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即時抗告 

                                             名古屋高等裁判所金沢支部

        仮処分命令申立の却下決定に対する即時抗告状
   〒九三三       富山県高岡市中川上町九番二五号
                  抗告人(債権者)   二  上     浩 
   〒九三〇       富山市堀端町一番一二号 富山中央法律事務所
                  抗告人代理人
                      弁護士     青  島  明  生 
   〒九三三−〇一  富山県高岡市太田赤尾谷内五八番地
                 被抗告人(債務者)  社会福祉法人高岡会
                   右代表者理事    内  島 精 太 郎
 右当事者間の富山地方裁判所高岡支部平成八年(ヨ)第一九号賃金仮払仮処分申立事件について、同裁判所が平成八年五月七日した仮処分命令申立て却下決定に対し不服ですので即時抗告を致します。

         原 決 定 の 表 示
事件番号 平成八年(ヨ)第一九号賃金仮払仮処分申立事件
主  文  債権者の本件申立を却下する。

         抗 告 の 趣 旨
一 原決定を取り消す。
二 本件を富山地方裁判所高岡支部に差し戻す。
との裁判を求める。

         抗 告 の 理 由
 原決定には、次のとおり明らかな事実誤認があり、また、債権者主張事実につき疎明十分であるのに、これに対する債務者主張事実につき安易に立証があると認めて債権者の申立を却下した誤りがある。
 すなわち、原決定は四枚目、「第三 争点に対する判断、一項 処分理由」において、もっぱら債務者の役員または管理職の陳述、その作成した書類をもとに、債権者の非違行為、一九九五年五月の自発的退職申出とその後の経緯を認定している。
 (1) しかし、右書類の作成者は、例えば山崎健氏は、萩山教巌衆議院議員の元秘書であるし、その他の役員、管理職も昨年及びその四年前の高岡市議選の際、あげて萩山派の山沼候補を応援した者達であり、債権者主張の本件処分の原因である特定候補支持の先頭に立っていた者達で、対立の相手方であるから、その供述、または、その作成した陳述書もしくは文書の信用性については十分吟味が必要である。
  しかるに、原決在は、もっぱら、一九九一年九月七日付けの債権者作成の確約書の記載が債権者の供述と一致しないことを理由として債権者の供述を借用せず、債務者の役員、管理職の言い分を信用している。
  ところで、労使紛争の解決において、事実関係について当事者間の言い分が一致しない場合には、その言い分の食い違いはさて置いて、それなりの誓約書を作成して紛争を妥協的に解決することは往々にしてあることである。それは、労使紛争の解決に限らず、多くの紛争の解決においても通常見られる事態である。したがって、その誓約書の文面のみからそれが作成された際の事情を判断することは危険である。この点、甲二〇号証によれば、
  「二上浩が謝って治めるやり方は正しくないのではないかとの思いが強く、当時I氏に解決方法について異議を述べた記憶があります。I氏は裁判や地労委提訴の方法だと解決まで長時間を要し、本人が失業状態であり、その負担に耐えられない、本格的な争いは組めず謝罪の方法で今回は治まったのだからよいではないかと主張した」 とのことである。
 まさに、本件における実質においても、右誓約書は、紛争の解決のために妥協的に作成されたものであり、その存在から真実債権者に非違行為があったとは解されない。
 そして、何よりも、この五年間において、債務者から債権者に対する非違行為の具体的な指摘はないし、始末書一枚の提出も、職務命令の発令も一切ないことは、非違行為の存在を疑わしめるに十分である。
 (2) また、甲二〇号証及び二一号証によれば、債務者代表者内島氏の発言には明白な虚偽が含まれている。
 すなわち、内島氏の発言によれば、自分自身は非常に感情を害しているが、選挙のことを言うのは汚いことだから、我慢しているのであり、自分が言っているのではなく、よそから聞いたことであるとしながら、債権者が二上候補を応援することは理事長(自分自身) をないがしろにするひどいことであると主張している。
 ところで、この内島氏の発言では、I氏は債権者の兄の田中氏と、前回の解雇問題ではなく、今回の解雇問題について話し合ったとされている。しかし、田中氏が今回の解雇について知ったのは本年一月以降のことであり、内島氏の言うように昨年I氏とこの件で話し合うことはありえない。また、I氏自身も、昨年債権者の解雇について電話で話した際に、債権者解雇の理由として一切選挙の話はでていないと言っている (証人Iをもって立証する)。
 したがって、内島氏は、選挙のことについて、本件処分の理由について尋ねた債権者に対して、真実は誰も何も言っていないのに、債権者の行動を「普通でできることでない」 「理事長を踏み付けにしている」と非難したのである。右内島氏の発言から虚偽の部分を取り去れば、結局内島氏が債権者の二上候補の応援を (もちろん勤務時間外にである)強く嫌悪していたこと、それを本件処分の理由を尋ねてきた債権者に対して、会話の多くの時間を割いて話したということが残るのである。
 このことからすれば、本件処分の真の理由は、債務者の代表者及び役員、管理職が応援する以外の候補を債権者が応援したことであることが十分疎明されていると言える。
2 また、右に検討したとおり、債権者は、非違行為を行っておらず、したがって、一九九一年にも具体的な非違行為を改める意味での誓約書を作成していない以上、昨年五月頃債務者側からの退職勧奨に対して、退職を一二月まで待って欲しいと要請することは考えられない。債権者の主張のとおり、退職問題についての話し合いを待ってくれるよう要請したものと判断される。
 原決定の法律判断の誤り
 また、原決定は、債権者の非違行為の存在を認め、これに対する本件処分を適正として債権者の申立を却下している。しかし、この判断には次の法律判断の誤りがある。
 まず、仮に、一〇〇歩譲って債権者に非違行為があったとしても、本件処分は、期限の定めなく、債権者が退職するまで給与を支給しないという内容であり、労働者の生活基盤を奪うという意味で、解雇と同様に、債権者に重大な不利益を与えるものであるから、使用者である債務者に不当な動機、目的があれば、当該処分は処分権の濫用として違法となることは多くの判例が認めるところである。
 ところで、右に見たとおり、本件処分は、地方自治体議員選挙における候補者応援の自由という憲法一五条、二一条に保障された人権を行使することを嫌悪して行われたものであり、処分の不利益性から解雇の場合と同様に考えられるから、処分権の濫用として違法となる。
 しかるに、本件処分を有効とした原決定は、右の多くの判例に反する違法な判断を行っている。
2 また、本件処分の債権者に対する重大な不利益性からすれば、被解雇者の行状と解雇処分の不均衡に関する多くの判例にも反している。
 仮に、一〇〇歩譲って債権者に非違行為があったとしても、なんらの事前の注意処分なくして直ちに解雇と同様の本件処分が行われることは、右の点で違法と解される。
3 さらに、本件処分にいたる手続きについても、債務者は債権者を除く全職員に対しては、債権者の非違行為についての調査をしながら、債権者には一切弁解の機会を与えていない。
 原決定は、一九九一年の誓約書の存在からこの手続きを不要としているが、処分が債権者に与える不利益の重大性、前回の手続きから四年以上経過していること、その間一切債権者の言い分を開かず、注意も与えていないことを考えあわせると解雇手続きの相当性を欠くものと言える。
三 以上から、原決定が違法、不相当であることは明らかであるから、申立の趣旨記載の決定を求めるものである。

