介護研ニュース 編集・発行『高岡発・介護問題研究会議』
                     発行責任者  二   上     浩

第6号  2002・7・20 発行   URL  http://www1.tcnet.ne.jp/kaigoken/

4月にケアマネジメントリーダー事業がスタートして、少しずつ地域が動き始めています。「福祉事情が少し解かった一市民」の立場から、今後の地域における連携の行方が気になっています。
高岡市におかれましては、如何なものでしょうか?参考にして頂きたいと思います。

今日は、先に終了しました「研究会議NO5」議事録と、全国ケアマネジメントリーダー研修会の主な内容等をご紹介致します。地域・行政・保健・医療・福祉の「素晴しい連携」につなげて頂きたいと思います。
そして、高岡市全域に「福祉コミュニティー」が形成される事を待ち望んでおります。

研究会議NO5 議事録

2002・7・13(土)20:00〜22:00
・議    題   「ケアマネジャーとソーシャルワーカーの業務の境界は?」

議長 開会
「研究会議NO4」公開中に、今回の議題の質問を頂きました。
 『高岡発・介護問題研究会議』開設の原点の内容と思い、ソーシャルワーカーとしての実践(レポートNO2「地域における連携」参照)に基づき、レポートにまとめました。
 レポートを書きながら、介護保険法施行で忘れられた地域活動の重要性を再認識いたしました。
 テーマのたたき台として、ご活用をお願い致します。
 尚、ソーシャルワーカーは在宅介護支援センター・ソーシャルワーカー。ケアマネジャーは介護保険下のケアマネジャーです。
 議題に関するレポート レポートNO3「ケアマネジャーとソーシャルワーカーの業務の境界は?」

議長 民間介護支援事業所所属のMケアマネジャーさんからご意見を頂きましたので、ご紹介致します。

 2000年に介護保険が開始され、要介護高齢者からの相談に応じたり、心身の状況に応じた在宅や施設サービスなどを利用できるよう、ケアプランの作成を行ったり、市町村・サービス提供事業者との連絡調整など、ケアマネジメントを行う介護支援専門員(ケアマネジャー)が資格づけられました。
 その中で、私自身を振り返ってみると、准看護婦として20年くらいほどの経験はあっても、福祉の専門職とはいえません。
 実務研修や現任研修などの他、個々にいろいろ機会ある毎に研修は受けても、困難事例の方などには十分な相談援助ができず、地域における連携は不充分で、福祉の専門職であるソーシャルワーカーさんには及びません。
 在宅福祉サービスを軸にした地域福祉を展開していくには、その「専門性の生かし方」が大切なのではと思ったりします。

 本当の意味での「福祉力」をアップさせていくためには、利用者本位の専門職を育てていく事だ、と本にも書いてありました。
 また、民間の介護支援事業所のケアマネには情報の入りにくさもあります。

 在宅介護支援センターが、ケアマネの支援機能を担い、地域の在宅高齢者に関する相談業務にも対応できる、体制を組む方向へと変わってきています。

 在宅介護支援センターのスタッフであるソーシャルワーカーさんが、地域の民生委員さんなどを中心に連携を図り、問題発見・相談援助、そして、地域ケア会議等を介して、ケアマネジャーへケアプランを受け継いで下されば、どれほど心強いことでしょう。
 一人のケアマネが50名の担当を持てば、すべての人に十分なケアマネジメントはできません。


議長 高岡は午後から、予想もしない大雨に見舞われています。水の被害が心配です。

それでは、ただ今より会議を始めさせて頂きます。
 Mさんのご意見の中にもありますように、ケアマネジャーの専門性は、保健・医療・福祉の各分野に亘ります。「専門の分野は良く解かるのだけれども、専門以外は・・・」というのが偽りの無い事実だと思います。
 これが、レポートNO3の「中心となるサービス機関所属のケアマネジャーが担当する事が望ましい」という考え方につながります。
 日々のサービスの中で、利用者の状況の変化等を、察知しやすく、迅速な対応が出来ると考えます。
「専門性の生かし方」として、利用者に一番適したケアプランを作成できるように、一番身近なサービス機関所属のケアマネジャーが担当できる様に、地域の実状に合ったシステムを考えて頂きたいと思います。
 又、「在宅介護支援センターが、ケアマネの支援機能を担い、地域の在宅高齢者に関する相談業務にも対応できる、体制を組む方向へと変わってきています。」については、実践あってこそ変わって来たのだと思います。
 「地域を動かすのは人」ですね。
                             20:00

