介護研ニュース編集・発行『高岡発・介護問題研究会議』
                  発行責任者  二   上     浩

第4号  2002・4・14発行  URL http://www1.tcnet.ne.jp/kaigoken/

 2002・3・23開催の「研究会議NO3地域福祉への取り組み」の議事録は内容が豊富になりましたので、全文掲載する事が出来ません。今回は、要点のみお伝えします。
 尚、全文ご希望の方にはお届けしますので、ご連絡をお待ち致しております。

(議事録から抜粋)

(1) 某老健相談員の方から『施設間の連携』について、ご意見を頂きました。
(2) 同じく、療養病棟看護婦・Sさんからの情報です。
(3) 元ホームヘルパー・Aさんから「地域での大きな取り組み」について情報を頂きました。
(4) 「公取委の報告について」
(5) 「ケアマネジャーの福祉の心を探る」(牧野忠康先生)講演の感想
(6) ケアプランの作製報酬に関してのご意見を整理しました。(囲い込みの問題)
(7) 「必要なサービス」を決めるのは、利用者本人です。
(8) 単一プラン(いわゆる一品ケアプラン)批判への反批判
(9) 在宅介護支援センターの報酬は定額が良いのか
(10) NO1介護保険法スタート時点での間違いを作成。内容を1000字に校正して、厚生労働省にメールで提言しました。
(11) (議長のコメント) 困難ケースでは、介護保険の他、社会資源を駆使したケアマネジメントになるものと推測いたします。又、「介護問題」に関するケースでは、ケアマネジメント以前の調整に、多大な労力を使われる事でしょう。
 在宅介護支援センター委託費は、従来通り委託の考え方で予算化して、ケアマネジメント報酬、あるいは介護予防費等を行政が受け取る事にすれば、従来通りの考え方で在宅介護支援センターを運営できると考えるのですが、縦割り行政・しかも財政に関わる問題だけに、そう簡単に実現するとも思いません。
 しかし、視点を変えれば、ケアマネジメントも介護予防事業も地域活動の一環として、在宅介護支援センターに委託される行政の仕事ですから、介護保険下でも実現不可能ではないと思いますが、如何なものでしょうか。
 ただ、地方議員で勇気を持って取り組む方が居られるかという問題にもなります。
その点、元ホームヘルパーAさんの情報のように、福祉界を代弁して頂ける方を持つ事が、直接、地域福祉の発展につながるのではないかと思います。
(12) 一言に「連携」と言っても、その具体的な意味が曖昧なような気がします。つまり、人によって、地域によって、時代によって、色々な場面や条件などで「連携」の意味(理解)が異なっているように思います。
(13) (議長のコメント)地域には第一線を退いた、ベテランが沢山おいでます。有効な社会資源だと思います。
 介護保険は、数ある社会資源の一つです。地域における社会資源のネットワークこそが、一中学校区に一ヶ所計画された在宅介護支援センター本来の仕事だと理解しています。
 在宅介護支援センターが本来の仕事が出来るように、又、公正取引委員会の調査結果を改善する意味においても、行政は前向きに考えて行く必要があると考えます。そして、公正な運用が出来る様になれば、サービスの囲い込みも少なくなるのではないでしょうか?「待つ福祉」から「発見する福祉」への発展を期待しています。次回は、ご意見にもありますように、連携の中身について、ゆっくりと考えてみたいと思います。セクト主義におちいらない為にも、真の意味での連携が必要だと思います。
(14) 在宅介護支援センターの相談員の活動をして6年近くになりますが、危機一髪でなんとかくぐりぬけた例、そうでなくて不幸そのものの終わりの例、さまざまな例がありますが、その分かれ目が何かといえば、周りで見守る目があったか、民生委員や在宅介護支援センターにつなげてくれる動きがあったかにかかっていたようにも思います。
議長 「その分かれ目が何かといえば、周りで見守る目があったか、民生委員や在宅介護支援センターにつなげてくれる動きがあったかにかかっていたようにも思います。」 私も民生委員さんに町内の窓口をお願いしていました。町内・隣保班・向こう三軒両隣の情報が、民生委員や在宅介護支援センターに集まる地域が出来て行けば良いと思っています。
 その為にも、在宅介護支援センターが地域活動を出来る体制作りが必要だと思います。