       一九九六年五月二一日

                            右抗告人代理人
                                 弁護士   青  島  明  生
名古屋高等裁判所金沢支部  御中


平成八年 (ラ) 第二七号                          −379−
                             抗告人(債権者)二   上     浩
                           被抗告人(債権者)社会福祉法人高岡会
    一九九六年五月二一日
                           右債権者訴訟代理人
                               弁護士  青   島   明   生

名古屋高等裁判所金沢支部  御中

       証 拠 申 出 書

 右当事者間の富山地方裁判所高岡支部平成八年(ヨ)第一九号賃金仮払仮処分申立事件に対する即時抗告事件において、次のとおり、人証の取調べを請求します。
一 人証の表示
   〒九三三 高岡市
      証人    I (呼出、三〇分)
二 尋問事項
  別紙のとおり
                                 以上

 (尋問事項)
 1 乙一三号証「確約書」作成の経過
 2 右の際の債権者の主張してた事項
 3 昨年債務者代表者と電話で話したこと
 4 その際市会議員選挙の事が話題になったか
 5 その他本件に関する一切の事項                      以上

甲第二〇号証                               −381− 
                陳  述  書
  一九九六年五月一三日
                                高岡市北島一、一八五番地
                                     田  中  良  治
                                  一九三六年五月二〇日生
富山地方裁判所高岡支部  御中

、 省略
 テープ反訳書(三) 〔甲第一五号証〕に関して、次のとおり陳述いたします。
、六七頁から六八頁にかけて、U労組I氏と私が、債権者二上浩の選挙運動についてやりとりしたようなことを、債務者代表理事内島精太郎氏が述べておられますが、昨年から今年にかけてそのような事実は一切ありません。
 私がこの事件を知ったのは今年の一月七日、正月に二上浩夫妻に会えなかったので、私の母から二人の孫へのお年玉を届けるため、二上浩宅を訪問したときでした。それなのに、昨年五月頃と推察されますが、I氏との会話として、内島氏が話されている様子であり、おどろいています。
、六八頁七行目に述べられている「田中さんもそれについてはなんかあいまいな返事・・・」云々についても全くそのような事実はありません。
 二上浩の件についてI氏に話をしたのは、前回の解雇事件の際、解決方依頼したときだけであり、今回については前述のとおりです。
四、前回の解雇事件の解決にT労組及びU労組に依頼をいたしましたが、私の気持とすれば、雨晴苑の堆す候補者以外の候補者(二上桂介氏のこと)を支援したとしての解雇であり、憲法違反であるとの認識であり、二上浩が謝って治めるやり方は正しくないのではないかとの思いが強く、当時I氏に解決方法について異議を述べた記憶があります。I氏は裁判や地労委提訴の方法だと解決まで長時間を要し、本人が失業状態でありその負担に耐えられない、本格的な争いは組めず、謝罪の方法で今回は治まったのだから、よいのではないか、と主張しましたので、今さらむし返しても仕方がないと止むなく認めたのでした。
、今回、双方の陳述を読んで思ったことですが、内島精太郎氏は、何のために浩の親がわりのような顔をして二上一家にかかわってきて、最後は一家を不幸のどん底に落しめたのかという、不信感です。
 内島精太郎氏は、二上浩の亡養父二上久雄氏の親友であり、久雄氏死亡後も何かと二上一家に関ってきた方であり、二上の方でも、中元や歳暮をおくって敬意を表してきた人だとの認識をもっていました。しかし、今回、浩が小学校以来の無二の親友である二上桂介君が市議会議員に立候補したために、その当選を目指し、支持・支援して運動したがため、それが内島氏の思いと違っていたとしても、それが大きな動機となって、生活の基盤まで失わせる行為に出るなどとは、思ってもみない出来事でした。
 誰を推そうとそれは二上浩の基本的人権であります。
 年配者、戦前の教育を受けた方だとしても、現憲法の下で五十年くらしてきた人です。わけても欠勤ではなく有給休暇を取得しての運動は、内島精太郎氏や雨晴苑の支配の及ばないところだと思うのです。
 陳述の中で二上浩の仕事ぶりをずいぶん悪しざまに述べ、また人間性まで否定するような言動をなさっておられますが、仕事上の不都合なら、業務命令ででも禁止できる筈ですし、その都度本人に注意されればよいことです。
 他の職員が一緒に仕事できないと言っておられるとかですが、何がそうさせているのか、真実を確かめる努力をされたのでしょうか。二上浩にたずねたのですが、一度も注意されたり、具体的な仕事上の変更の申し出は受けておらないとのことでした。
 こうゆう行為の上で、尚、内島氏や雨晴苑の注意をきかなかった、或いは命令に従わなかったというのであれば、二上浩がせめられても仕方がないでしょう。それもなしに、いきなり解雇という処分は、人間わざ、ではありません。
 考えられる事は唯一つ、選挙で内島精太郎氏や、周辺の人たちが望む候補者でない二上桂介を推したことが原因であり、憲法違反的な行為により、二上浩一家が塗炭の苦しみを味わされているのだということです。その証拠に、前回問題解決後、何の圧力もなく、仕事に生きがいを見い出だして働いていたのに、選挙が終ると、こじつけ的に浩の仕事ぶりを批判する手法で解雇問題が起こつてくるのは、選挙問題が尾を引いているとしか考えられません。
 それにしても、内島精太郎氏は二上一家に何のためにかかわってきたのか、浩の仕事や生活の方向に影響を与え、現在までに到ってきたのは、選挙で自分の思いを遂げるためにのみ、永年のかかわりをもってきたのか、それができないと、手の平を返すように、生活までおびやかすのか、私には理解できません。
 以上


甲二十一号証                                −385−
                  陳  述  書
 一九九六年五月十四日
                                 高岡市中川上町九番二五号
                                     二  上  花  子
                                    大正十一年三月五日生
富山地方裁判所高岡支部  御中

 私は二上浩の母親であり、亡夫の友人内島精太郎さんをよく知っております。
 内島精太郎さんの報告書(乙第二〇号証) に関して次のとおり陳述いたします。
 内島さんは、三二二頁十行目から浩の採用に関して述べておられますが、私は老人ホーム建設するとのお話は聞いておりましたが、昭和六十三年十二月にお歳暮を届けた時に (夫が亡くなってからもずっと、お中元・お歳暮の時期には訪問しておりました)報告書では 「浩が長距離の運転手をしているが、四十才も超えたので、荷物のあげおろしにくたびれて、仕事から帰ってくると横になってばかりいる、年相応の仕事がないでしょうか」 と私が依頼したように書いておられますが、そのような話は、私の方から一切いたしておりません。
 逆に、内島さんは浩が長距離の仕事をしていることを、知っておられて、内島さんの方から 「長距離と云う仕事はたいへんだ、ホームが建てば、送迎用の車も入るし、運転手も必要となるが、あんちゃんにどうか」 とのお話があり 「話してみます」とお答えしました。
 此の時点でお話は向ふからありましたが、私からは申しておりません。
 お話は内島さんの方から出たもので、私からは浩の就職のお願いをしておりません。 
                                                                                                               以上


