介護研ニュース  第9号   2003・8・4 発行 

編集・発行 ボランチ型在宅介護支援センター  発行責任者  二   上     浩

         『高岡発・介護問題研究会議』 URL http://www1.tcnet.ne.jp/kaigoken/

検索サイト「介護問題」のトップページは『高岡発・介護問題研究会議』です。

『高岡発・介護問題研究会議』は「介護問題」(介護にかかわる、家族・親族の問題)の発見から解決まで、在宅介護支援センターが内包している地域活動の実践を基に、インターネット会議も企画してスタートしました。

在宅介護支援センターソーシャルワーカーとして関わった「介護問題」、その発見の多くは、民生委員さんや相談協力員・福祉活動員さん、保健・医療・福祉関係者や地域住民の方々からの地域情報でした。
また、在宅介護支援センターが地域を移動しているとき、偶然発見したケースもありました。
在宅介護支援センターが目的を持って地域に出ることで、地域とのつながりがでてきます。
その目的について今日まで書き綴ってきました。

今回、地域に出る機会も得ましたので、はじめてボランチ型在宅介護支援センターを名乗らせていただきました。(正確には私設・ボランチ型在宅介護支援センターです)
名前が付いたときの掲示板から部分引用します。(如庵さんからです)

私は磐田出身ですから、でこんなのができたら面白いなと思います!基幹型とはまた違って、サッカーのボランチと同様に、在宅介護支援が手薄な地域に応援に出向いて問題解決に協力する遊撃隊みたいな強力なスタッフのチームがあったら、地域のニーズ発見がスムーズに進むのでしょうね。

「介護問題」の困難ケースがありましたら、インターネット会議をご利用下さい。また、お近くの場合は、気軽にご相談下さい。
相談者・利用者のプライバシーの保護等については、細心の注意を払いますので、ご安心下さい。


施設訪問
先月、高岡市内の在宅介護支援センターを設置しておられる施設を順次訪問させていただきました。
これはボランチ型在宅介護支援センターとしての「新しい第一歩」です。

施設長さん又は事務長さんに「お目に止まっていますか?」と「介護研ニュース新事業特集」 (リンクも含め)をお渡しして、在宅介護支援センターの地域活動(新事業)に関して、簡単に過去の実践をお話させていただきました。
中でも、在宅介護支援センターと自治会や民生委員さんとの連携によるネットワーク作りの必要性を特に強調させていただきました。

新事業が始まって間もない事もあり、在宅介護支援センターと自治会や民生委員さんとの有機的な結びつきの必要性を感じておられる施設管理者の方は僅かでしたが、今後のお付き合いの中で、その必要性を徐々に感じていっていただければ幸いに思います。
また、一部在宅介護支援センターの方とお話する機会もありました。

今後、細部にわたって、在宅介護支援センターの本来の仕事「地域活動を内包したケアマネジメント機関」ということについて、直接お伝えできれば良いと思っています。


全国在宅介護支援センター協議会の中間報告
この訪問中に日頃お世話になっているHP読者の方から、全国在宅介護支援センター協議会が先に発表した「これからの高齢者介護における在宅介護支援センターの在り方について−中間報告−」のWEB板を送っていただきました。
ご確認下さい。

色々な読み方もあるかと思いますが、別のHP読者の方々から、
・二上さんが、インターネットで根気よく訴え続けてきた賜物かもしれませんね。
・日頃二上さんが言っておられる事が書いてあるような感じですね。
・これから地域でどのような「発見する福祉」を展開していくかは、関係者すべてに課せられた課題なんでしょうね。

等のご感想もいただいています。
その部分(本当は全文なのかもしれませんが、特に私が今まで強調してきた部分)をHPから転記いたします。

(ここから)
1.はじめに
省略
2.在宅介護支援センターの特色
省略
3.在宅介護支援センターをめぐる主な課題
(1)居宅介護支援事業者への指導・支援
省略
(2)介護予防サービスのコーディネーション
省略
(3)要援護高齢者の発見と支援・保護
○ 介護保険制度の導入によって、介護サービスの利用は市町村を介さない申請主義となった。
○ その結果、
 (一)市町村には「居宅介護支援事業者任せ」という風潮が出てきた。
 (二)ニーズを抱えているにも関わらず、相談窓口に出向いたり、サービスの利用を申請したりすることができない高齢者が存在している。
といった指摘がなされているところである。
○ 一人暮らしでの孤独死、いわゆる老老介護での介護疲れによる殺人、家族からの虐待や介護放棄など、痛ましいケースの発生を防ぐためにも、在宅介護支援センターは、広く援護を要する高齢者を発見し、見守りを含めた適切なサービスにつなげていかなければならない。
○ 特に痴呆性高齢者については、今後増加することが予想されており、早期発見・早期対応によって、その地域社会での生活を支援することは、重要な課題である。
○ また、不適切な介護サービス事業者から要介護高齢者を守ることをはじめ、広く消費者たる高齢者を保護する観点からの取組にも力を入れていかなければならない。