レポートNO1「介護保険法スタート時点での間違い」

(部分抜粋)

一市民として社会に公開された情報からの判断

( 前略) ケアマネジメント機関としての在宅介護支援センターは、当然の事として、行政から、訪問調査・ケアマネジメントの委託を受けることになります。
 従来、在宅介護支援センター(管理者の他、ソーシャルワーカー又は保健婦と看護婦又は介護福祉士の2名)には、年間一千数百万円の委託費が支払われていました。介護保険法では、ケアプラン作成報酬が支払われる事になっている為、その委託費は約半額になりました。
 この部分が大きな間違いでした。
 「在宅介護支援センター」は地域活動を内包したケアマネジメント機関です。ケアプランを作る事が本来の目的ではなかったはずです。地域との連携を保つ為の重要な使命を持っていました。「支援センター協議会を組織して、地域代表と共に地域の問題を考えて行く」地域の医療・保健・福祉情報の源として、関係者に情報提供する立場の予定でした。この間違いの為に、多くの優秀なソーシャルワーカーが失望してしまいました。

公正取引委員会の調査結果が発表されました。
 「在宅介護支援センター業務を受諾している事業者にその理由を聞いたところ、利用者獲得につながるとする回答が6割以上を占めており、在宅介護支援センター業務を受諾することが利用者を獲得する上で重要となっていることがうかがえる。」
 調査の対象事業は「訪問介護」「訪問入浴介護」「訪問看護」「通所介護」「短期入所生活介護」「福祉用具貸与」の6サービスで、中でも、訪問調査や在宅介護支援センター事業が社会福祉法人等を中心に受託されているため、顧客獲得において民間企業が苦戦している点の指摘が目を引きました。 
 以上から、ケアマネジメント機関としての在宅介護支援センターが、サービスの囲い込み機関に傾いている事は否めません。ケアマネジメントリーダー事業が功を奏することを、期待しています。
 『訪問調査や在宅介護支援センター事業が社会福祉法人等を中心に受託されているため、顧客獲得において民間企業が苦戦している』介護保険スタート時点に、在宅介護支援センターのしっかりとした位置づけが成されていなかった結果、この様な指摘を受ける事になってしまいました。

サービスの囲い込みの問題

 介護認定訪問調査を一番多く扱っている機関は、在宅介護支援センターではないかと思います。認定後、ケアマネジメント依頼が来るのもこの機関でしょう。
 良く言えば、委託費が約半分になり、事業運営費の問題も有るので、つい、所属法人のサービスで間に合わせる事がある。悪く言えば、他に方法を知らないから、所属法人のサービスを勧めている・・・。
在宅介護支援センターが介護保険実施後も在宅介護支援センターである為に(省略)
 在宅介護支援センター職員は、ケアマネジャーの前に、ソーシャルワーカーとの自覚を持って頂きたいものです。介護保険は、数ある社会資源の一つです。

解決策はあるか

 間違いを、間違いと気付いた時点で方向修正すれば、解決できるでしょう。全国何万何十万の法人の中には、福祉理念に燃えている経営者もあれば、儲け主義に走っている法人もありましょう。その点検と、委託するにふさわしい法人の選別を、医療・保健・福祉一丸となって、地方を指導できるのは、厚生労働省しかありません。勿論、縦割り行政の弊害を取り外してください。その上での指導です。
 ケアマネジメント・リーダー事業にその意味も含まれていることを期待しています。適正な委託費が支払われれば、囲い込みの問題も無くなるでしょう。地域のネットワークも芽生えると考えます。

提 案

一、在宅介護支援センター委託費を介護保険前の水準で支払う。
二、ケアプラン作成により生じた報酬は、委託元の地方行政機関の収入とする。
三、その他、国が地方へ下ろす「地域の連携」に関する事業予算は、地方行政機関への予算付けとし、委託先により、各々事情を考慮するものとする。
以上内容を1000字にまとめて、厚生労働省にメールでご提案しましたので、ご報告します。