甲第二二号証                                   −387−
           テープ反訳書補充書

   一九九六年五月二一日
                         抗告人代理人
                             弁護士  青   島   明   生
   
名古屋高等裁判所金沢支部  御中

 当職はテープ反訳書(三) のうち、六七頁から七〇頁の左記の部分について再度聴取したところ、傍線部が判明したのでテープ反訳書(三) を補充する。
(乙) 私の気持ちやぞ、まあ、選挙の問題でもねえ、あのこれ私言うたがでないがやぞ、Iさんが言うたったがやぞ、Iさんはね、あんたの兄さんちゃ田中さんやったけ
(甲) はい
(乙) あのぉ実は、そのぉ、田中君がねぇ、その話の中でちょっと聞いたがやけども、二上君が二上の事務所へちょっと行っとった。これはよそから聞いたがやぞよそから聞いたがやれども、本人に言うとらんがやけど、よそから聞いたがやれど、ちょっとなんかその、いやたいしょうここへ来とっがどんながや、というような事を言うてその、あっおっじゃ(弟の意味)そっち来とんがかい、あっおまえ雨晴苑ちゃお前、理事長内島のはずやが、あっ大将山沼(不明。一〜二言)萩山一本で一生懸命やっとんが(不明。三〜四秒間)山沼のがで一生懸命きちっと世話しとっがやが、そんな、だけど、よその宗派でないがか、ちゅうた言うがやちゃ、そしたらこう言うた。そしたら、そりやということで、田中さんに聞いたがか、どなたさんに聞いたがか知らんけれども、田中さんもそれにつけては、なんかあいまいな返事のしかたしとった。こんなことしとって良いがかなというような物の言い方をしとったったらしいがやちゃ、Iさんの言うんではね。それでまいっぺん田中君と相談しようと、相談でないがやちゃ、聞かんなん(「聞かなければならない」の意)思うとるがやけれども、どうなっとちゅうことは聞かんなんと思とっがやけれども、私はそれ聞いただけでね、なんちゅうひどい奴や、事実そういうとこへ行って、ちやんとおって、しやんとして事務所に世話しとりや、そりゃ理事長を踏み付けとることやちゃね。そういうわしらにこの前ものいこと(「大変なこと・困難なこと」の意)負わしてそして、中へ入らしてやっと収めさして、わし保証人に立って収めたがやがぁそんながにそういうことして理事長踏み付けとって、そんなひどいことしとっが、なんちゅうひどい奴ちゃと私は思うたとこう言うてやがやちゃIさんは
(甲) Iさんがね
(乙) Iさんが、なんちゅうひどい、普通のものでなん出来るもんでないがやと、そりや普通のもんじゃちょっとそんなことは出来ない。それこそそういうことをするちゅうことはよっぽどそっ、おまえ(不明)しうちでない。こういう言い方で私も、そりやねぇ、この前、こんだ始めてでない、この前もそれあったものだから非常に気持ち悪いけれど、どだけん(「どれだけ」の意)悪くてもねぇそれは選挙の事ですから、へたにそんなことを言うて、(不明三〜四秒)、なんかこつちがきたない様になるし、それは世話しとられると中には出てきまっそ、なんやら職員の中、職員の中にねぇ大臣の書く直筆に何やら字書いて押してくれいうて何か話しはったとかいうこともちょっと耳にはいったがでねぇ、ああまずいこと言うなと思っとったれどねぇ(聞き取り不能六〜七秒)、あんたそう言うてやから始めて言うがです。私はやっぱり非常に感情を害しとっがやけどもね。人からも人に対してもわしゃ恥ずかしいがやけども仕方ないそれは、私の不徳の致すところやろ思うて我慢しとっがですて。(不明一言。)わかりました、何にしても(不明四〜五秒)ます。こりや普通で出来ることじやない。理事長踏みつけとらんなん、こんなこと出来ることでないがやというようなことを言うとられました。だからそれはね、あんたどんな風に言うてもかまわんよ、だけど周囲の人からしてそういう風に受け取る。当たり前の事やわ。雨晴苑な言わんでも萩山さんが何してここまで (不明一〜二言)仕事やもんだから、私は全生命かけて福祉の為なら仕方ない、大臣に言われたものだから。

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平成八年 (ラ) 第二七号                          −391−
               準 備 書 面 
                                抗告人 二   上      浩
                               被抗告人 社会福祉法人高岡会
  一九九六年七月二〇日

                         右被抗告人代理人  松  波  淳  一

名古屋高等裁判所金沢支部  御中
                             記
、 抗告人は、本件休職処分が被抗告人の代表者である理事長の個人的な恣意に基づき行われたとしているが、全くの誤りである。
 被抗告人は法人であり、重要事項はすべて理事会にはかって決められるものであり、代表者が理事会の了解なしに行うことはない。
 従業員の処分も、解雇ないし休職という重大な処分であれば、理事会の議に付されることになっているのである。
、 平成三年九月の解雇通告の前に開かれた理事会においても、それまでの抗告人の協調性のない言動や反抗的言動が問題となり、解雇することと決まったものである。
 ところが、抗告人が依頼したK労組の組合幹部の方からの申入れと抗告人の陳謝文である「確約書」を入れるということで、抗告人を採用した理事長が情におぼれて解雇を撤回し、理事会に事後追認を求めたのである。
 従って、抗告人の言動はそれ以来常に事務局が理事会に報告する事項となった。
、 平成七年四月末の理事会において、平成三年九月以降に行われてきた抗告人の非協調的・反抗的言動の他、特に市からの抗告人の言動に対するクレームが加わってきたことから、理事長より 「前回私の一存で解雇を撤回したけれども抗告人の反省が不十分であって今回この様な事態をまねいたのは面目ないので抗告人に話をして退職させるように努める」旨の報告があり、全理事が承認した。
 その後、理事長から前回の解雇通告時に話合いに入ったI氏に連絡したところ、抗告人から年末に退職するから年内一杯待ってほしい旨の申し出があり、理事長もこれに同意して七月の理事会に報告し、全理事が承認をした。
四、 しかるに、同年一二月になっても抗告人から辞表が出ないので、事務長が問合わせると抗告人はやめないと言い出したために、一二月の理事会で抗告人の処分を決めてもらうこととし、一二月一四日付理事会の招待状の第一議題として 「職員の退職」 がとり上げられることになった。
 その際に、従来の経過からみて、退職しない場合には就業規則四五条四号該当として当然に解雇処分することを当初考えていたが、弁護士の意見も参考にして再検討し、理事会での提案を休職にすることに改めた。
、 一二月二一日の理事会において、第一議題について、事務長から抗告人が前回解雇された理由の要旨及びその後の抗告人の言動や市や他の施設からの苦情について説明し、且つ、解雇提案から休職提案に改められた理由と休職の内容等について説明を行った。
 その上、各理事から意見が出され討議された結果、抗告人に対して休職処分が相当である旨議決されたことは、当時の理事会の議事録及び事務長山崎健の証言から明白なところである。
六、 右の経過から明らかなとおり、被抗告人が抗告人に対し行った処分の理由は理事会に報告された抗告人の言動に対するものであり、理事会の議決に基づいた理事長の指示により施設長から抗告人に対し休職辞令が交付されたものである。
 抗告人は、前回の解雇や今回の休職は、理事長のおしている議員と異なる議員を支援したことが原因である旨主張しているが、ためする誤解以外の何物でもない。
七、抗告人は、本件処分に先立って審査や弁明の機会が与えられなかったというが、前述の如く理事会で討議されて定まったものであるばかりか、元々被抗告人の就業規則ではそのような定めはないのである。
 弁明についても、平成三年に解雇通知をうけていることや、その際に「確約書」を書いていることに加え、平成七年五月初め頃、理事長からの通告をうけて抗告人は年末での退職を申出たものであり、抗告人は何が原因で退職を求められたかを理解していない筈はないのである。
  蓋し、理事長からの通告の理由が抗告人の選挙のことであれば、今回の抗告人の争い方からみて素直に退職を申出る筈がないことは火をみるよりも明らかであり、当時年内に退職する旨申出たことは通告の内容が争いがたいものであったことを確実に推認させるのである。
  従って、休職辞令交付時に説明がなかったから、その理由が判らなかったと言うことは単なるいいがかりにすぎない。


