介護研ニュース

                  編集・発行『高岡発・介護問題研究会議』
             発行責任者     上    浩 
第1号2001・11・3 発行 URL  http://www1.tcnet.ne.jp/kaigoken/


ホームページ『高岡発・介護問題研究会議』は「長い人生の中で日が当る事無く、介護が必要になっても訴えもしない。公的福祉(保健・医療)サービスを勧めても排斥する。その様な方々に人の心を届けたい」との想いから設立いたしました。
 私には、特別養護老人ホーム「雨晴苑」生活指導員や「雨晴苑在宅介護支援センター」ソーシャルワーカー時代の数多くの体験があります。これらの体験の中から「介護問題」に限定してホームページの開設を決意したのは、「介護保険法施行後ケアマネジャーの皆様が過大な事務負担で役割を果たせていない」旨、報道された事がきっかけとなりました。
 ホームページ開設1ヶ月が経過いたしました。その中で、地元高岡の地域の皆様に、ぜひお伝えして行きたい事柄が数多くありますので、ニュースを発行することに致しました。各校下の社協会長・在宅介護支援センター・市高齢福祉課・市保健センター宛に郵送させていただきますが、コピー等どのような利用方法を採って戴いても結構です。
 今回は、在宅介護支援センターの役割をホームページからと、その考え方にご賛同頂いた、行政主催の研修会等の講師を務めるM氏のメール文章の要約をご紹介いたします。

介護保険がスタートした後の支援センターの在り方について、特にソーシャルワーカーの皆さんに原点に戻って、今一度考え直して頂きたい事があります。

在宅介護支援センターが介護保険実施後も在宅介護支援センターである為に

 在宅介護支援センターは言うまでもなく、行政からの委託事業です。ケア・マネジメントを実施する機関でありながら、介護支援専門員(ケア・マネジヤー)がケアプランを作成する様になると、その特徴が今一つボヤけてしまっているのではないでしょうか。又、単なる行政の調査機関や便利屋になってはいないでしょうか。私は次に述べる重要な役割を持っていると考えています。
 支援センターには地域を福祉目的を持って組織化するという重要な役割があります。私が台帳を町内(民生委員)単位に区分したのもその為です。地域の福祉事情を一番良く御存知なのは民生委員さんだと思います。又、町内会長や老人クラブの会長さん、福祉活動員さんでも良いのです。地域と支援センターのパイプ役になっていただける方々とのプライバシー以外の部分で情報交換が必要になってきます。
 地域には色々な方々が生活しておられます。福祉ニーズがありながら、ひっそりと生活しておられる一人暮らしや老人世帯の情報は、待っていても飛び込んではきません。待つ福祉から、発見する福祉へ。それが在宅介護支援センターの重要な役割の一つだと考えます。
 次に、各種サービス機関との連携を密にしながら、その持てる機能を最大限に引きだす必要があります。サービス機関に所属しておられる支援専門員の方は、自分の施設の分野については熱知しておられますが、果して他の分野の機能を充分に引き出す事が出来ているでしょうか。自分の施設関連のサービスで間に合わせてはいませんか?利用者に最も適したサービスを受けていただく為にも、地域におけるあらゆる社会資源をネットワーク化して、その情報源になる事も、支援センターとしての重要な役割であると考えます。そして、その社会資源の質・量共に限りなく増やしていく努力も重ねていかなければならないとも考えます。
 具体的には、民生委員からの老姉妹世帯の情報から、リウマチの妹に支援の手を差し伸べた事があります。同じく、老夫婦の夫が特養ホーム入所になった事が引き金になり、うつ病になった妻への支援もありました。又、病気の老親を子が病院から連れ出し、医療を受けさせない事件もありました。又、老夫婦で同様なケースもあり、妻の足には大きなアンカの火傷を作ってしまいました。又、夫が妻の重度アルツハイマー病を認めようとしなかった事もありました。これらはみんな地域の方々の情報でした。いずれも、ただサービス調整で解決する問題ではありません。その原因をいかに取り除くかという、ソーシャルワーカーの目と、医療・保健の角度からの適切な判断が必要でした。
 又、元気な重度痴呆症の方を入所対応出来る施設が県内には無くて、隣県の施設にお願いしたという残念な想いをした事もあります。これは、在宅介護支援センターが先頭に立って利用出来る社会資源を増やしていく上で、必ずぶつかる問題であり、解決に向けて努力していかなければならない問題ではないかと考えております。
 地域の抱える介護ニーズを底辺で支える逆ピラミッド型の図式を常に頭に措いて仕事にあたっておりました。それでもなお、誰も知らない、表面化しないケースがある事を信じて、ニーズの発見に努めておりました。

行政主催の介護支援専門員等研修の講師を務めるM氏より、ご意見と情報を頂きました。内容を要約しながら、まとめました。

在宅介護支援センターの役割等については同感です。研修会での大きなテーマ(最も伝えたい内容)として、介護保険を中心に考えるのではなく、「介護保険は社会資源のひとつ」と考えることを伝えています。また、介護保険制度自身もそういう風に創設されています。「介護は家族を中心に地域(コミュニティ)で支え、制度はそれを補う」という図式です。
 従って、介護保険制度と、一般財源による保健・医療・福祉サービス、そしてフォーマルサービスとインフォーマルサービス等、効果的な社会資源の活用が重要で、それこそが「マネジメント」であると思います。
 私が知っている国や都道府県、市区町村の介護保険担当の行政職員の方々は「先ず介護保険ありき」という考え方をやめて、地域全体で支援をすべきだと強く希望されているようです。又、現場の介護支援専門員や在宅介護支援センターの職員も、基本的には同じ思いのようですが、「やりたいけど時間が足りない」というのが現状だと思います。
 介護保険制度を中心とした制度全体の円滑な運営を図る為、社会福祉法の改正では、社会福祉協議会を地域福祉の中核としての役割と明確化、また、最近の国の通知等で在宅介護支援センター、特に基幹型在宅介護支援センターの指導の役割等を明確化して、急速にその体制作りが進んでいます。数十年前に方針決定された「日本型福祉国家」が、一気に現実化していると思います。
 そんな大きな話の中で保健・医療・福祉、そして市区町村等の地方自治体の「現場の方々」は、「日本型福祉国家」という、家族を中心にした地域社会での相互扶助の重要性を再認識し、「地域全体」「チームワーク」「ネットワーク」等をキーワードに活動を展開して行くのだろうと思います。

「研究会議」の開設が楽しみです。お互いの立場や視点で、「草の根」として共に頑張って行きましょう。と激励を頂きました。
地域がネットワーク化され、かすかな訴えが聞こえるようになって欲しいものです。

次回は、地域のネットワーク化の具体的方法と各機関の役割等について予定しております。

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