レポートNO2「地域における連携」

(実践記憶に基づく具体例)

 「研究会議NO3」の中で、HP「ケアプランの広場」管理者・松本博規さんから、『一言に「連携」と言っても、その具体的な意味が曖昧なような気がします。つまり、人によって、地域によって、時代によって、色々な場面や条件などで「連携」の意味(理解)が異なっているように思います。』とご指摘を頂きました。
 『連携』は広辞苑によれば〔互いに連絡をとり合って物事を行うこと。〕となっています。
 「研究会議NO4」で『連携』をテーマに、ご議論いただく「たたき台」として、私が老人福祉施設で携わってきた仕事。ディサービス運転手・特別養護老人ホーム生活指導員・在宅介護支援センター・ソーシャルワーカーの実践の記憶を頼りに、「地域における連携」をまとめてみたいと思います。尚、会議後、不足部分を、補足して行きたいと思います。
(参考資料)住みなれたまちで安心して暮らすために「介護保険べんり帳」高岡市発行
一、対象者本人から見た、利用出来る社会資源
 医療・介護が必要になられた方が、本人の意思で利用できる社会資源をまとめました。(以下省略)
二、ディサービスで       省略
三、特養ホームで
 職員会議(全体会議)以外に、三つの会議を持ちました。
 処遇会議・・個別処遇。行事計画会議・・全体処遇。地域交流会議・・広報。会議の中で、職員間の意志疎通・連携を期待していました。
寮母は居室担当になっていました。しかし、業務以外は、寮母が居室にいるのをほとんど見た事がありませんでした。会議の中でキッカケがあったので、仮称「ふれあいの日」というのを提案して、約1年間続けました。“日々の、入所者と担当寮母の会話の中からつかんだ、入所者の希望をかなえる一日”です。寮母と入所者の心の連携を期待していました。しかし、業務の合間に、寮母室は満員です。寮母間の連携は出来ていたのでしょうか?
10 行事計画会議は管理栄養士もメンバーでした。「誕生日メニュー」という発案がありました。施設長に了解を求めたら、「不公平」だというのです。それで提案しました「それじゃ、皆さんにお付き合いしていただいたら・・・」栄養士が、入所者に希望を聞いて、誕生日には、本人の希望する食事が食卓に並べられました。栄養士と指導員の連係プレーでした。
11 富山JET博が開催されました。寝たきりで参加できない方を除いて、「ふれあいの日」の延長として実施しました。職員も全員参加しました。ディサービスも誘い、地元のボランティアもお願いして楽しんできました。利用者の皆様、ビールも飲まれました。
12 ビールでもう1件、月1回の苑内喫茶にはビールも出ます。又、新年会には、家族参加も呼びかけました。栄養士さん、黙って、銚子・盃を用意してありました。無言の連携もあります。
13 地域交流会議で機関紙を作りました。月1回代筆ボランティアにおいでる皆様にご指導いただきました。スタイル・写真配置・構成等など。記事と写真は職員に依頼しました。
14 白内障の手術に関して。見えにくくなったと言うので、嘱託委の指示で、以前片目手術した総合病院を受診しました。手術の必要がありましたが、前回の事もあり、本人は承諾されません。後日、嫁に行った娘さんが、富山の有名病院の話をされたところ、手術する気になられました。検査・手術・術後の治療の送迎を私がすることにしました。娘さんは、朝一番に受付を済ませ、苑に迎えに来られます。すぐに、車椅子のまま病院へ、午前中の診察に間に合います。家族との連携で、手術が出来ました。しかし、体質上、眼内レンズは入りませんでした。それでも本人は、充分に満足しておられました。
15 手術でもう1件。超重度難聴の入所者が転倒骨折されました。平素、筆談しているおばあちゃんです。
 「手術後、麻酔からさめて、精神異常になっておられる」と月2回リハビリ指導に来ておられるPTから連絡が入りました。飛んで行ってみると、“筆談の顔”に、にっこりされました。「二上さん、すごい」「いや、すごいのは、私に連絡したあんただ」大変な状況だった事を話して頂きました。
16 入院で、もう1件。重度痴呆症の方です。強度の便秘で入院されました。腸に直接点滴しなければならない状態で、何時どうなってもおかしくない状態です。県外在住の子を呼び寄せました。3日間ぐらい滞在しましたが、そう長くは居られません。事務長との話「亡くなられたら、空き家になっている家へ運んで(勿論葬儀屋)、おつとめはOOさんに頼んで、準備していれば、帰ってくるだろう」と。しかし、良く考えてみると、他人には渡しませんよね。実際には必要ありませんでした。排便チェックの連係不足でしたが、家族からの追及はありませんでした。
17 先に問題となった特養ホームの不在者投票所の問題。雨晴苑は、事情があって、投票所にはなっていませんでした。家族同行で、投票所まで送迎する事にしました。施設で送迎すると、利益誘導の選挙違反になります。天涯孤独の方には福祉事務所の同行を求めました。高齢福祉課係長においで頂きました。
18 アルツハイマー型痴呆と診断されていた女性が、徐々に食事が進まなくなり、とうとう飲みこみも困難になってきました。家族希望の老人が多く入院しておられる病院(長期療養型ベッド有)は満床で入院は何ヶ月か先になるという状況でした。同じ法人経営の老人保健施設相談員さんは、仕事上よくお会いする方でしたので、この相談直接ぶつけてみました。一両日して次のような案が示されました。「特養から病院へ入院・病院入院中の方を老人保健施設へ入所・老人保健施設で特養入所待ちの方を特養入所」特養ホーム入所は行政措置でしたので、入所担当者に実状を話して、実現しました。入院の日、医師は「私も、経管栄養に疑問を持っています」と一言。
19 入所申請書の診断書、問題行動・性的異常にチェックがありました。老健併設診療所の医師の診断書です。早速、相談指導員に連絡を取りました。
 以前ディサービスを利用されていた時の委託解除書には「死亡」と記載されていました。
 デイ利用〜高山の老健〜隣市の老健〜診断書の老健。渡り歩かれました。診断書を書かれた理由は「施設の中で、社会生活をしていただく訳には行かない。施設入所するとすれば、精神病院入院の方。自宅に帰って、家族の責任で社会から隔離する方法もあります」と言うのが診断書の意味でした。市入所担当者(訳あって前年度担当者)と私で、嫁いだ娘さんを訪問の上、理由の全てをお話ししました。市へは不受諾書(理由明記)提出しました。
 この調整の頃、県OBの施設長に元上司(現役)と思われる方から電話がありました。「何とかならないか」と依頼されましたが、「出来ません」ときっぱりお断わりしました。
 この種の、裏での連携は好ましくありません。施設長は権力に弱い方でした。
20 重度痴呆症で、歩行出来ないのに、歩こうとする女性です。苑のスタンダードの車椅子は大きすぎます。小さめの車椅子に、片腕でターンするテーブルをつけました。その上、反対には、ワンタッチで固定できるバンドを取り付けました。介護機器業者との合作です。安全の為の身体拘束です。身体拘束を認めます。しかし、テーブル付き車椅子で、本人にピッタリ合っています。家族にも内容をお話ししました。