乙第二一号証
   平成八年四月一二日  富山地方裁判所高岡支部    尋問記録
                   証   人   山  崎       健
        テープ反訳文   反 訳 者   酒  井 喜 成(担当者)
                                 (二四六頁参照)


乙第二二号証                               −396−
                     陳  述  書

、 私は、それ迄、県庁のあと身体障害者施設に勤務していましたが、平成五年四月に特別養護老人ホーム雨晴苑の施設長に着任し、前任者及び事務長から事務の引縦ぎと事務内容の説明をうけました。
  その際に、雨晴苑には二上君という職員がいて、理事長の知人の息子であることを鼻にかけ、他の職員と毎々に対立して職場できらわれている人物であり、平成三年にも一旦は解雇に決まりながら、組合の申入れに対して理事長が独断で解雇をとりやめた経過もあり、管理者側では手を焼いているということでした。
  それで、私も何と困ったことだと思い、事務長に対して私の在任中はなるべく二上君の話は聞かせないでくれと依頼した位です。
、 それでも私の近くで起きたことや、私に言いに来たことは、嫌でも見聞きせざるを得ません。その主なもののいくつかをあげるならば、私の困惑もご了解いただけるものと思います。
(1) 当苑の嘱託医である稲尾医師との言い争いがしばしばあり、それは二上君が稲尾さんは、この施設で医療行為を行い診察の結果薬をのませたり施設の看護婦に点滴を指示したりして診療報酬を得ているのはおかしい」と文句をつけたことが発端です。稲尾医師は「近くに往診をし、薬を出し、点滴もしているのと同じである。私の医療行為に口だしするな」と抗議をされるのです。一度や二度ではなく、二上君が稲尾医師に文句をつけることで、同医師が立腹し反論することで常に反目して言い争いが絶えませんでした。
  この様なことでは、同医師が嘱託医を拒否されることでもあると大変困りますので、二上君を支援センターに配置換えした理由の一因にもなっているのです。
(2) 平素、事務室で晴友会(親睦会の運営について、二上君は「慶弔事項や慰安旅行だけの会で何ら建設的なことは何もなく下らない会だ」と批判ばかりしており、たまたま月千円の値上げをしたところ、それを引き金として平成五年秋に「この会を脱退したい」と言って来ました。
  本来なら説得して脱退を止めるのですが、こんな非協力的で同僚としての親睦を考えようとしない人物はむしろいない方が親睦の実が上がるだろうと思い脱会を承諾しました。
(3) 同僚へのいじめも度を越しており、朝礼の際の言い違いに対する誹謗、健康診断の際の場所や順序が違っている等言ってあたりちらす等、私の目にしたものはこの程度ですが、その他に事務長から理事会のたびに各理事からの質問に応じて、二上君の言動を報告するのを聞いていましたから、大体のことは聞いていましたが、裁判になってから、職員に書いてもらったところ八○項目の苦情があり、その内容を読むとイベントの準備のとき各種委員会での専横、寮母への叱責等など理事会へも伝えられなかったことが相当あったことが分かりました。
  その中で私が体験したのは平成七年三月三一日朝に、N君が「とても二上とは一緒にやってはいけないから私は辞める」と言って来たことがあり説明して我慢してもらった。私はこのときから二上君への苦情を聞くだけではなくて二上君を何かしなければならないと考えるようになりました。
  二上君は翌朝にN君が出勤しているのをみて、「やめたと思っていたのにやめてないね」と言ったことから、N君が二上君から 「おまえなんかやめてしまえ」といわれたために 「辞める」 と言ってきたことが判りました。
(4) そこで理事会にはかって二上君の処遇を決めてもらわねばならないと決断しました。その直後頃に、二上君が私を無能よばわりしていることを職員から聞き本人は解雇されてもという覚悟のうえで公言しているとしても、そのことが他の施設(H苑)や当苑の職員への悪影響にも対応する必要があると考えました。
   又、前後して市の担当者から事務長に対し二上君の言動に関し再三クレームが来ていることも知りました。
(5) 平成七年四月二四日の理事会が富士観ホテルで開かれましたが、当日の主たる議題は、森川理事の退任と古川理事の死去に伴い後任に榊原、大村両理事を選任することでした。
  主たる議題が終ってから、私は「二上君について業務中の言動に多々問題が生じており困っています。以前より職員間のトラブルは数々発生しており、内島、Nの二人が特にいじめをうけており辞めたいと言って来ています。市からも何とか処遇を決めていただかないと思う状態で困っております」と話した。
  一部の理事から「前に解雇を決めたのにやめたからこんなことになるのだ」という発言や「もうやめさせるしかないのでは」という発言があり、これを受けて理事長は「私の縁者で申し訳ありません、至急処置をいたしますと言われ、他の理事も了解されました。
(6) その後、理事長から説明をうけたことによれば、いろいろ考えた末、五月一一日に理事長が組合のI氏に話をしたところ、少したってから二上君が理事長宅へ来て、一二月末に退職するので解雇は待ってほしいと言って来たということでした。
 その後、いろんな方面から伝わって来る話では、二上君は有力者に頼み込み次の就職先をお願いしているとか、私は辞めるのだと人に言っているとかという話を聞いていましたので、一二月に辞めることは間違いないと判断し、一二月に入って後任の人選に入り一二月一三日に後任職員に内示しました。
  ところが一二月一四日二上君は事務長に「辞めない。退職願いは出さない。解雇なら受ける」と言い出したと聞いてびっくりしました。
(7) 丁度、一二月一四日には、同月二一日に行われる忘年会が主体の理事会の開催通知を出すことにしていましたので、大急ぎで理事長に連絡し、二上君の退職とりやめ申出問題を議題にすることにして、一号議案として「職員の退職について」とする書類をつくり発送いたしましたが、この時点ではこれまでの理事会の雰囲気からして解雇しかないだろうと考えていました。
  一両日して、何名もの理事の方から電話があり、解雇しかないと思うから、これまでの二上君の言動を整理して、就業規則での解雇理由もしらべて、当日報告すること、更に二上君は裁判をする可能性があるから処分について弁護士の意見を聞いてそれも当日報告するよう注意をうけました。
  私はその頃は解雇する根拠としては就業規則の四五条四号を考えていました。
(8) 私と事務長は理事から要求のあったことを大急ぎで用意して、それを持参して松波弁護士のところへ行きました。同弁護士は理事の何名かが推薦した人で、私は面識はありませんでした。私達は、二上君の言動をメモした書面や同君の履歴書などを見せて説明し、就業規則も見せて相談しました。同弁護士は、一両日検討させてほしいということなので依頼して帰りました。
  次の日に連絡があり私と事務長とで出かけましたところ、同弁護士は「二上君の非協調的、反抗的言動は職務の適格性を欠いており、又、市との職務上の信頼関係を傷つけて排除を要請されており、転勤させる職場もないことであれば、普通解雇はやむを得ない処置であり、苑の就業規則四五条四号に該当すると言える。但し、前回の解雇時のことを考えると二上君は解雇権の濫用といって裁判をおこす可能性があり裁判は双方にとって好ましくない。
  それに二上君は相当の年齢で、解雇されたということでは再就職にも影響することは明白である。
  しかも、二上君は一旦はやめると言っていたのであるから、ここは同君が傷つかないように三九条三号で休職扱いにして辞令を出したらどうか。本人も考えるだろう」 という説明でしたので、帰って理事長に報告し、理事会では休職とする案で、提案することに内定したのです。
(9) 一二月二一日の理事会は富士観ホテルで開かれました。
  議案としては、第一から第四までありましたが、第一から第三までは何の質疑も特になく即決でパスしました。問題の二上君の件については、事務長から前回の解雇を撤回に至るまでの経過の要旨とそれ以降の二上君の言動及び同年六月に二上君がやめると言った以降の言動が休職理由に当たることを説明し、弁護士の意見も報告しました。
  その上で、理事長から各理事の意見を求められましたが、同日の議事録に出ている発言は、代表的なものの一部で全員から解雇もやむを得ないと思っていたが、休職というのであれば、それで禍根の残らないようにしてほしいということで全員一致で休職と確定しました。
(10) そのあと、理事長は私と事務長に対し「二上君が休職理由をききにきても、本人は十分判っているのだから言う必要がない。どうしてもと言うなら私のところへ聞きに来い」と言われました。
 その後、二上君が私や事務長のところに尋ねて来ましたが、理事長の指示どおりにしました。
 あとで、理事長から話をききましたが、二上君は何度も理事長宅へ来て「休職理由は、理事長の堆す人と違う市会議員を(二上君が)推していたことだろう」と、しつこくカマをかけたということですが、そのような理由でないことは、誰よりも本人が知っていることですし、理事会での休職理由も選挙に関係ないことは議事録からも明白なことです。