議長 先日、厚生労働省が開催されたケアマネジメントリーダー全国研修会で、老健局専門官が講義された内容について情報を頂きました。
その中で、ケアマネジメントリーダーの重要な仕事の一つとして「高齢者を中心に、関係者が相互に支えあう仕組の、構築の支援を行うこと」が目に付きました。
 この方針が、県や市町村のリーダーを通じて、地区・地域に浸透する事を望んでおります。
そして、その原動力となるのは、在宅介護支援センターであると考えます。
ゴールドプランで全国1万箇所に計画された在宅介護支援センターが、担当地域内で、地区社協と協働の上、地域内のあらゆる社会資源を組織されて行かれる姿こそ、ゴールドプランの目的だったのではないでしょうか?
介護保険で一時的に、足踏みしたかもしれません。
しかし、ケアマネジメントリーダー事業は、当初の目的達成を意図した事業と理解しております。
関係者各位の、事業に対する正しいご理解を期待いたします。
                             20:30

議長 社会福祉協議会では、福祉の仕事が増え、内容が多様化している事から、「福祉活動計画」の策定に取り組んでおられる所もあると聞いております。
社会福祉協議会の役割、基幹型在宅介護支援センターの役割を明確にすると共に、連携のあり方にまで論議を進めて頂きたいと思っております。 又、地区においても、地区社協と在宅介護支援センターの連携の基、保健・医療・福祉機関や専門職員の有機的な結びつきを待ち望んでおります。

『高岡発・介護問題研究会議』をスタートさせた原点は、「在宅介護支援センターが介護保険実施後も在宅介護支援センターである為に」です。
一日も早く、在宅介護支援センター・ソーシャルワーカーの皆様が、地域に目を向けた活動を再開出来る様になられる事を心から望んでおります。
                                     21:15

議長 今回の議題「ケアマネジャーとソーシャルワーカーの業務の境界」を一つの媒介として、実践具体例を基に、ソーシャルワーカーの本来の仕事を書き綴って見ました。
 介護保険下の現状に合わない、無理のある設定である事は承知の上です。
 しかし、機会があれば、実践して見たい内容です。
そして、誰かが取り組まなければならない「介護問題」の発見と解決に「一番適した機関は在宅介護支援センターである」との考えは変わっていません。
最後に「待つ福祉から、発見する福祉へ」「必要な方に必要なサービスを」が『高岡発・介護問題研究会議』の大きなテーマである事を確認させて頂いて、本日の会議を閉会いたします。
皆様、本日は長時間どうも有り難うございました。
                           22:00

(研究会議NO5・参考資料)
 「中心となるサービス機関所属のケアマネジャーが担当する事が望ましい」に関して再確認させて頂きます。
介護研ニュース第4号からの引用です。
『サービス開始以降は、各機関にお任せきりで、問題が生じた時には、ご連絡いただいていました。
ここで重要なのは、母体法人の在宅サービスを、担当地区内の、一サービス機関として見て行くことだと思います。「必要なサービス」であれば利用して頂けば良いでしょう。必要でなければ、他のサービスを利用して頂けば良い話しです。この利用についての調整をしていただけかもしれません。
「ミドルステイも受諾したし、老健の話はするな。市もそう言っている」と言った管理者がいました。市が言っているのは嘘ですが、皆さんどう思われますか?この考え方が、公正取引委員会の調査報告の結果になったと考えます。囲い込みはいけませんね。』

利用者本人が必要としているサービスが「必要なサービス」です。
サービス機関・ケアマネジャーを決めるのは利用者本人です。
結果よりも、そのプロセスが重要です。解釈にお間違えの無い様にお願い致します。
囲い込みのない、地域・関係機関の連携を望んでいます。
そして、高岡市にネットワークが張りめぐらされる日を楽しみにしております。

社会福祉士掲示板 鷲見 修 氏の情報より

厚生労働省のケアマネジメントリーダー全国研修に参加した後輩から報告があったので、老健局専門官の講義の一部を取り上げてみます。

●介護支援専門員の現状と課題
ケアプラン作成の立場から支援が必要な高齢者の生活全体の支援の中心的な役割を担い、中長期的な援助目標の設定、自立支援の具体的な実現を行っている。しかし、介護保険関連業務だけでは支援が完結しないし、単独活動だけでは限界があること。
指導者・ベテランがいない。ケアカンファレンス、情報・意見交換が十分に機能しているのか。地域の社会資源との連携−行政、民生委員、ボランティア、地域住民などの協力は? 地域ケアのネットワークが機能しているか。