 ショートスティの担当もしていましたが、入所施設では、地域とのつながりは、どうしても受身になってしまいます。「ホームの中央の廊下を地域の方々が行き来するような、地域の拠点施設にしたい」と言う前施設長の構想も、施設の社会的責任を自覚した言葉ではありましたが、やはり夢でした。
 しかし、入所面接に出かけた病院や老健施設の相談員さんとは顔なじみになり、後日、在宅介護支援センター・ソーシャルワーカーの大切な資源となりました。

四、在宅介護支援センターで
いよいよ待望の地域に出ました。

 在宅介護支援センター・ソーシャルワーカーの肩書きを頂きました。
21 必要性を感じて、民生委員担当区域別の地図を作りました。以下「研究会議NO2」を参照願います。
22 高齢福祉課から依頼のあった「ねたきり・痴呆申請者」の実態調査がありました。3箇所の支援センター同時に調査に入りましたが、問題が発生しました。電話で「〇月〇日00時にお伺いします」と。ご主人が仕事を休んで待っておられたそうです。それで・・・。保健センターが聞き取り調査に入りました。当方は何の問題も有りませんでした。それ以降、急速に保健センターとの連携が取れるようになりました。訪問は、相手の予定に合わせて下さい。予告なしの訪問でも結構かと思います。
23 高齢福祉課からの依頼です。サービス利用者の一覧表を、校下別・あいうえお順に整理できないか。ワープロを打てない私には難問でした。短冊を作りました。10枚並べてコピーしました。一覧表が出来ました。月1回更新しました。伏木地区の民生委員協議会からコピーを欲しいと依頼がありましたので、同じものを渡しました。
24 月1回の市高齢者サービス調整会議では、積極的に意見を述べました。メンバーは、保健所・保健センター・市民病院・医師会訪問看護ステーション・在宅介護支援センター・デイサービスセンター・老人保健施設・高齢福祉課・時として社会福祉課(保護担当)等です。ケース検討会が主な内容でしたが、非常に有意義な会議でした。
25 高齢福祉課へは、ほとんど毎日行く用事が出来ました。代行書類の提出などです。控えのコピーも自由に取らせて頂きました。

