介護研ニュース  第13号   地域特集号  2004年6月発行 

編集・発行 ボランチ型在宅介護支援センター     発行責任者  二   上     浩

         『高岡発・介護問題研究会議』    URL http://www1.tcnet.ne.jp/kaigoken/

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知人・友人の皆様、そして地域の皆様へ
介護保険制度が施行されて一年目、報道から「在宅介護支援センターが本来の仕事が出来ていない」ことを知り、八年も前の実践ですが『待つ福祉から、発見できる福祉へ』日々の地域との連携で、数々の介護問題を発見してきた地域活動の内容を中心にHPで紹介してきました。(介護問題は介護にかかわる家族・親族の問題です。)
高岡市では昨年度から、在宅介護支援センターが地域の福祉総合相談窓口としての本来の役割を果たせるように、委託費の大幅な増額をおこなうなど、地域に目を向けた福祉施策がとられてきました。
計画実施に先立って担当課・基幹型在宅介護支援センターからお誘いを受け、懇談の中で、当時の実践内容を紹介しました。
また、施設訪問や「介護研ニュース」を通じて側面からその重要性をお伝えしてきました。

4月1日に指定居宅介護支援事業所『高岡発・介護問題研究会議』を開設いたしましたが、HPの名前を居宅介護支援事業所名にしたのは、在宅介護支援センターに地域福祉の要としての役割を担っていただけるように、ケースを通じて地域から、働きかけをおこなっていこうという考え方からです。
私の目標は、市内の約300町内全てと、ケースを通じてかかわりを持つことです。

独立・中立型介護支援専門員は、介護保険サービス等に対して第三者機関の役割も兼ね備えていますので、介護保険サービスの適正化に関して関係機関等に働きかけていくことや、保健福祉・介護保険計画に基づいた地域福祉が実施されるように、在宅介護支援センターにも直接、地域との連携の方法等をお伝えしていこうと思います。
指定居宅介護支援事業所『高岡発・介護問題研究会議』がその設立の目的を果たせますように、また、高岡市に地域福祉コミュニティーが作られていく原動力になることをお約束して、皆様が耳にされた、介護保険利用等に問題を含むケースや困難事例・特に家庭内に問題を含むケースなど、ご紹介いただければ幸いに思います。

介護保険を医療保険の二の舞にしないために
昨年度のモデル事業を手はじめに、今年度から本格的にはじまった介護保険給付適正化事業は、公正・公平に運営されなければならない介護保険制度が、ゆがめられた運用になっていることを物語っています。

「医者は薬を出さんと儲からん・・・」と薬を乱発する医師・医療機関のはしごをして医師に薬を求める高齢者、そして多くの薬がゴミ箱へ・・・このような現実を私も目にしました。
サロン化した病院の待合室や社会的入院が問題になったことも皆様の記憶に新しいことだと思います。
破綻寸前となった医療保険の介護分野を独立させ、新たな負担を求めたのが介護保険であることは申し上げるまでもありませんが、その介護保険にも今、破綻の危機が迫り、利用者負担率の引き上げ等も論議されています。

ヘルパーが運転する車(白ナンバー)や介護タクシー(緑ナンバー)では介護報酬で運賃をまかなっていました。
また、福祉用具貸与では、電動セニアカー(電動スクーター)が車椅子の扱いをされていることや軽介護の方が電動ベッドを使用しておられることにも首を傾げざるをえません。(厚労省が見解を示され意見を求められています)
この他にも、ホームヘルパーの家政婦化や架空請求を可能にする介護保険制度の運用など、利用者にもサービス事業者にも大きな問題が潜在しています。
これらの理由には、法に定められた介護支援専門員の中立性が担保されていないことや、急造されたことによる資質の問題点も指摘されていますが、サービス事業管理者の姿勢にも大きな問題があるように思います。