    平成八年七月二十六日
                            特別養護老人ホーム雨晴苑
                            施設長  酒 井 喜 成 


乙二十三号証  就業規則ハンドブック・産業労働調査所編経営書院  抜粋
         第3節  休職及び復職
(休職事由)
第57条 社員が、つぎの各号の一に該当するときは、休職を命ずる。
 (1) 自己の都合によりやむをえず欠勤するとき。(私事休職)
 (2) 公職に就任し、業務と両立しないと会社が認めたとき。(公職休職)
 (3) 業務外の傷病により欠勤したとき、又は傷病により勤務に適しないと認めたとき。(一般傷病休職)
 (4) 第55条の定めにより、社外の業務に従事するとき。(出向休職)
 (5) 前各号の他それに準ずる理由があるとき。
 (5)のその他の休職とは、労務の提供が客観的にできない場合あるいは勤務させることが適当でないと認められる場合で、解雇することが適切でない、あるいは、解雇を猶予する場合に休職を命じるものである。組合専従休職、起訴休職、懲戒休職などがこれに該当する。

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平成八年(ラ)第二七号                             −405−
                             抗 告 人   二  上     浩
                             被抗告人   社会福祉法人高岡会
    一九九六年八月九日
                             抗告人訴訟代理人
                                弁護士   青  島  明  生  
名古屋高等裁判所 金沢支部 御中 

                 主  張  書  面

 抗告人は、被抗告人の一九九六年七月二〇日付け準備書面に左記のとおり認否及び反論する。
               記
第一 被抗告人の主張に対する認否及び反論
  第一項については争う。
 抗告人は、本件処分が全く理事長の個人的恣意に基づき行われたと限定して主張してはいない。
 抗告理由でも主張したとおり、被抗告人は、代表者以外でも、事務長は国会議員の萩山教巌氏の元秘書であり、その他の役員も萩山派であって、施設内において特定候補の支援活動が行なわれているような状況にあったのであり、市議会議員選挙においては、抗告人は幹部全体の意向に反しており、好ましからず思われていたことが実情である。
 なお抗告人に対する本件処分が理事会の総意であったかは疑問である。本件処分後の理事長の抗告人に対する説明では理事会での議論の内容はほとんど語られず、理事長個人の感じたことが主に語られている。(甲一五号六二〜六五頁)
  第二項は不知。
 ただし、第二段の、理事長が情におぼれて云々は、第一項の被抗告人が法人で理事長の恣意では運営されていない旨の主張と矛盾する。
  第三項について
 1 第一段は否認する。
 なお、内島理事長は、抗告人に対しては、理事会が丁度他の問題があって、開きたかったけれど開けず、延ばしてもダメだということで、施設長と事務長と鷲北と理事長で話し、そのあと一か月余り経った歓送迎会の席で話をしたと説明している。(甲一五号証六三〜六四頁)
 2 第二段のうち、抗告人が年末に退職する旨話したことは否認し、その余は不知。
 抗告人は、退職の話しをすることを年末まで待ってほしいと言ったに過ぎない。
  第四項について
 抗告人が辞表を出さなかったことは認め、抗告人が辞めないと言い出したことは否認しその余は不知。
 抗告人は以前辞めるとは言っていないので、このときに言い出したわけではない。
  第五項について
 不知。
 但し、内島理事長の抗告人に対する説明の経過から、一二月の理事会の状況に関する被抗告人の主張は真実ではないと思われる。
  第六項について
 抗告人が本件処分の理由を議員の応援の問題と主張していることは認め、その余は否認ないし争う。
  第七項について
 1 第一段のうち、抗告人の主張及び就業規則に弁明の機会を認める条項がないことは認め、その余は不知。
 2 第二段のうち、一九九一年の解雇通知、確約書の作成、一九九五年五月初め頃の理事長からの通告は認め、その余は否認する。
 抗告人は年末の退職を一切言っていない。また、本件処分の理由となる事実について一切本件処分前に被抗告人からは告げられたり指摘されたりなどしていない。
 3 第三項は争う。
 抗告人は年末の退職を受け入れていないから前提が誤っている。
 このことは、本件処分後、抗告人が施設長の酒井氏に本件処分の理由を尋ねた際に、再三その旨主張していることから明らかである。(甲一三号証二二頁以下)
 また、被抗告人は抗告人が解雇等の処分をうけた場合には裁判等の手続きをとることを事前に予想して弁護士と相談するなど十分対策をとっているが (乙二二号証四〇〇頁〜)本件処分が、真実、何人も争いがたいものであり、しかも、半年前に退職する旨抗告人が表明していたのであれば、この様な準備、手続きを行なうことは不可解であるから、右事情は、真実の処分理由が本来法的に認められない可能性があることを承知しながらの処分であったことを、確実に」推認させる。
 4 第四段は争う。