ケース相談が多くなりました。何件かご紹介します。

26 民生委員からの相談です。「57歳女性、痴呆がひどい、夫現状を理解しない、近所に妻の兄が住んでおり話の判る人、2人の子(男・女)は寄り付かない。」尚、兄の町内の民生委員も関わって頂けました。5年前に「初老期痴呆疑い」と診断されており、先ず、二人の民生委員と、支援センター・看護婦と私の4人で、本人に会いに行きました。家のどこかに隠れておられる。テーブル上の状態を見ただけで大変な状態と理解しました。トイレ前の廊下には便が点々と。民生委員に連れ添われて顔を見せられたが、おびえておられる様子。在宅生活できる状態ではないと合議。兄の予定を聞いて一度お会いする事にしました。
 同時に、痴呆症の方をお願いするのは、「この施設」私が相談出来る老人保健施設の相談員と、ケースに対する情報交換を実施。後日、兄の家で兄・民生委員・相談員・ソーシャルワーカーのメンバーで相談しました。
 老健入所は2〜3ヶ月先になるので、ショートスティで様子を見る事にする。特養のショート利用券の診断書は、老健ショート入所時に併設クリニックで作成、支援センターで利用券の代行をする。利用施設は雨晴苑。夫と2人の子には、兄から説明していただく事にする。以上確認の上、サービスがスタートしました。
 2週間後、雨晴苑へショート入所、一両日してショート担当から「特養では介護できない」と申出がありました。
 老健相談員に電話で問い合わせたところ、「かなりひどい状態で、先生も迷っておられる、お会いしたいと言っておられますが」翌日先生にお会いする。「精神科病院で痴呆症の方の入院施設が県内には無いので、隣の石川県の病院を紹介したいと思いますが・・・」「親族と相談の上、お願いします」非常に親切な医師でした。
 その日のうちに病院の紹介を依頼、翌日受診して頂きたいとの連絡を受け、兄に連絡、後はお任せしました。受診の結果、1週間後に入院が決まり、ショート担当に連絡。施設長には「入院が決まりましたので、それまでおいてあげて下さい」とお願いしました。
27 民生委員からの相談です。「私の子ども返して」と隣の家へ行かれるそうです。デイサービス利用のおばあちゃんです。
 公立病院の精神科入院中に、窓ガラスを破って、退院させられた方です。民生委員さんにお願いして、家族会議を招集して頂きました。息子さんも、前例があるので、投げやりです。後日、保健所保健婦さんと同行面接しましたが、妙案が浮かびません。保健所として注意して行くに留まりました。私は、隣の方に、様子を見て頂き、頻度が多くなるようであればご連絡いただける様にお願いしました。
28 社協ホームヘルパーから、老夫婦の奥さんのケースが、市サービス調整会議に議題として、提示されました。結果、老人病院入院です。支援センター担当区域の方でした。誰が夫を説得するか。「支援センターさんにお願いしましょう」言ってくれましたね・・・。
 と言う事で、入院の話をしました。夫の知っている病院への入院を確認して、一安心していましたが、「連れ帰って、足に大きなあんかのやけどを作ってしまいました。」お金の問題も有りました。2〜3日後に調整会議があったので、再度議題に。今回は、社会福祉課・保護担当も同席しました。
 私の方では、会議の結果を受けて話を進めるために、家族会議の準備をしていました。市在宅担当・支援センター2名・夫・長男・嫁いだ長女がメンバーです。「お金は私たちで何とかします」そこへ、老健相談員の方から電話かありました。「今調整会議の話を聞き、内部で調整が付きましたので、ご連絡します。やけどが治るまで〇〇病院で、完治しましたら、老人保健施設でお預かりいたします」この結果を家族に伝え、家族会議は終わりました。後日、担当民生委員からお礼の電話を頂きました。