●ケアマネジメントリーダーの役割
ケアマネジメントリーダーは、ケアマネジャーのリーダーではなく、ケアマネジメントするときのリーダーである。問題・困難ケースを解決するのではなく、ケアマネジャーの相談、支援を行い、地域のケアマネ活動の水準向上等全体的な底上げを行う。経験の浅いケアマネジャーに直接指導・育成するというよりも、高齢者を中心に関係者が相互に支えあう仕組の構築の支援を行うことなど。

●行政の役割
介護支援専門員現任研修やケアプラン指導研修、市民生活を守るセーフティネットの役割など。生活保護・障害・精神・虐待のケースなど行政もケアマネジメント活動の一員である。

(ここまで)

以上から、20:30のコメントをしました。
今後、県ケアマネジメントリーダーを通じて、市町村にその方針が伝えられる事になります。
又、「研究会議NO5」開催時間帯に、常連の「ケアプランの広場」掲示板でも、地域の連携に関して、会議が始まっていました。
もう一つの会議、ご紹介します。

社会福祉協議会と在宅介護支援センターの連携について

「ケアプランの広場」からの引用です。
地域ネットワーク、地域組織化、地域福祉などの中核的存在は平成12年の社会事業法(現社会福祉法)改正によって、社会福祉協議会が明確に位置づけられました。地域の中で、そして民間の団体(組織)として最大規模の社会福祉協議会(全国、都道府県、市区町村)の役割は大きいと思います。

介護保険創設より遥か以前から、地域での先進的な取り組みの事例の鍵を握っていたのは、社会福祉協議会だったことが多かったと思います。
地域ネットワーク、連携を実現するためには、高齢者だけでなく、乳児から高齢者まで、さまざまな社会的な役割の方々まで、何の隔たりもない「地域住民」としてネットワークを形成してゆくためには、「核」「仕組み」「受け皿」「費用」「場所」など、言いかえれば「ヒト、モノ、カネ」が無いと現実的には難しいと思います。
社会福祉協議会にはそれらがありますし、そのためにつくられた組織ですし、それに戦後の混乱期から実際に活動や成果をあげてきたことも事実です。
したがって、高齢者の介護や支援、生きがい・健康づくりなどを考えるとき、介護保険を中心に考えるのではなく、色々な社会資源の有効な連携を考えるべきかと思います。それこそが、マネジメントです。
在宅介護支援センターと社会福祉協議会、そして介護保険サービス事業所、その他の社会資源の連携を期待します。


返信 『保健・医療・福祉の連携というより、保健・医療・福祉を別々に考えないで。健康作り、生きがい対策などと介護保険を別々に考えないで。高齢者と障害者と児童と・・・、別々に考えないで。そんな願いで一杯です。』

当時、高齢福祉課と社会福祉課は隣り合わせに位置していました。その間は衝立で仕切ってありました。
保健福祉部長は別室で、社会福祉事務所長兼務です。
私は、両方の課に用事がありますので、自由にその間を渡り歩いていたのですが、その衝立、少々邪魔のようにも感じました。
「縦割り行政」とはこの事か、と。
介護保険で業務が拡大した、高齢介護福祉課は現在、別の場所に移動しています。
益々両課の間が遠くなってしまったようにも感じています。(実際はどうなのかわかりませんが)

自由にこの間を渡り歩ける専門職の方が、一人でも多くなる事を望んでいます。

掲載の件、どうも有り難うございました。

在宅介護支援センター不要論に怒り

介護保険制度掲示板(100万件以上のアクセスがあり、介護保険が熱く論じられている)で、「在宅介護支援センター不要論」が飛び出しました。
「研究会議」でお付き合いさせて頂いている方も何名か、怒りを表示されましたが、ここで、不要論と私の投稿をご紹介します。
全国に向けて、自信を持って『高岡発・介護問題研究会議』の考え方を紹介しています。

