レポートNO4 在宅介護支援センターの絶大な計画

 平成6年秋、熱海で行われた全国在宅介護支援センター職員研修会で、富山県内の二人のソーシャルワーカーが同室になりました。
 彼は、ケアマネジメント(相談業務)に関する書類をきっちりと整理しておられ、契約に変わった介護保険下でもそのまま利用出来る内容であったと記憶しております。
 一方、私は地域への取り組みを紹介しました。

 後日、休日に支援センターへ訪問頂き、丁度日直だった相棒の看護婦と情報交換をして行かれました。
 その時に彼から頂いた、様式の何件かを利用させて頂いた記憶があります。
 又、整理中の台帳(民生委員担当町内別に、利用者台帳を整理したもの)の様式を見て行かれました。

 この地域への取り組みが、現在高岡市で、新しい制度として実現しようとしております。
 ケアマネジメント・地域活動、何れもゴールドプランに組み込まれた在宅介護支援センターの重要な機能ですが、今改めて、その絶大な計画をかみ締めています。
 当時計画に携わられた厚生省担当官の「この想い」を私なりに再現してみようと思います。


 介護保険制度にケアマネジメントが取り入れられ、数多くのケアマネジャーが誕生され、ケアマネジメントの形態は、一応完成されたのではないかと推測しています。
 しかし、忘れられたものがありました。
 在宅介護支援センターのもう一つの重要な機能、地域活動です。
 私は、在宅介護支援センターを「地域活動を内包したケアマネジメント機関」と位置付けて、HPを中心に、インターネット通じて全国の関係者に訴えかけてきました。

 平成15年2月、富山県内の高齢者福祉情勢が揺れ動いております。
 富山市の「コーディネーター事業」や高岡市の「第三者評価制度」の計画は、介護保険が置き去りにしたものを、地方行政の責任で取り戻すための新事業であると理解しております。
 高岡市の「第三者評価制度」に関しては、県が新年度に向けて計画を発表(2003・2・22)しましたので、計画は棚上げという事になりますが、本命とも思える(富山市同様の)地域への取り組みが始まる事になりそうです。
そして県は、特養ホームの優先入所基準(点数による)の策定にも入りました。

コーディネーターは地域で高齢者支援の連絡調整役を専門に行い、生活に支援が必要な高齢者が自宅で暮らせるよう町内会や民生委員などと連携してネットワークづくりを進めるほか、ボランティアの育成・派遣、介護予防活動の推進に取り組む。
人材には介護支援専門員などの有資格者を想定している。

施設介護は在宅に比べて経費が高く、介護保険財政を圧迫する要因となっていることから、市はコーディネーターによる在宅介護へのシフト、介護予防の推進で財政健全化も図る。
                                     (北日本新聞2月4日朝刊より)

 これは富山市の新制度のニュースですが、高岡市でも同様の計画があるらしく、高岡市高齢介護福祉課から意見を求められています。
 高岡市内で、「介護研ニュース」を送り続けて来ましたが、HPへの反響が全くない状況でしたので心配していましたが、その中枢にしっかりと届いていました。
 実は今から約8年前、高岡市で「在宅介護支援センターの地域活動」が実践されていました。
 当時を思い出して、地域に目を向けた未熟なソーシャルワーカーの胸のうちをレポートしたいと思います。


地域にかけた夢

 平成5年9月、特養生活指導員の私に、10月1日付の「在宅介護支援センターソーシャルワーカー」の人事異動の内示がありました。
 施設内での生活指導員の立場をそのまま担当地域に当てはめたのが、私のソーシャルワーカー活動の第一歩でした。

 先ず、利用者の存在と、地域(町内)の情報を一番良くご存知の民生委員さんとのつながりを、地図上に表わす事から手をつけました。
 それが、民生委員さんの担当町内別に整理された台帳です。
 担当地域内の約90名の民生委員さんを訪問の上、趣旨をご説明しました。
 後にこの台帳、地域(町内)と連携を保つ上で、非常に有効な道具に変身しました。
 民生委員さんと具体的に情報交換する際に、対象者の状況をお一人おひとり確認する事が出来ました。
 
 又、校下別に、福祉対象者の一覧表を作りました。
 その為に、福祉サービス利用者の追跡調査を実施したり、サービス機関との情報交換も実施していました。
 そして、担当地域の一番大きい校下、伏木民生委員協議会からも情報交換を求められていましたので、市の了解を得て、一覧表をお渡ししていました。

 そういった活動を進める中で、市の懸案だった「相談協力員」の人選に関して、意見を求められました。
 そこで、民生委員さんの名簿に「二重丸が付いている方が」各校下におられましたので相談してみました。
 校下の民生総務さん(民生総務という言葉さえ知りませんでした)で、中に、市の民生総務会長がおられ「高齢福祉課から民生総務会に議案を提出するように」とアドバイスを頂き、高齢福祉課に伝え、高齢福祉課から議案が提示されて市の統一見解が出来ました。
 現在も実施されていると聞いておりますが、相談協力員には、校下の民生総務・副総務が名を連ねておられます。