29 民生委員から連絡頂きました。「老姉妹の妹さんが寝たきりらしいが、姉の方が、私らを受け入れようとしない」ので、お願い出来ないかという依頼です。
 看護婦と私で訪問しました。「こんなもんに、何もしてやることは無い」話のたびにトーンが上がって行きます。妹さんは、寝たまま、黙ってうつむいています。介護されている立場では何も云えません。
 私はこのケースを調整会議に提示しました。保健センター所長「保健指導という手もある」今度は、保健婦さんを加えて、3人で。その時、親戚の方の来訪がありました。すぐ帰られたので、私はあとを追いました。住所をお聞きして、後日訪問する事にしました。
 親戚の方、主治医(週1回往診)のお話も伺いました。姉の気持ちを変える他は無い。これが結論でした。何ヶ月通ったでしょうか?4〜5ヵ月後ではなかったでしょうか。やっと心を開いていただけました。主任ヘルパー同行の利用訪問は2〜3日後の事でした。
30 ねたきりの夫が1週間のショートスティを本人の意思で利用しました。目的がありました。このショート利用中に、妻が「もう介護できないわ」と言い出されました。民生委員からの連絡です。退所後、民生委員・市担当・支援センター看護婦と私のメンバーでご夫婦の話を聞きました。夫は弱々しくも、力強い内容で、「雨晴苑」の行く末を心配しておられます。「二上君頼む」という言葉を老夫婦の再出発の意思と受け取りました。従来通り、社協ヘルパーで支援を続ける事を確認しました。
31 市民病院の相談室からの情報です。「退院が決まったが、自宅へ帰る準備をして欲しい」ねたきりの女性です。訪問看護ステーション・社協訪問入浴・介護機器等の準備を退院までに済ませました。
32 「ねたきり・痴呆訪問調査」で利用者家族から、色々な問題を指摘して頂きました。市で給付している「紙オムツ」の質・電動ベッド(本人利用可)・便座(JRトイレ型)エアーマットの種類など、改善意見を担当者に伝え、予算化して頂きました。
33 保健センター保健婦から、「ねたきり申請者」に関して積極的な情報交換がありました。
34 病院のPTからの情報です。家でトイレに不自由しておられると言う事で、同行訪問、介護機器業者に来てもらい、ベッド・手すり・便座の手配をしました。
35 経管栄養剤をストローで飲んでおられる女性です。往診・訪問入浴・訪問看護・ホームヘルパー・保健指導・介護機器全て利用されていました。介護者の用事で、ショートスティを利用する必要が出て来ました。往診医では、「老人ホームの様な、医師のいないところはダメ」そこで、老健相談員に電話で可否を問い合わせ、「協力します」という返事だったので、お任せしました。往診医との書類等の連絡は、私の方で引き受けました。
36 他の特養入所者で、褥創の手術の為市民病院に手術入院中の女性がおられました。3ヶ月以上の入院になる為、措置が切れます。家族から条件が出されました。息子さんは、脳梗塞の後遺症、妻には二人の介護が負担です。息子さんを入所させて、親を在宅介護する計画です。担当区域在住の方です。市民病院から往診と訪問看護されるということでした。必要な介護機器をそろえました。それにしても、特養の対応は不親切でした。
37 担当地域を移動中の事です。痴呆のお年寄りが徘徊しておられます。妻が手を引っ張っていますが言う事を聞かれません。偶然通り掛り、保護しました。
38 同じく、車椅子の老夫婦にお会いしました。声をかけ、お宅へ同行して、福祉サービスの話をさせて頂きました。
37・38は在宅介護支援センターが地域を移動中に目にする光景です。迷わずに声をかけて頂きたいと思います。
仕事の上で、色々な専門職の方々や多くの民生委員・地域の方々・介護者(家族)・本人そして行政の担当者の方々と親しくお付き合いをさせて頂きました。