4.提言
上記の課題の解決を図るとともに、今後、在宅介護支援センターがその役割を一層的確に果たしていくことができるよう、次のような具体的な取組を進めるべきである。
(1)基幹型在宅介護支援センター

省略
(2)地域型在宅介護支援センター
 (一) 担当地域ケア会議について
担当区域全体の高齢者を対象として自らの業務を行うとともに、居宅介護支援事業者に対して指導・支援を行っていくために、広く関係者が集まって事例検討等を通じて情報を共有し合い、課題を解決していく「担当地域ケア会議」を新設する。
 (二) 介護予防サービスのコーディネーションについて

省略
 (三)要援護高齢者の発見と支援・保護について
  (a)一人暮らしや高齢者のみの世帯の不安を解消し、安心して地域での暮らしを続けることができるよう、担当区域の高齢者のきめ細かな実態把握を行うほか、相談協力員や地域のボランティア等との連携による見守り活動、電話等を活用した安否確認活動を行う。
  (b)このほか、何らかの援護を要する高齢者には次のようにさまざまなものがあり、これらの高齢者についても、早期に発見し、関係機関への連絡など所要の対応を行う。
・家族から虐待や介護放棄を受けている高齢者
・介護サービスの利用や消費生活の上で保護が必要な高齢者
・介護を要する状態にはないが、生活上の問題を抱えている高齢者
・アルコール中毒等の精神疾患を有している高齢者
  (c)また、広く高齢者が介護サービスを利用したり、商品を購入したりする際の苦情を受け付け、その解決機関に結びつける。
 (四)痴呆性高齢者の早期発見と早期対応について
  (a)痴呆性高齢者については、早期に発見し、早期に適切な対応をすれば、痴呆に起因して生じる周辺症状(俳徊など)が緩和され、在宅での生活を長く続けることが可能である。
しかしながら、痴呆に対する家族の無理解、周りの住民の偏見・無理解により、痴呆性高齢者やその家族が地域社会から孤立し、在宅での生活の破綻を来す事例も多く見られる。
こうしたことを防ぐために、地域の中で痴呆性高齢者を早期に発見し、居宅介護支援事業者につなぐとともに、家族への専門的な助言や精神的な支援にもつなげていく。
  (b)更に、地域住民が痴呆性高齢者を正しく理解できるように日頃からさまざまな情報を伝えるなど、地域全体で痴呆性高齢者やその家族を支えていく拠点としての活動を行う。
(五)インフォーマルサポートの育成と活用について
  (a)要援護高齢者やその家族を支える上では、制度的なサービスにとどまらず、ボランティアや近隣住民などのインフォーマルなサポートを活用することが重要であることから、社会福祉協議会等と連携して、担当区域のボランティア活動や地域活動を開発・育成する。
  (b)また、居宅介護支援事業者に、担当区域におけるこうした活動に関する情報を提供する。

(3)基幹型と地域型の連携など

省略
5.在宅介護支援センターの指導的役割
(一)市町村から委託を受け、高い公益性を有している地域型在宅介護支援センターの多くが居宅介護支援事業所を併設していることは、他の居宅介護支援事業者や介護支援専門員の活動の模範となることを意味している。
また、地域型在宅介護支援センターには、担当地域ケア会議の開催や個別の指導などの活動を通じて、高齢者の要介護状態を悪化させたり権利侵害を行ったりしている悪質な事業者を是正することが求められている。
市町村は、在宅介護支援センターとの連携のもとに、これらの悪質な事業者に対して適切な処分を行うことができる体制を整備すべきである。
 (二)市町村が在宅介護支援センターの運営を委託するのは、社会福祉法人等の専門性に着目してのことであり、市町村が行うべき相談や指導が、自ら実施するよりも効果的・効率的に行われることを狙いとしている。
市町村は、こうした観点から、委託先による在宅介護支援センターの運営が適切に行われていることを常に確認すべき行政責任を有している。
このため、市町村は、在宅介護支援センターによるさまざまな活動を客観的に評価する基準を作成し、これに基づいて、委託先が行政事務の代行という重要な使命を適切に果たしているかどうかを評価することとすべきである。
この評価の結果、委託先の活動が不十分なものである場合には、委託を打ち切ることが当然であり、こうした市町村と在宅介護支援センターの関係があってこそ、在宅介護支援センターがサービス事業者や居宅介護支援事業者に対して指導的な役割を果たすことが可能となる。
同様に、基幹型在宅介護支援センターと地域型在宅介護支援センターの関係についても、活動状況の評価結果をもとに、その役割を入れ替えることを検討すべきである。

