介護研ニュース  第12号   2004・4・7 発行 

編集・発行 ボランチ型在宅介護支援センター  発行責任者  二   上     浩

         『高岡発・介護問題研究会議』 URL http://www1.tcnet.ne.jp/kaigoken/

検索サイト「介護問題」のトップページは『高岡発・介護問題研究会議』です。

2004・4・1指定居宅介護支援事業所『高岡発・介護問題研究会議』を開設いたしました。
ホームページの名前をそのまま居宅介護支援事業所名として名乗らせていただきました。
在宅介護支援センターソーシャルワーカーとして数多くの「介護問題」(介護にかかわる、家族・親族の問題)に関わってきましたが、その経験を生かして「待つ福祉から、発見できる福祉」介護問題を発見することのできる地域福祉コミュニティー作りのお役に立つことが出来ればと思っています。
また、保健・医療・福祉の地域における連携のお手伝いや、専門職間のネットワーク作りにも努めたいと思います。

今年度の介護支援専門員実務研修は、介護保険給付の適正化に力をいれた素晴らしい研修でした。
今後、順次この内容で実務者研修が行われていくことになりますが、一日も早く介護保険法の目的「・・・その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け・・・」に近付きたいものだと思っています。

公正・公平・中立と並べて書かれることが多いですが、私は法に正しく・市民感情が内向しない・利用者に対する中立の立場と理解していますが、時として利用者本位や事業者本位になることも多いのではないでしょうか?

公正・公平・中立に関して、来年度の介護保険法改正に向けて、厚生労働省へ提出された提言・提案の中から二つのページをご紹介いたします。
一つは私が所属する独立・中立型介護支援専門員全国協議会が3月10日に提出した提言書のページです。
http://www2.nsknet.or.jp/~mcbr/ifncm-statement-2004030101.htm
長文ですので項目だけご紹介いたします。詳細はインターネットで直接ご確認下さい。

「真に公正中立な高齢者地域ケアマネジメントシステムの実現を目指して〜介護保険法改正提言〜」
                    独立・中立型介護支援専門員全国協議会
はじめに
1 手続面の改善について
 (1)政策決定手続への当事者参加の保障
 (2)ケアマネジメント報酬の積算根拠の明示
 (3)ケアマネジメント報酬の積算根拠の客観化作業
2 実体面の改善について
 (1)担当限度件数の適正化
 (2)ケアマネジメント報酬の適正化
 (3)減算事由の見直し
 (4)加算要件の新設
 (5)いわゆる「囲い込み」被害の実態調査の実施
 (6)第三者機関主義の段階的実施
3 関連事項に関する提言
 (1)緊急時限度単位数加算制度の創設
 (2)入院・入所者の居宅サービス利用制度の創設
 (3)介護保険制度そのものの費用対効果の第三者評価の実施
 (4)要介護・要支援認定調査の合理化・客観化
 (5)介護認定審査制度の合理化・客観化
 (6)電算情報の共通土台(プラットフォーム)構築
おわりに

もう一つは、東京都福祉局が4月5日に提出された提案です。
http://www.fukushi.metro.tokyo.jp/press_reles/2004/pr0405a.htm

「介護保険制度の見直しに向けた東京都からの提案」《概要》
序章: 制度見直しの基本的考え方(6つの視点)
 1)制度理念の継承と発展
 2)持続可能な制度の構築
 3)総合的な高齢者支援体制の整備
 4)制度の公平性と信頼性の確保
 5)誰もが安心して利用できる制度の確立
 6)保険者機能の強化と地域福祉の推進
第I章 東京都からの提案事項(7項目)
 1.ケアマネジメントの質の向上と公正・中立性の確保
 2.第三者評価による介護サービスの質の向上
 3.不正な事業者を排除するしくみの整備
 4・介護予防・リハビリテーションの普及促進
 5.地域で安心して暮らせる介護体制の整備
 6.在宅介護支援センター機能の重点化と体制整備
 7.保険料・利用料軽減措置の見直し
第II章 主要な論点に対する東京都の見解(5項目)
 1.被保険者の範囲拡大及び障害者福祉との統合について
 2.軽度者への予防サービスの義務づけと訪問介護等の利用制限について
 3.施設入所対象を重度者に限定することについて
 4.利用者負担の拡大について
  (1)利用者負担割合の引上げ
  (2)施設の住居費等の徴収
 5.グループホーム等への「住所地特例」の適用について

いずれも公正・公平なケアマネジメント・介護保険の運用を願っての提言ですが、東京都福祉局の提案の中に「在宅介護支援センター機能の重点化と体制整備」が含まれていました。

高岡市では、昨年度から在宅介護支援センターの地域活動が予算化されていますので、一歩先行していると言っても良いのではないでしょうか?