サービスの地域割り  (部分省略)
 私達は、母体法人のサービスを、一サービス機関と位置付けていました。当時、法人内で、在宅サービス連絡会議を提案していましたが、実施されないので、内部の連携は主に看護婦が受け持ちました。又、母体法人以外のデイサービスセンター・社協サービス等との連携は主に私が担当しました。

(考 察)
 在宅介護支援センターは、介護保険施行前も現在も、地域活動(連絡調整)を内包したケアマネジメント実施施設である事は、老人福祉法に明記されております。介護保険では、介護費用を負担・給付する制度が変更されました。
 ソーシャルワーカー時の実践記録の一部をご紹介しましたが、行政からの依頼業務の他に、一つの方法として、地域(町内)情報の窓口を民生委員に求め、連絡を取ってきました。その結果として、困難事例の情報を頂く様になったことは、活動の方向に誤りが無かった。と理解しています。
 私は、ケアプランを作成した記憶はありません。最適なケアを受けていただける様に、私自身の中で、自由にケアマネジメント(?)を実施して、福祉サービス申請書類の代行や、サービス機関への申し送り(台帳コピー添付)をしていたに過ぎません。
 ケアの中味は、サービス機関により異なります。地区割りされたサービス・ある程度選択出来るサービス。選択できるサービスについては、知る限りの範囲で、内容の吟味もしていたように思います。入所施設については、近隣市町村の施設ともパイプを持っていました。(特養入所のケースは扱いませんでした。措置入所は家族の申請と解釈していました)
 申し送りしたケースについて、必要な場合は、再訪問してサービス内容を確認していました。何件か再評価の例はありますが、サービス機関や介護者からの連絡によるものがほとんどでした。
 簡単なケースでは、中心になるサービスの機関・相談員や主任に、申し送りの上、全てお任せしていました。ケアの計画と言う意味においては、非常になまくらなソーシャルワーカーでした。
 困難なケースでは、関係すると思われる方々のご参加を頂き、会議等を開催しました。ケース検討会ではありません。ケアマネジメント以前の問題を解決する事が目的の会議です。時として、老健相談員・保健婦・訪問看護婦の同席をお願いしたことはありますが、ほとんどが、市担当者・民生委員・家族・親族との相談でした。
 ケアプランは作成しませんでしたが、必要なサービス機関との連携はありました。