第二 抗告人の主張
 被抗告人の主張が真実を捩じ曲げ、事実を歪曲するものであることは、次のとおり今回提出された乙二二号証からも見て取ることができる。
 非違行為の指摘について
 同号証では抗告人の非違行為について、嫌でも見聞きせざるを得ないとして、具体的指摘が多数ある。
 しかし、本件処分後抗告人が酒井氏に対して本件処分の理由を尋ねた際には、抗告人の方に思い当るところがあるだろうとの指摘や、具体的な第三者からの苦情の指摘などは一切行なわれず、かえって 「うわさで聞いたよ」と述べている。 (甲一三号証二四頁)
 また、このような抗告人に非違行為が真実はなかったことは、抗告人の同僚のK・H看護婦が、
 「なんでながいね。なんわからんがいね。わしも聞いたが、なんでや言うて。知らん言うたもん。なんでけ言うて、それを私も聞きたかったがや。なんでやめはったが言うて」(甲一三号証三一頁)
 「甲 事務長も。
 乙 去年の暮頃け、そやけどほんまは何け言うて聞いたが、そしたらなんわからん、わからん者に聞いたってしかたないね言うて。だから00理事長しかないがかなと思っとった」 (同三二頁)
と話していることからも裏付けられる。
 また、被抗告人らの主張する抗告人の非違行為が真実存し、しかも、その主張する程度であれば、全ての職員がそのことを熟知していたはずであるが、右発言からは、真実は到底被抗告人の主張するような状況ではなかったことがわかる。
 二 一九九五年五月に年末の退職を表明していたことの認識
 また、本陳述書では、抗告人が一九九五年五月に年末の退職を表明していたことを理事長から聞いて知っていたとしているが、本件処分直後抗告人が酒井氏に対して本件処分の理由を尋ねた際には、「何があったか知らないけれど」と話している。 (甲一三号証二三頁)
  虚偽事実の陳述
 酒井氏は、(四〇三頁)理事長から聞いたところとして、抗告人が何度も理事長宅へ来て休職理由は理事長の推す人と違う市会議員を堆していたことだろうとしつこくカマをかけたとしている。
 しかし、甲一五及び同二二から明らかなように、休職処分の理由を尋ねに来た抗告人に対して、内島理事長は自ら積極的に選挙に関することを話題に出し嫌悪感をあらわにしており、カマをかける必要はなかったし、このように最初の訪問で明らかにされている以上、抗告人は何度も訪れてしつこくカマをかける必要性は全くなかった。
 したがって、この酒井氏の陳述書は虚偽であるか、または、内島理事長が酒井氏に対して虚偽の事実を語ったかいずれかであるが、前者であれば被抗告人職員は虚偽の事実を陳述しても抗告人に対する処分を有効にしようとしている姿勢を有するものであり、後者であれば酒井氏の陳述は真実に反し価値はない。
                                              以上


【お詫び】
 平成一一年九月、「社会保障と人権連絡会議inとやま」ホームページ管理者のT氏の紹介でY新聞社富山支局のS記者から「介護保険法の特集」 に関して取材を受けました。同ページに、私が平成一〇年二月に配布した文書が紹介されていたためで「介護保険スタートに向けて不採算部門を切り捨てる旨の内容」榊原理事長の回答書が記者の目に止まったそうです。その取材時に、抗告時の全記録をお貸ししましたが今だに戻ってきません。又、特集も中途半端で終わってしまいました。
 負けた裁判の記録(弁護士・関係者との連絡記録、審尋内容、関係機関との通信等)かも知れませんが、私にとっては大切なものです。そして、この先は日記メモを頼りに私記を綴るしか方法がないことを皆様にお詫び申し上げます。


審 尋           平成八年八月九日 一五時 於名古屋高裁金沢支部
                                  出席者 松波弁護士
                                        青島弁護士 二上
 問題点要旨
裁判官・他に懲戒規程があるのに休職を適用されたことに対して、裁判所は興味をもって見ている。又、休職をこのままにしておかれたらどうなるのですか。
松 波・高岡会としても、このままにしておくつもりはない。

 裁判官及び青島弁護士より現在の状況をわかりやすく説明を受け、個別に裁判官の和解勧告を受ける。

裁判所案・現在までの給与及び差額と双方に傷のつかない和解文書を取り交わす。(賞与分までは言えない)
債権者案・今月末までの給与及び差額と賞与分は頂きたい。又、双方が傷つかない文書を作ることができるか疑問。
債務者案・以前に示した三か月分。持ち帰って相談してみるが、バナナの叩き売りじゃあるまいし、通常は言い分の半分のものだ。(後日、債務者側から五カ月分の提示があったが、裁判所の和解案にも達していなかったことから、和解は成立しなかった。)
 最終提出予定の準備書面に対して八月末日までに反論いただき、その後決定を書くということで、審尋を終了しました。

      ◇     ◇     ◇     ◇     ◇

 金沢駅まで青島弁護士を送ったとき、弁護士は 「松波さんは本来労働者の味方だが、今回のような裁判は初めてではないだろうか。辛い思いをしておられるだろうなぁ」 と本音を吐かれた。私自身、最初から松波弁護士に依頼するつもりでいた事もあり、又、松波氏の紹介で青島弁護士に弁護していただいているのであるから、お互いに複雑な気持ちにはかわりはないのであろうが、何とも狭い社会のつながりでしかなかったのでしょうか。
 後日、北日本新聞のコラム欄で松波弁護士が、新規の相談には応じない旨の貼り紙を出しておられる事を知りました。そして最近事務所を閉められ、電話帳から自宅の電話番号も消えました。何か大変なことがあったのではないでしょうか。


 平成八年(ラ)第二七号                             −415−
                  準 備 書 面
                              抗告人   二   上     浩
                              非抗告人  高    岡    会
     一九九六年八月一〇日
                          右相手方代理人 松   波   淳   一

名古屋高等裁判所 金沢支部 御中
         記
、 相手方の「就業規則」(一二〇頁)第七章休職の項の「休職の事由」 (第三九条)では「(1)の心身の故障のため長期休養を要するとき、(2) 刑事事件に関し訴訟(起訴の意)されたとき、(3) その他特別の事情があると認められたとき」「休職とする」と定められている。
   一般的に休職の内容は多種多様であるが、大別すると「(1) 私傷病による長期欠勤の場合(傷病休職)、(2) 労働外の事故による長期欠勤の場合(事故休職)、(3) 刑事事件に関して起訴された場合(起訴休職)、(4) 労働者の希望による海外留学や海外登山などの場合(私事休職ないし依願休職)、(5) 労働基準法七条による公務を行う場合(公務休職)、(6) 組合の専従者になる場合(専従休職)(7) 懲戒処分ないし解雇処分がされるまでの暫定処置の場合(懲戒休職又は解雇休職)(8) 他社への出向等の場合(出向休職)、(9) 事業所の閉鎖などの場合(業務休職)、(10)業務命令による留学などの場合(留学休職)などがある。
   従って、相手方の就業規則の(1)は、一般的な場合の、(1)の傷病休職と(2)の事故休職を、同じく(2)は一般的な場合の(3)に該当するから、相手方の就業規則の「(3)その他特別の事情があると認められたときは」には、一般的な場合の(4)ないし(10)を含みうると言える。
   本件の休職は、相手方の 「就業規則」 三九条三号「その他特別の事情があると認められたとき」 とは、前述の一般的な休職分類の(7)の部類に属するものであることは、原審以来相手方が主張してきたところである。