6.地域ケアシステムとの関係 
省略
7.おわりに
この中間報告で採り上げた提言については、在宅介護支援センターが自ら率先して取り組む姿勢をもつべきことは言うまでもないが、その実行に当たっては、本事業の実施主体である市町村の理解が必要不可欠である。
市町村には、この提言を受けて、積極的に所要の措置を講じていただくことを求めておきたい。
また、都道府県と国の財政支援も欠かすことができない。
昨今の報道では、国においては補助金の見直し作業が行われているとのことであり、都道府県においても、厳しい財政事情を理由に、本事業への支援に消極的な声が聞かれるところである。
しかしながら、在宅介護支援センターには、この中間報告で示したとおり、更なる具体的な取組が求められており、これらは、在宅介護支援センターが今後の高齢者介護等において有効な役割を果たしていく上で欠かすことができないものである。
よって、国と都道府県には、こうした取組への明確な支援を継続していただくことを求めておきたい。
在宅重視を掲げる介護保険制度の導入後も、依然として住民の間には施設志向が強い。
これを転換していくには、在宅の生活の中に「安心」の拠点を設けることが必要である。この中間報告で採り上げた提言を実行に移すことで、在宅介護支援センターが「安心」の拠点として住民の信頼を得て、「在宅文化」を根付かせていくことを期待している

(ここまで)

ホームページの書き出しは
『 あなたの地域に、訴えも無く、ひっそりと社会から孤立して生活しておられる要支援者・要介護者がおいでになりませんか?その様な方々に、人の心を伝える為にあなたのお力をお貸し下さい。』です。

在宅介護支援センターソーシャルワーカーの実践を基に
「介護問題(介護にかかわる、家族親族の問題)と地域の連携」・「待つ福祉から、発見できる福祉へ」・「民生委員さんを町内の窓口として連携・情報の交換」・「必要な方に必要なサービスを」・「在宅介護支援センターは地域ネットワークの要」・「高岡市の相談協力員の人選に関して」・「地域のネットワークで悪徳業者も淘汰される」・「・・・底辺で支える逆ピラミッド型の図式を常に頭に措いて・・・」・「厚生労働省への提言」等など、ホームページや掲示板・メールの中でお話してきた内容です。

そして、市担当課・基幹型在宅介護支援センターと懇談の中で「コーディネーターは施設長の次に来る経験者を」という希望も伝えました。

今後、市内の在宅介護支援センター職員の方々に直接、実践に基づく、「中間報告」の中身をお伝えしていきたいと思います。(また、お気軽にメールを下さい。誠意を持ってお伝えいたします。)
尚、中間報告の詳細については、上記URLでご確認下さい。


要介護認定調査に関して(正確でない記述)
介護支援専門員基本テキスト(2003年5月発行)の「要介護認定」に関する記述で、どうしても理解出来ない内容がありました。

介護支援専門員テキスト編集委員会編集になっていますが、その所在がわからないため、発行者の(財)長寿社会開発センター 出版事業部宛にメールで問い合わせをしました。
以下、出版事業部担当者の方とのメール・郵便・FAX交信の内容をご紹介いたします。

(ここから)
(質問)
基本テキスト第2巻P49〜50の第4節 居宅介護支援の開始 の中段から引用します。

『なお、相談者が介護保険給付サービスや居宅介護支援を利用することを決意すれば、保険者から要介護認定の調査委託を受けている場合は、介護支援専門員は保険者に要介護認定調査を開始する旨の連絡を取って認定調査を実施し、その結果を保険者に報告することになります。
認定調査の委託を受けていない場合には、介護支援専門員が保険者に連絡することで認定調査を実施してくれるよう代理で申請することができることになります。』


これは介護支援専門員が対象者を発見した場合や居宅介護支援事業所に相談に来られた時の対応に関しての説明ですが、これでよろしいのか、執筆された方にご確認いただきたいと思います。
認定調査の実施方法としては、誤解を招き、また、不適切な流れと感じましたので、よろしくお願い致します。

(回答)
先日お尋ねの件について
記述は、「誤解を招き、また、不適切な流れ」とのご指摘ですが、どの部分が誤解を招き、また、不適切な流れであるか理解できません。
介護保険法第27条に、要介護認定について規定されていますが、記述内容等に特に問題はありません。


(再質問)
ご回答ありがとうございました。
介護保険法第27条では、
1 ・・・指定居宅介護支援事業等に、当該申請に関する手続きを代わって行わせることができる。
2 市町村は、前項の申請があったときは・・・・・・調査をさせるものとする。この場合において・・・・指定居宅介護支援事業所等に委託することができる。


この申請代行と、認定調査(1項と2項)の間には、市町村が申請を受理する業務とその申請に対する認定調査実施という二つの業務があります。

ご質問した記述は
・・・介護支援専門員は保険者に要介護認定調査を開始する旨の連絡を取って認定調査を実施し、・・・
です。

申請代行業務と認定調査業務(受諾)明らかに別の業務なのに、テキストでは、一つの流れとして述べておられます。
たとえ、インテーク面接をした方が、その何れもできる方だとしても、流れの中で、市町村を飛ばして(電話連絡ぐらいはしておられる想定だとは思いますが)認定業務を行うのは適切な方法なのでしょうか?