ひとつの提案です。
 各サービス機関のケアマネジャーは、その分野における非常に高い専門性をお持ちです。中心となるサービス機関のケアマネジャーにケアプラン作成をお任せしたらいかがでしょうか。
 在宅介護支援センターには、ケースを、利用者に最適のサービス機関へ申し送る事と、困難ケースや「介護問題」に関するケースを担当して頂きたいと思います。又、地域の社会資源の情報発信源としての機能を整備して行かれる事を期待します。
 以上。公正・公平・中立の立場を貫かれる事によって、「公正取引委員会調査結果報告」に指摘されたような「囲い込みの問題」は解決出来ると思います。そして、「関係機関との連携」も取りやすくなるのではないでしょうか?
 「一、対象者本人から見た、利用できる社会資源」は、在宅介護支援センターが使える社会資源でもあります。在宅介護支援センターは、対象者本人の意向を代弁・実行に移す機関なのですね。
 高岡市の場合、福祉系在宅サービスについては、各サービス担当地区割りを取っています。地区担当の支援センターが、利用者の必要とするサービスを、担当地区内のサービス機関につなぎます。
 老健の在宅サービスも、隣接市町村施設も含め、ある程度は全市的にカバーされていた様子です。送迎が可能かの確認をした事もありました。
 訪問看護は、徐々にサービスエリアを広げて行かれた様子でした。というより、広げて頂きました。総合病院の医師も、市医師会員です。対応して頂いていました。
 サービス開始以降は、各機関にお任せきりで、問題が生じた時には、ご連絡いただいていました。
 ここで重要なのは、母体法人の在宅サービスを、担当地区内の、一サービス機関として見て行くことだと思います。「必要なサービス」であれば利用して頂けば良いでしょう。必要でなければ、他のサービスを利用して頂けば良い話しです。この利用についての調整をしていただけかもしれません。
 「ミドルステイも受諾したし、老健の話はするな。市もそう言っている」と言った管理者がいました。市が言っているのは嘘ですが、皆さんどう思われますか?この考え方が、公正取引委員会の調査報告の結果になったと考えます。
 囲い込みはいけませんね。

ま と め
 『連携』の目的は、老人医療・保健・福祉が必要になられた方々に、最適のサービスを提供する事です。
 『連携』の方法は、そんなに難しい事ではありません。各専門職が自らの職務に関する法令等を熟知、遵守すれば良い事です。公的・私的法人を問わずに、公正・中立・公平な立場で・・・・・。
ケースに最適なケアマネジャーを選任する方法を工夫して下さい。その実践の積み重ねが、素晴しい連携につながると思います。
 地域の機関に所属する一人ひとりの専門職の連携が、複雑に絡み合ってネットワークを形成します。その輪を大きくして行く事が求められています。
 そして、ネットワークの「かなめ」の機関が在宅介護支援センターである事を申し上げてきました。

 一方、住民組織から言えば、向こう三軒両隣・隣保班のお付き合いからの介護・福祉情報が自治会(民生委員)に集まります。自治会(民生委員)を通じて、地区社協・市町村社協とつながりを持って行く。その様な組織図になっています。情報は、民生委員が一番お持ちでした。
 地域との連携の中心になって行くのは、やはり、在宅介護支援センターと考えています。地域(町内)と連携を保つのに最も効果的な方法として、民生委員との連携を選びました。
 私は、地域が抱える介護ニーズを底辺で支える逆ピラミッド型の図式を常に頭に措いて仕事にあたっておりました。それでもなお、誰も知らない、表面化しないケースがある事を信じて、ニーズの発見に努めていました。
 在宅介護支援センターは地域の連携に関して、「扇のかなめ」の役割です。底辺でガッチリと「ネットワーク」を支えて頂きたいものです。           以上

研究会議 NO4 会議開催のご案内

下記日程、要領で会議を開催いたしますのでお知らせ致します。ご意見は、下記時間帯に、メールkaigoken@p1.tcnet.ne.jpでお願い致します。
尚 今回は高岡市の保健・医療・福祉関係者と「介護研ニュースNO4」を媒介に、連携を試みていますので、時間を充分に取らせて頂きました。戴いたご意見は、順次速報に掲載いたします。但し、事前に届いた反論(ご意見に対する)については20:00の開会と同時に一括公開いたします。又、閉会後に届いたご意見は、議事録に追加掲載することと致します。
又、郵送の方は、933−0043高岡市中川上町9番25号  二 上  浩  宛にお願い致します。
各位にはお忙しい時節とは存じますが、以上ご理解の上、ご参加の程よろしくお願い致します。
・会議開催日時     2002年5月11日(土)  20時〜22時頃まで。
・議    題     レポートNO2「地域における連携」に関して 
レポートNO2は、今回の会議の「たたき台」として、私の在宅介護支援センター・ソーシャルワーカーや指導員時代の実践記録をまとめたものです。遠慮なく、議論の的にして頂きたいと思います。
 以上

このページについて、ご意見、ご感想などEメールをいただければ幸いです。

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