、ところで、相手方の 「就業規則」 は、 「休職の期間」 について、四〇条一項三号で前条第三号の場合。「その必要期間」 と定め、且つ同法四項で「休職期間中の給与は支給しない」 と定めている。
   そこで、その 「必要期間」 とは何かが問題となるが、その必要期間は、前述の休職の内容・性格に応じてそれぞれ異なることは言う迄もない。事情によっては(たとえば休職期間を定めても、その期間満了までに休職の事由となった原因が消滅しないことが予め確実に予測されるなどの事情がある場合など)期限の定めをしない場合や出来ない場合もありうる。
   一般的に言って、休職の終了原因としては、休職期間の満了(本件「就業規則」に定めはないが条理上当然であろう) と休職期間満了前における休職事由の消滅(四一条) であるが、四一条は休職期間に定めがある場合の規定であって、如何なる場合も 「休職期間が満了」 することを要求するものではない。
   なぜならば、一般に休職事由なり休職期間が満了すれば、四二条三号の場合を除き復職することになるが、前述の休職事由(7)の解雇猶予型の解雇休職の場合は、復職を前提としないためこれと異なりうることは当然である。
   解雇猶予型の休職は、更に、分類すると(1)解雇事由の存在をうたがわせるに足る事情があるため、解雇事由の当否を調査・確定するために行う休職、(2)解雇事由があり、解雇することが相当ではあるが、本人の自発的退職等が期待しうる場合に解雇を留保して行う休職等が考えられるが、後者の場合には予め期限を定めることは困難である。本件においては、右の後者に該当すると判断したことから抗告人に対し予め期間を示さなかったのである。
   然しながら、この場合であっても相当期間(40条1項1号とのバランスから半年から1年の間と考えている)経過後までに退職の申し出がない場合は、やむを得ず留保していた解雇にふみきることにならざるを得ないであろう。
   従って、相手方においても、無期限に休職として放置する意思はなく、抗告人が本年一〇月末までに自発的退職申出をしない場合は、休職処分による留保を打切り、解雇をする方針であり、近日中にこの旨を相手方に通告することにしている。


乙二四号証           通  告  書                  −419−

 当会は、昨年一二月二九日付けで貴殿に対し、休職の辞令を出したが、その理由は、これまで裁判で述べてきた貴殿の言動に基づくもので、当然に就業規則四五条四号五号により解雇処分にすべきところ、事前に退職の申し出があったことや、貴殿の再就職にさしつかえることなどを考慮し、解雇処分を留保して、とりあえず規則三九条三号で休職とし、貴殿の自発的退職を待つことにしたものです。
 然しながら、その時から相当の期間も経過したにも拘らず申出がないことから、当会としてもいつ迄もこの問題を留保のままにしておけませんので、本年10月末までに申出のない場合はやむを得ず休職を打ち切って解雇をする方針ですので、この旨通知いたします。
      平成八年八月一二日
                          富山県高岡市太田赤尾谷内五八
                            社会福祉法人   高   岡   会
                             理事長    内  島  精 太 郎
高岡市中川上町九番二五号 
       二   上     浩 殿 


平成八年(ラ) 第二七号                           −420−
                             抗 告 人  二   上     浩
                             被抗告人  社会福祉法人 高岡会
  一九九六年八月三○日
                             抗告人訴訟代理人
                                弁護士  青  島  明  生

名古屋高等裁判所 金沢支部  御中

               主  張  書  面

 抗告人は、次のとおり、被抗告人の一九九六年八月一〇日付け準備書面に左記のとおり認否及び反論する。
                 記
第一 被抗告人の主張に対する認否及び反論
 第一項は概ね認める。
  但し、結論に異論はないが、就業規則の (1)と(2)が、一般的な場合の(1)及び(2)と(3)とに、それぞれ該当するから、被抗告人の就業規則の(3)が一般的な場合の(4)ないし(10)を含みうるとする被抗告人の主張は論理的ではない。単に被抗告人の就業規則の(3)の文言の解釈として一般的な場合の(4)ないし(10)を含みうると言えば足りるものと思われる。

 第二項について
 1 第一段から第四段は概ね認める。
 2 第五段のうち、解雇猶予型の休職の分類は認め自発的退職が期待し得る場合の解雇留保休職の場合に予め期限を定めることが困難なことは否認し、本件の場合に被抗告人がどのように判断したかは不知。
  自発的退職が期待し得る場合の解雇留保休職の場合にも、相当期間が観念し得る以上、被処分者の地位の安定のためには予め期限を定めることが必要であると解される。
 3 第六段は、右のとおり、予め期限を定めることが必要であると解されるから、争う。
 4 第七段は不知。
   なお、その後本年八月一二日付けで、抗告人は被抗告人より、本年一〇月末まで退職の申出がない場合には休職を打切り解雇する旨の通知を受けた。

第二 抗告人の主張
  被抗告人の主張は、解雇を前提とする本件のような休職処分が就業規則上許されるというものである。しかし、解雇を前提として許されるというのであれば、そもそも解雇自体が認められない場合には、当然解雇を前提とする本件処分は有効とは認められないものと解される。
  抗告人は、これまで本件処分を実質的には解雇と同様の効果を有するとして本件処分にも解雇に関する判例法理の適用があると主張してきた。
  また、本件においては、そもそも、被抗告人が処分の理由と主張する事実がそもそも存在せず被抗告人のでっち上げであり、また、仮に抗告人になんらかの不都合が存在してもそれは本件処分のごとく重要な処分の理由とするには足りず処分は不相当であり、かつ、本件処分の際には条理上求められる手続きが取られていないから本件処分の効力は認められないと主張してきた。
  ところで、右本件処分の無効の主張は、本件においては、抗告人に対する解雇自体が認められないと主張するのと同一である。すなわち、無効であるとする処分が解雇処分であるか、休職処分であるかが異なるだけで、要件事実は同一である。
  そして、これまでの立証活動において抗告人に対する本件処分の効力が認められるべきでないことは十分疎明されていると思慮されるので、本件処分が認められないのと同様の理由から抗告人に対する解雇処分は許されないと解される。そうであれば、解雇を前提とする本件処分の有効性もまた当然認められないものである。
                                                   以上


解雇通告を戴いて

 審尋での裁判所の指摘が直ぐにこの通告書に現われてきました。前回の解雇辞令・今回の休職辞令、いずれも理由の書いてない処分辞令でした。しかし、懲戒ではありません。この点については、裁判所の興味の的だったのでしょう。
 青島弁護士と連絡を取り、このまま様子を見ることにしました。また、その間に裁判所から決定が出るかもしれないとの思いもありました。
 そして一〇月末日をむかえ、高岡会から解雇辞令・退職金関係請求書類・失業保険関係書類等が送られてきました。また、社会保険も打切られたので、社会保険事務所へは事情を話して、現在の勤務先で社会保険の手続きをしてもらいました。
 又この頃、退職金共済に関して、医療事業団と県社会福祉課(実際は県社会福祉協議会扱い) へ、具体的に内容を記した文書で、裁判中の報告と、問題解決まで何年かかるかわからないので、請求権五年で打切られても困るので、台帳に状況メモをお願いしました。後日電話をいただき、内容について詳しく教えていただきました。