 当時の事務長との会話を思い出します。
 「地域の代表に入って頂いて、地域の方々の意見を聞きながら運営出来るように、在宅介護支援センターを地域に開く方向で業務を進めています」
 「誰にでも相談するこっちゃ」
 余り内部に干渉して欲しくないような言い方でした。
 又、私が支援センターに移ってからの事務所内の雰囲気を「二上さんがいなくなってから、施設長・事務長は入所者の方を呼び捨てにしている」と伝えて頂けた職員がおられました。

(ケースへの取り組みについては「地域における連携」 ケアマネジャーとソーシャルワーカーの業務の境界は? をご参照頂きたいと思います)


 今回富山市が発表した「コーディネーター制度」は、在宅介護支援センターが本来持っている重要な機能の一つ、「内包した地域活動」です。
 しかし、運用方法によってはその機能を充分発揮できない事になると懸念しております。
 社会福祉法人と言えども、管理・経営者が必ずしも前向きな福祉理念をお持ちとは限りません。(その意味も含めて上記会話を紹介しました)
 この事業、ただ単に委託事業とされるとしたら、充分な効果を期待出来ないのではないかと心配しております。
 介護保険下における、在宅介護支援センターへの人件費の上乗せ程度にしか考えない法人も出て来る事も考えられます。

 私は、市直営で運用される事が望ましいのではないかと思っています。
 すべての在宅介護支援センターに、市から「コーディネーター」を派遣するのが理想と考えますが、委託の方法を取られる場合、例えば、社会福祉協議会組織と連携した形で、社協地域福祉担当者と机を並べて、基幹型在宅介護支援センター分室を配置して、在宅介護支援センターの取り組みのお手伝いをして行くと云うのは如何でしょうか?

 いずれにしても、在宅介護支援センターには、相談協力員と協力して、地域のサービスの質の向上や利用出来る社会資源の拡充に努めて行く必要性を考えます。
 この機能が発揮出来れば、第三者評価も兼ねる事になりますので、在宅介護支援センターが所属法人・サービスから独立して、中立の立場を貫く必要性が、より一層明確になると考えます。
 しかし、法人経営・管理者が地域に開かれた運営を望まない以上、事業に関する行政の介入も致し方ないと考えます。
 そういう意味も含めての直営です。

 又、地域の福祉(介護)対象者全員を把握する事によって、「適正なケアマネジメントが実施されているか」の確認や、介護保険の利用者負担(1割)を減免した変わりに、架空の介護保険請求をする。といった「不正」も防げるのではないでしょうか?
 そして、入所の必要性(優先順位)に関しても意見を言える事になりますね。

 これを、措置の再来、とご批判される方もおられるかもしれませんが、(ご批判頂きたいのですが)介護保険制度があたかも「介護の社会化」を実現したように考えておられる方に対して、私は「ケアマネジメント機能が充実される事が介護の社会化である」と申し上げてきました。
 行政の責任において、適正なケアマネジメントが実施される為の監視機関の役割も持って頂きたいと思っています。

 地域の一人ひとりの利用者の生活・介護支援の内容を把握(サービスが届いているのか等)する事によって、サービス・関係機関やケアマネジャーと連携の必要も出て来ます。
 個人台帳によって、そのつながりは目に見えるようになりますが、ケースによっては、サービス機関等の意見を聞いたり、担当ケアマネジャーを交えて、ミニケース会議の必要性も出て来るのではないかと推測します。
 又、ケアマネジャーは、利用者の立場でケアマネジメントを実施する事は非常に重要な事ですが、必要以上のサービスを組み込む事は、背信行為と考えます。
 市民(納税者)と利用者の間に立って、公平な、制度の運用を心掛ける義務があります。
「必要な方に、必要なサービスを」と云う考え方です。


 私はこの事業が、ただ単に地域作りに終わって頂きたくない想いを抱いております。
 私の実践にもありますように、「保健・医療・福祉や地域との連携」といった「地域福祉のかなめ」の役割を是非実現して頂きたいものと思っております。
 そして、ケアマネジャーも含めて、相談業務の方々には、地域福祉情報全般(障害含む)に対して、地域のネットワークを活用した、パイプ役としての役割も持って頂きたいと願っております。
 福祉は一つ。
 「待つ福祉から、発見できる福祉」への第一歩であることを信じております。


 この様な想いを胸に、高齢介護福祉課主幹と三月二日(日)にお会い致します。
 そして、今後も高岡市の高齢福祉に意見を述べて行く第一歩になります。
 同時に、『高岡発・介護問題研究会議』も「私設・ボランチ型在宅介護支援センター」としての市民権を得た様子です。

 ホームページを作って本当に良かった。
 やった〜 (^。^)/ (塚本さん勝手に絵文字使わせて頂きました)
 読者の皆様、現在の私に最も相応しい絵文字を教えて下さい。
 身体全体で歓びを表わしている様な絵文字を・・・。
                                      (2003年2月吉日)

絵文字送っていただきました。

 \(^○^)/   ばんざ〜い

ヽ(^◇^(。。 )ゝ ガンバロウヨ


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