地域から在宅介護支援センターに協力のお願いをしていきたいと思います。



(地域向補足ページ)2004・5・2

二 在宅介護支援センターの本来の仕事と介護保険
 私のソーシャルワーカーとしての仕事は、在宅介護支援センター機能が、「地域活動を内包したケアマネジメント機関」との認識の上に立っています。
 その本来の仕事を、介護保険制度も考慮に入れて、整理してみたいと思います。(各サービス機関に、ケアマネジャーが配属されているものと想定します)

1 ケアマネジメント
比較的簡単なケース
 サービスを受給する事が目的のケースについては、ニーズの把握・アセスメントの上、中心となるサービス機関のケアマネジャーに、申し送りすればよいと考えます。
 この時に注意しなくてはいけない事は、所属法人のサービスにこだわる事なく、地域に複数のサービスが存在した場合、利用者にサービス機関の選択をして頂く事です。
 又、通所・訪問サービスで、サービス地域がエリア分けされている場合等、選択肢が無い場合には、所属法人のサービス機関に申し送りしたとしても、囲い込みには当たらないと考えます。(地域に選択出来るサービスが出来る事を望みます)

複数のサービスやフォーマル・インフォーマルサービスの組み合わせが必要なケース
 ひとり暮らしや老々介護、重度のケース等々、「生活の中での介護相談」が必要になってきます。
 介護保険以外の問題を解決したあと、ケースバイケースですが、中心となるサービス機関のケアマネジャーに申し送りする事が望ましいと考えます。
 又、ケースによっては、在宅介護支援センターで担当する必要も出て来ます。

 サービス機関に申し送った場合でも、定期的に、支援センターとしての見守りが必要になって来ますので、サービス機関との充分な連携が必要です。
 尚、在宅介護支援センターは、常時、医療・福祉(保健・福祉)の連携の基で運営されている機関です。

 支援センターで担当する場合は、所属のケアマネジャーが、介護保険給付管理する事になります。

「介護問題」等のケース
 『貴方の地域に、訴えも無く、ひっそりと社会から孤立して生活しておられる要支援者・要介護者がおいでになりませんか? その様な方々に、人の心を伝える為にあなたのお力をお貸し下さい。』
 HP『高岡発・介護問題研究会議』の書き出しの部分です。

 介護問題は、地域(町内)との連携から発見されます。私は、民生委員を町内の窓口にお願いしていました。
 町内の中では、向こう三軒両隣や隣保班の情報が民生委員(自治会役員)に集まるコミュニティーが必要です。そして、在宅介護支援センターとして、積極的に地域との連携を心がけて行く必要があります。

 ほとんどが困難なケースです。在宅介護支援センターの担当するケースです。
 関係機関との充分な連携が必要となってきます。
 介護保険給付管理は、支援センター所属ケアマネジャーが担当します。

2 ソーシャルワーカー(又は保健婦)の仕事
 「在宅介護支援センターが介護保険実施後も在宅介護支援センターである為に」の中で「地域の抱える介護ニーズを底辺で支える逆ピラミッド型の図式を常に頭に措いて仕事にあたっておりました。それでもなお、誰も知らない、表面化しないケースがある事を信じて、ニーズの発見に努めておりました。」と記述いたしました。
 福祉の現場は、ピラミッド型の結びつきから脱皮する必要があると考えます。

 「介護問題」を見逃さない為にも、在宅介護支援センターは、あらゆるネットワークの要の役割を果たす必要があると思います。
 そして、「要」の役割が、ソーシャルワーカーの仕事と考えています。

3 看護婦(又は介護福祉士)ケアマネジャーの仕事
 在宅介護支援センターは、業種の違う職員の組み合わせです。各々の専門的視点から、ケースを見た場合、「その様な見方もあるのか」と気付く事があります。業務の全てを、小さな連携で進めることが出来ます。

 又、地域では、介護(看護)に関して、お伝えして行かなければならない事が沢山あります。
 そして、専門分野での連携や、支援センター担当ケースの介護保険給付管理も加わります。
(仮説ここまで)

 以上、仮説に基づいてお話させて頂きました。 

ソーシャルワーカーとケアマネジャーの業務の違い
ソーシャルワーカーは、「対象者を発見する目的で」地域ネットワークを作る役割を持っています。ケアマネジメント実施者です。
 ケアマネジャーは、「対象者を中心に」地域の社会資源をネットワーク化します。ケアマネジメント実施者です。

 この「 」内の違いが、ソーシャルワーカーとケアマネジャーの違いと考えます。

 両者の協力のもと、「介護問題」が発見出来る、地域の有機的な結び付きを作り上げてゆく事が望まれます。

在宅介護支援センターが経営できるのか?
 介護保険下の在宅介護支援センター委託費に大きな変化があったと聞いております。
 果たして、現状の委託費で、上記仮説が実行できるのかは解かりませんが、その機能を充分に発揮できるように、改正が求められます。
 NO1介護保険法スタート時点での間違いはその想いを、厚生労働省にぶつけたものです。
 「介護問題」を発見できる地域の体制作りは、誰かが取り組まなければならない問題です。そして、最適の機関が、在宅介護支援センターだと考えます。

まとめ 「待つ福祉から、発見できる福祉へ。」
 在宅介護支援センターは、地域の福祉ネットワークの要です。
 又、独立あるいはNPO法人・民間支援事業所所属ケアマネジャーの中には、優秀な方が数多くおいでます。地域における、相談出来る社会資源として、お互いの立場での連携が必要だと思います。
 尚、「中心となるサービス機関のケアマネジャーが担当する事が望ましい」というのは、日々のサービスの中で、利用者の状況の変化が察知しやすいことが一番大きい理由です。

 公正取引委員会の調査結果にもありました「囲い込み」の問題を解決するのは、ソーシャルワーカー・ケアマネジャーの業務に取り組む「公正・中立」の姿勢ではないでしょうか。
 実現しなかった実践ですが、法人内で「支援センターや在宅サービスを独立した機関として、定期的にサービス調整会議等を持つ」提案をしたことがあります。
 セクト主義ではなく、「在宅介護支援センターが法人から独立」することが実現できるなら、社会のご理解も頂けるのではないかと考えます。


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