投稿
「私は在宅介護支援センターに勤務するケアマネージャーです。
4人体制の地域型です。介護保険に特化して仕事をしています。
個人的に在宅介護支援センターは不要と思っています。
在宅介護支援は居宅介護支援の事業所でもできます。しなくてはいけません。すべきでしょう。介護保険でできないこと、ケアマネージャーにできないことを在宅介護支援センターに求めても100%とは言いませんができない。
むしろ当地ではケアマネージャーの付いている高齢者は実態把握者がケアマネとして認識しています。在宅介護支援センターに相談に行っても体裁よく他の機関を優しく紹介されたらい回され、逆にそれは、できない、ありませんと言われるくらいです。
 居宅介護支援事業所のケアマネージャーのほうが、よっぽどフットワークがあってがんばってくれているのが全国的な現象ではないでしょうか!
 でも、無いよりましです。市民的に考えれば委託費がもったいない。
逆にあるとどういうメリットがありますか。あっても委託費に見合う。
コストパフォーマンスありますか! 自治体のアリバイ機関の気がします。」


返信
 『〇0.〇 さん、00000 さん、〇.0000 さん 「4人体制の地域型です。介護保険に特化して仕事をしています。」
この様に、勘違いしている在宅介護支援センターは、全国的にかなりの数になるのでしょうか?
この考え方が、先日公正取引委員会から指摘を受けた「囲い込み」の元凶なのですね。
「介護保険は、利用できる社会資源の一つ」とか「待つ福祉から、発見できる福祉へ」とか言ってみても、馬の耳に念仏なのでしょうね。
それでは、 社会福祉士掲示板 トピックス 53 鷲見 修 さんのケアマネジメントリーダー全国研修会の研修報告は如何でしょうか?
福祉事情の少し解かった一市民の立場で、ケアマネジメントリーダー事業が功を奏することを望んでいます。』

日頃、真剣に地域福祉に取り組んでおられる方ほど、腹立たしい思いをされたのではないかと思います。
そして、介護支援専門員掲示板にも投稿がありました。

投稿  基幹型として委託費をもらいそんなんでいいんでしょうか?
地域型の実態把握のデータをそろえて何に活用するんですか?
何もしていない基幹型の実態、それを把握している地域型。
ほんと在宅介護支援センターは不要です。


返信  〇〇さん あなたはここでも「在宅介護支援センター不要論」を唱えていらっしゃるのですね。
本当にそうお思いなら、正々堂々と、名前とメールアドレスぐらい名乗られたら如何でしょうか?

0000 さん 、余談から入って申し訳ありませんでした。
地域福祉のことを本当に考えられた上での、投稿と思いますので、私のHPを読んでください。

特に、「研究会議」では、在宅介護支援センターの地域活動に関して、私自身の過去の実践に基づき議論されております。
基幹型と地域型が一体となって、地域情報のネットワークが出来れば良いですね。
私は、民生委員さんを町内の窓口として、町内の福祉情報交換をしていました。

ゴールドプランで計画された全国1万箇所の在宅介護支援センターが、その機能を発揮した時、日本の国から「痛ましい報道」がなくなるのではないでしょうか?
その日を夢見て、皆さん頑張って頂きたいと思います。

HP『高岡発・介護問題研究会議』介護問題は「介護にかかわる、家族親族の問題」です。
ケアマネジメントリーダー事業がスタートしました。
いずれ、0000 さん のセンターにも配属される事となりますが(もう配属になっていますか?)、地域のリーダーとしてのご活躍をお祈りしております。
よろしくお伝え下さい。」

ま と め

以上、「研究会議NO5」議事録と、全国ネットの掲示板等での発言をご紹介いたしました。
計5回の会議で、在宅介護支援センターが今後進むべき方向性を、大まかではありますが示す事が出来たのではないかと思っております。
又、地域福祉の要としての社会福祉協議会と基幹型在宅介護支援センターの連携や、地区社協と在宅介護支援センター(地域型)の連携、協働といった問題にも、今後取り組んで行きたいと思っています。

「在宅介護支援センターが介護保険実施後も在宅介護支援センターである為に」の中で、「地域の抱える介護ニーズを底辺で支える逆ピラミッド型の図式を常に頭に措いて仕事にあたっておりました。それでもなお、誰も知らない、表面化しないケースがある事を信じて、ニーズの発見に努めておりました。」と記述しております。

地域福祉の要の社会福祉協議会と、在宅介護支援センターの要の役割が一つになった時、そこに素晴しい「地域福祉コミュニティー」が誕生しているのではないでしょうか?

このページについて、ご意見、ご感想などEメールをいただければ幸いです。

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