同記述の前提は、対象者を「発見又は来所」です。
在宅介護支援センターが一番多くその機会に接するのではないでしょうか?

私が何を危惧しているのか、もうお気づきと思いますが、現実問題として、介護認定調査用紙を委託先に事前に配っておられる市町村も多いと聞いております。

認定調査が公正・中立の立場で行われる事を望んでいる一人ですが、その意味でも、重大な内容を含んだ文章であると感じました。

(回答)
テキストでは詳細な事務の流れは記述していませんが、市町村(保険者)は指定居宅介護支援事業者等に認定調査を委託する場合、「認定調査委託契約」を締結した上で、認定調査を依頼することとなります。

委託している指定居宅介護支援事業者等の介護支援専門員から要介護認定調査開始(実施)する旨の連絡を受けた市町村(保険者)は「要介護認定調査依頼書」を作成の上、受諾者へ送付し、受諾者はその依頼書に基づき実施することとなっていますので、市町村を飛ばして認定調査を行うということはないと思います。


(返信)
ご回答ありがとうございました。

「これは介護支援専門員が対象者を発見した場合や居宅介護支援事業所に相談に来られた時の対応に関しての説明ですが、これでよろしいのか、執筆された方にご確認いただきたいと思います。」
という主旨の質問をさせていただいた訳ですが、ご回答を拝見する限りでは、先にご指摘しました部分の記述は、「正確ではない。基本テキストの記述のように連絡をした上で調査になることはない。」と理解させていただいてよろしいのでしょうか。

もしこの解釈でよろしいのでしたら、今後の問題として、来年度からの基本テキストには、今回教えていただいた正確な内容が、受験生の皆様に正しく理解されるように、ご配慮をお願い致します。

それと、この記述に関して、混乱がおきても困ると思い、私が福祉系の掲示板で、一番信頼している(その他にもあるのですが)緑風園掲示板(過去ログ「介護支援専門員基本テキスト記載内容の疑問」)
http://www.ryokufuu.com/backnumber/text.htm
に投げかけてみました、またメールでも実態を教えていただきました。

その中から、もしかして、この記述をそのまま実行しておられるのではないかと思わざるを得ない、例えば、H市やT市では、事前に要介護認定調査用紙を委託先に配布されているということです。

「要介護認定調査依頼書」の作成を省略しておられるということですね。(書類上のつじつまは合っているのでしょうが)

そこで、この件に関して、私のHP『高岡発介護問題研究会議』の中で、「レポートNO6」になりますが、
今回の(財)長寿社会開発センター 出版事業部様への問い合わせ内容やご回答。
そして掲示板やメールの内容をレポートにまとめた上で、1000字メールで厚生労働省への提言としたいと思いますが、いかがなものでしょうか?

なお、レポートNO1「介護保険法スタート時点での間違い」
を、同様な形で提言させていただきました。

その成果かどうかはわかりませんが、今年度から高岡市(富山市もですが)で、「コーディネーター制度」(在宅介護支援センターの地域活動)が予算化されました。
在宅介護支援センターの本来の姿(地域活動を内包したケアマネジメント機関)に一歩づつですが、近づいていただけるのではないかと期待しています。

以上、余談もはいりましたが、今回はどうもありがとうございました。
(ここまで)

以上、1000字メールで分割送信して、厚生労働省に提言しました。
詳細はレポートNO6「基本テキストの正確でない記述(要介護認定)」をご参照下さい。
高岡市はどうなっているのかな?心配なところです。


市民の方のホームページで取り上げていただきました
2003・7・20
はじめての市民読者
ホームページ「華麗なる競技へようこそ」には、画家であり、競技ダンスに生きてこられたsuiさんの人生が詰まっています。
その、生活の重要な場所で『高岡発・介護問題研究会議』を取り上げていただきました。

「ぼける前に一人一人の年寄りがもっと自分の最期に対する生活の姿勢と向き合うことも大事と考える今日この頃です。」

是非、考えるお手伝いをさせていただきたいと思います。
BCCメールをこれからの事でご紹介いただいています。

今回、行政(議会)・市民・専門職の方々がインターネット上でつながりました。
その意味も含めて「ボランチ型在宅介護支援センター」を名乗りました。


このページについて、ご意見、ご感想などEメールをいただければ幸いです。

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