ケアマネジメントの原点の問題ですから基幹型在宅介護支援センターへ「ケアマネジメントリーダーで相談してみられたら如何でしょうか?」と状況を伝えて進言しました。

【通所で医療???】
通所サービスで診察と注射・〇治療を受けていると言われます。「基準が変わったのかな???」と錯覚を起こしそうになりましたが、偶然目にしたWAMNETの事業者のページにもそのように書いてあります。
施設全体が思い違いをされているのかもしれないので、基幹型在宅介護支援センターに「基準が変わっていないのでしたら、事業者のページを直接確かめてください」と伝えました。

 請求がどのようになっているか気にかかるところですが、保険者に確認していただく内容だと思います。

【ケアプランのないサービスの開始】
「2回目がない・・・」とご連絡をいただきました。迎えが来ないので2〜3時間家の前で待っておられたそうです。訪問してみると日付の入っていない契約書が1通だけあるだけで、事情を聞いてみると認定調査で契約そしてサービス提供責任者(ご本人は市担当者だと思っておられる)と同行訪問をしてサービスをスタートしたらしい。ご本人は何がどうなったのかわからなかったので施設に電話すると「あなたの場合はサービスを利用出来るようになったら施設から連絡します」という返答だったと言われる。
他に利用したい施設があるのでケアマネを私に交代したいということなので、「ケアマネを変えるのはいつでも出来るから・・・」と電話で担当ケアマネに利用者の意向を伝えるが、自社サービスしか眼中になく、利用者の意向を無視している。「ケアプランを作りますよ」とふてくされたような返事だったが、一応お願いする。
後日お会いしたので「よろしくお願いします」と言うと「本人思い込みが強くてね・・・」と言う。思い込みが強いから分かるように説明責任もついてくるし、「契約は家族同席のほうが良いよ」とも伝えているのですがまだお分かりにならない。ひも付きのケースにしておこうと思っていますが、これできちんとしたケアマネジメントが出来るようになっていただきたいものだとと思っています。

※ 2度目の注意は失礼だと思うので、ひも付きの意味を理解していただきたいと思っています。

【通所サービスの利用時間】
家族送迎でありながら利用時間を指定されていると言われます。家族の仕事の関係でもう30分早く迎えに行きたいのだがサービス事業所には迎え時間の変更に応じていただけないそうです。市では6〜8の利用時間での請求はおおむね7時間利用を求めておられます。
担当ケアマネに相談することを勧めるが、この超ベテランの担当ケアマネさんなら利用者の希望を聞いていただけるものと思います。

 担当ケースでは、市全体に習って「6〜8」でケアプランを書いていますが、市介護サービス事業者連絡協議会でも検討していただきたい内容だと思います。


 この他にも、認定自立(本人・親族・調査員共に)と思われるケースのアフターフォローや明らかにサービスに合わせた介護度が出ているケースなど、介護度やニーズに合ったサービス利用に移行できるように、その都度基幹型在宅介護支援センターに伝言しています。


以上、利用者・事業者・保険者がそれぞれの立場で給付の適正化に取り組まなければならない状況になっていますが、ケアマネが目にした実態を保険者に伝えることは勿論ですが、市民の立場からも「おかしい・・・」と言う声が上がってくる状況を作り上げていかなければいけないと思います。(今のところは個人・法人を特定しないで状況だけお伝えしています)
当然のこととしてその役割は在宅介護支援センターにも求められるものと理解していますが、現状ではかなり難しいことだと思います。

そのような想いを胸に、校下民生委員総会で時間をいただけることになりました。
「一から見直さなければならない」「〜全保険者が第一歩を踏み出そう〜」「地域包括支援センター(仮称)」をキーワードに、「ケアマネジメントを手段として活用したコミュニティソーシャルワークが必要」という内容をお伝え出来ればと思っています。
「待つ福祉から、発見できる福祉へ」そして「必要な方に、必要なサービス」が届くような地域福祉の体制が一日も早く整うことを願っています。

先日参加した介護支援専門員現任(居宅・基礎過程T)研修では、県から「指定居宅介護支援事業所等の事業の人員及び運営に関する基準」
http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Kaigan/6582/tomorrow/hourei/jigyousya.html
を詳しくご説明いただきました(特に第13条を中心に)。ベテランケアマネの皆様にも受講していただきたい内容でした。この運営基準をベースにケアマネジメントの質があるものと思います。

※ ケアマネジャーの皆様は今一度原点を振り返る必要があるものと思います。

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