介護研ニュース   NO17「独占禁止法と介護保険法」

編集・発行 指定居宅介護支援事業所      発行責任者 管理者兼介護支援専門員 二 上  浩
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「独占禁止法と介護保険法」

サービスの地域割り
サービスが地域割りで提供されるという話を市民の方から立て続けに聞いている。地域ということであるから通所系サービスである。
利用者の「選択権」は保障されているとご説明しているが、地域で開催される高齢者対象の集会等で説明されていると言われる。主催者はかって在宅介護支援センター・今は地域包括支援センターである。
以前要支援者の名簿を頼りにそのような説明をして回った地域包括(予定)職員があったので注意したことがある。どうもこの種の内容らしい。
一件ならともかく、私のネットワークの範囲でも数件あった。

サービスにしてこのような実体があるのであるから。ケアマネジャーの「選択権の保証」は無いに等しいと思っても良いであろう。何時までこの様なことを続けるのか?行政の姿勢を問いたい。
二枚名簿で委託機関に情報を流し続けると職員の意識もこの様になってしまう。情報公開制度は「選択権の保障」の意味からも重要なことであるが、調査機関自体が疑義を持ち始めている。第三者評価機関ではないところがポイントかと思う。ここでも行政の姿勢を問いたい。

公正取引委員会の指摘は今回の法改正につながっている。結果が情報公開制度である。公正取引委員会は独占禁止法の立場から指摘しているが、独占禁止法に関してはこのページがより判りやすいと思う。
http://www.jftc.go.jp/child/index.html
委託機関に偏った情報を流さないためにも、行政が行政に対して警鐘を鳴らしたのが今回の情報公開制度であると理解している。

「選択権の保障」とはサービスを目で見て選ぶことの出来る状況を作り上げることだが、福祉サービスはなかなか目には見えない。増してケアマネジャーを選ぶとなると非常に困難なものがあるとは思うが、かといって委託機関に丸印をして良いということにはならない。
某市ではケアプランの評価を教育機関に依頼してケアマネジャーの番付表を作られたそうである。それぞれ工夫されているようである。

このような背景下で「サービスの地域割り」の話をしているケアマネジャーがいるということになれば言語道断である。敢て言うならば、「セールスマンケアマネ」である。委託機関に席を置いておられるそうである。

独立したケアマネジャーにも「中立性」の無い方はある。利用者に変更の意思が無いのに、馴染のサービス事業所へサービスを移されるそうである。
一度「〇〇さんとは仲良くしてね・・・」とメッセージを送ったことがあるが、本人は気付いていない。

「独立化の勧め」の最後の1行には深い意味がある。
今日その答えを出すが、その結果、枠を拡げる準備がある。「縦割りのネットワーク」と「横割りのネットワーク」が地域で連携を執っていくことが出来るような、そのようなネットワーク構図を描いて、民間で大きなネットワークを目指そうと思っている。

『「セールスマン的ケアマネ」や「独立のための独立」を目指される方には向きませんので、ご遠慮いただきたいと思います。』
とは、そういう意味である。

Re: サービスの地域割り
http://www.jftc.go.jp/child/index.html
委託機関に偏った情報を流さないためにも、行政が行政に対して警鐘を鳴らしたのが今回の情報公開制度であると理解している。』

次世代を担う子供向けに書かれたページだが、独占禁止法に関して非常に判りやすく解説されている。

http://www.jftc.go.jp/child/cnt_02.html
「競争がなかったら?」では「事業者が競争をすると、わたしたち消費者は安くて良い商品やサービスを買うことができるんだよ。」と解説されている。介護保険法のサービスでは利用料が決められているから、私たち介護支援専門員は良いサービスを提供するために、利用者の「選択権を保障する」姿勢を持たなければいけないことになる。これが「中立性の確保」であり、所属事業所に対しては「独立性の確保」の姿勢を持たなければいけない。
競争の原理が働かなければサービスの質の向上も望めないということである。
http://www.jftc.go.jp/pressrelease/02.march/02031301.pdf
公正取引委員会は、
○ 競争政策の観点からも,介護サービス分野において多様なサービス提供主体間で公正な競争条件が確保されるよう,制度の在り方について検討を行っていくことが必要。
と指摘している。

そこで独占禁止法が登場する。
http://www.jftc.go.jp/child/cnt_03.html
「独占禁止法と公正取引委員会とは?」では、「公正取引委員会には委員長と4名の委員、それに700人以上の職員がいるんだよ。」と解説されている。「国の役所が、会社やお店が競争をじゃまするようなことをしていないか見張っているのです」ということであるが、公正取引委員会は
http://www.jftc.go.jp/pressrelease/02.march/02031301.pdf
市町村によっては,特定の事業者に優先的に委託等を行っていることが,利用者獲得をめぐる競争に影響を与えている状況がみられる。
と指摘して
○ 競争政策の観点からは,市町村において,訪問調査委託の基準等を明確にするとともに,委託に際し,特定の事業者を優遇しないことが必要。
○ 訪問調査の委託に際して特定の事業者を有利に扱う等の運用を行わないこと等を地方公共団体に対して要望。


こう指摘していた。昨年1月から新規認定調査を保険者が行うようになってから、民間事業所のケアマネ間で「新規ケース・・・何処行った???」といった会話があった。約1年後判ったことであるが、在宅介護支援センター名簿に「地区担当」ということで丸印があった。もう1枚の名簿には「在宅介護支援センターという名の居宅介護支援事業所」の名前もある。
認定調査の依頼が名簿への丸印に変わっただけで、本質的には何ら変わっていない。前任課長には公正取引委員会の報道発表資料の最初から4ページをお渡ししてあった。

http://www.jftc.go.jp/child/cnt_04.html
「私的独占とは?」では「選択権を保障しない」世界が描かれているが、上記はケアマネジャーを選ぶという角度から言えば、正に私的独占。行政が行っているのであるから「公的独占」なのかもしれない。「委託しているから・・・」と言われるが、委託している事業は在宅介護支援センターであり地域包括支援センターである。居宅介護支援事業所を委託している訳ではないと思う。公の場で聞いてみる必要がありそうである。
カルテルや再販売価格維持行為は公的制度だから無いにしても、「選択権の保障」「自己決定権の保障」は確保していっていただきたいものである。

公正取引委員会は次のようにまとめを行っている。
○ サービス内容については,利用者が比較して選択可能となるよう,また,サービス内容をめぐる競争を促進していく観点からも,事業者が積極的に情報提供していくとともに,サービス内容を評価するサービス評価事業が有効に機能するような環境を整備していくことが重要。

ということで情報公開制度がスタートしたものと理解しているが、「私的独占」も疑われる委託機関への行政情報の偏った流し方だけは改めていただきたいものである。

今回の法改正で新規認定調査を保険者が行うようになったが、1年余り先行した内容(二枚名簿の委託機関に丸印)が全国的に拡がらないように願っている。


レポートNO12「独占禁止法と介護保険法」

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