介護支援専門員自身が公正・公平・中立の立場を取ろうとしても、一方では労働環境の問題も影響してくることは事実ですが、基本姿勢を貫かなければならない職種であることは論議を待たないものと思います。
仮に、利用者にケアマネジャーを替えたい意向があったとしても、担当のケアマネジャーが認定調査をおこなっている以上、その意向が表面化することは難しく、事業所内部の問題として片付けられてしまう恐れもあります。
地域に開かれた介護保険の運用が実現されるためにも、何のしがらみもない、独立・中立型介護支援専門員が是非地域には必要であり、公正・公平な立場で行政や関係機関に働きかけていくことも重要なことだと思います。

介護保険運用の問題点
まず、利用者が介護保険に出会う最初の段階・相談の入り口で間違いがおこっています。
二年余り前に公正取引委員会から「競争促進のあり方」に関して指摘を受けたとおり、窓口への来所や地域で対象者を発見するなど、在宅介護支援センターが一番多くケースに接することになります。
行政の委託機関であり、地域福祉の要の役割を果たさなくてはならない在宅介護支援センターにおいても、相談ケースの取り扱いが公正に行われていないことに対して指摘されている現状があります。
受付→申請代行→認定調査→ケアマネジメントという、本来別々の業務が、一連の流れの中でおこなわれている実態を、開業前に「申請からケアマネジメントまでコースに乗っているよ・・・」と教えていただいていました。
認定申請代行は事業者の業務であり、認定調査は保険者の業務ですから、この流れを断ち切らない限り公正なケアマネジメントには繋がりませんが、新規認定も更新認定もこの方法が採られているようです。
そして、ケアマネジメントにおいても「サービスの囲い込み」という問題がおこってきます。
ケアマネジメントは本人に対して利用できる最適の社会資源(本人・家族親族を含め)をマネジメントする手法ですが、管理者から自社サービスを利用するように指示が出ていることも事実です。(介護支援専門員性善説)

しかし、介護保険関連法等で、介護給付の内容が明確になっていますが、いまだに法に定められていない内容を含むケアプランが存在することも事実です。(高岡市ではケアプラン関係書類提出の必要がありません。)
これは、介護支援専門員がその立場を理解していないことに起因しますが、利用者から求められても、正しい理解を取り付けて、他の方法を一緒に考えていく姿勢が最低限求められますので、その資質にも問題がありそうです。
また、特定事業者のサービスに集中しないようにも求められていますが、多くは自社サービスの囲い込みであり、極端な例では、自社サービスを含まないケアマネジメントは手放すという事業者本位の事業運営も耳にします。
そしてこのような背景の中で、一番戸惑っているのが現場のサービス提供職員であるという現実もあります。

現在社会保障審議会介護保険部会で、サービス事業者に不正があった場合に、中立を求められている介護支援専門員が事業者側に立っていたときには連座制をとることも論議されていますが、居宅介護支援事業者は、利用者の不正受給に関しては保険者への通知義務を課せられていますが、サービス事業者の不正に関しては何ら法には求められていません。(法にはありませんが、事業者の運営基準等に反する実態を保険者にお知らせする必要を感じます。)
そして、先日訪問調査(指導)がありましたので、調査票の提言欄で次のように提言しました。

(提言)
・認定調査が公正に行われることを期待します。
具体的には、担当介護支援専門員(同一事業所含む)が、認定調査を行わないことが必要だと思います。
・給付管理に関して、月はじめのケアプランと国保連に請求された実績の違いの理由を明確にするためにも、サービス事業者・介護支援専門員の双方から、理由を記した報告を求められる必要があると感じています。
(例えば、利用票(月初)と提供票(実績)の提出を義務づける)

以上、全国の情報も取り混ぜてご紹介しましたが、高岡市に『素晴らしい地域活動』が芽生えることを願って、皆様のご協力をお願いいたしたいと思います。

このページについて、ご意見、ご感想などEメールをいただければ幸いです。

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