 乙二六〜二七号証が見当りません。青島弁護士も最後の方の証拠書類番号が良くわからなくなったと言っていましたので、多分その中にあったのでしょう。『解雇にしたので、休職中の賃金仮払を求めた申し立ての効力は無くなった』旨の書類を一一月初旬頃に受け取った記憶があります。
 地裁申し立て却下の時、本訴の意向を打診されていましたが(三四四頁)今回は申し立ての効力が無くなったとの言い分ですので、『本訴の必要があるのなら、本訴したい』と弁護士に相談しましたが、このまま様子を見ようということになりました。

一二月初旬、「裁判所からもう一回審尋を開く必要がある」と連格があったとの連絡を受けました。
 後日、十二月二十五日に審尋日が決まったとの連絡を受け、当日までに現在の生活状況を陳述書にまとめる事にしました。
 尚、今日まで、休職中の社会保険等の自己負担金(八七頁)の再請求は受けておりませんので支払っておりません。勝手に立て替えられたのか、給与として支払われたのかも明確にはなっておりません。


平成八年(ラ)第二十七号事件                           −426−
                 準 備 書 面
                           抗 告 人     二    上     浩   
                           被抗告人     社会福祉法人 高岡会
       一九九六年一二月一二日
                       右被抗告人代理人   松   波   淳   一
名古屋高等裁判所 金沢支部 御中
                   記

、本件解雇理由は、被抗告人の就業規則第四五条一項(2)号及び(4)号の「協調性に乏しく、業務の遂行及び職場秩序の維持に著しく支障を来すと認められたとき」及び 「当該業務に必要な適性を欠き、いかなる業務も不適当と認めたとき」 にそれぞれ該当する。

二、右要件に該当する事実は、原審での被抗告人の本年三月二日付準備書面・同三月二一日付準備書面(二)・同三月二二日付準備書面(三)及び当審での七月二〇日付準備書面等に詳述したとおりであるので、これを援用し、再説しない。

三、抗告人は、本件休職処分解雇処分は選挙に関する不当処分であり且つ被抗告人の述べている処分理由はでっちあげである旨主張しているが、すべて独自の見解であり否認する。
 又、本件処分が処分理由と均衡がとれないとの主張は争う。本件処分に伴う手続きが欠けていることはない。

、ちなみに、本件解雇により抗告人に対して支払われる手続きが行われた退職金(中小企業退職金共済制度によるもの)及び県共済支給の額は次のとおりである。
 (1) 中小企業退職金共済事業団から  金一、四四0、000円
 (2) 県共済から                金   八五、〇五〇円


平成八年(ラ)第二七号事件                           −428−
            準  備  書  面
                            抗 告 人  二    上      浩
                            非抗告人   社会福祉法人高岡会
    一九九六年一二月二五日
                       右被抗人代理人   松  波  淳  一
名古屋高等裁判所 金沢支部 御中
             記

一、本件解雇は、被抗告人の旧就業規則(平成五年一〇月一日より施行。甲六号証)第四五条四号「当該業務に必要な適性を欠き、いかなる業務も不適当と認めたとき」及び同五号「勤務成績が著しく不良なとき」 (一二四頁) に該当する。
 又、新就業規則(平成八年一月一日より施行。乙二九号証)第四五条四号「当該業務に必要な適性を欠き、いかなる業務も不適当と認めたとき」 (旧四号と同じ)及び同五号「勤務成績が著しく不良なとき」 (旧五号と同じ)並びに同二号「協調性に乏しく、業務の遂行及び職場秩序の維持に著しく支障を来すと認めたとき」(新設)に各該当する。
 被抗告人は本件では両者の適用があることを主張する。

、社会福祉・医療事業団の「社会福祉施設職員等退職手当共済約款」第三五条二項には「社会福祉施設等の業務に従事しなかった日数が一〇日以下である月があるときは、その月は被共済職員期間に算入しない」 との定めがあり、一ケ月一〇日以下しか働かなかった月は退職金手当金算出のための被共済職員の期間に算入しないことになっており、このため抗告人の休業期間は除外されている。
 然しながら、退職金を定める計算期間は、「一年以上五年まで、六年以上一〇年まで、二一年以上二四年まで、二五年以上三〇年まで、三一年以上」 と区分されているために、給付率の割合(自己都合の場合は七五%、それ以外は100%。 但し事業団の扱いでは、明文化したものはないものの、解雇の場合は自己都合に含まれることになっているという) は変わらない。

、 なお、抗告人が被抗告人から支払いを受けていた給与は、休職直前の六ケ月平均は三三八、九〇〇円である(乙三一号証)。


乙第二五号証 乙第一九号証(三〇八頁)として提出されたものに(三二三頁)の署名が追加されて提出された。
乙第二六号証 不明
乙第二七号証 不明
乙第二八号証 県社協からのFAX
乙第二九号証 新就業規則(平成八年一月一日施行)新旧変更部分のみ次頁に比較掲載いたします。       (一二〇〜一二五頁参照)


旧就業規則(H五・一〇・一)                新就業規則(H八・一・一)           
(禁止行為)                          (禁止行為)               
第12条免職員は勤務時間中(1、2は         第12条  (1,2,6は勤務
  勤務時間の内外を問わず)  省略           時間の内外を問わず)  省略





                                  6 在籍中他に就職すること。   

(年次有給休暇)                       (年次有給休暇)
第33条 年次有給休暇の日数は、毎年         第33条      同左
4月1日から翌年3月31日までを1年次と
して、次表の勤務年数に応じた日数とし、
20日を限度とする。
勤務年数1年末満  別に定める              勤続年数  同左
    1年以上        10日                1年以上       11日
      :             :                   :           :
    11年以上       20日                10年以上      20日 
2、4月1日に採用された職員のその年次         2、同左
における年次有給休暇の日数は7日とする。                      10日  
3、年次の途中において新たに採用
   6月までの採用者     6日                             8日
   9月までの採用者     4日                             6日
   12月までの採用者    2日                             4日

   第七章 休   職                      第七章 休   職
(休職の理由)                          (休職の理由)
第39条                              第39条
1                                  1 同左
2                                  2 同左
3                                  3 業務外の傷病により欠
                                     勤が1ヶ月に及んだとき
                                   4 業務の都合によるとき
                                   5 その他特別の事情があ
                                     ると認められたとき
(休職の期間)                           (休職の期間)
1                                  1 同左
2                                  2 同左 
3                                  3 前条第3号の場合
                                       3ヶ月を限度とする
                                   4 前条第4号及び5号
                                      の場合
                                       その必要期間
(解雇)                                (解雇)
第45条                                第45条
1                                  1 無断欠勤10日、又は私
                                     事欠勤1か月に及ぶとき
2                                  2 協調性に乏しく、業務の
                                    遂行及び職場の秩序の維
                                    持に著しく支障を来すと認
                                    めたとき
3                                  3 同左
4                                  4 同左
5                                  5 同左
6                                  6 同左 
附  則                                附  則
1                                   1 同左
2                                   2 同左
3                                   3 同左
                                     附    則
                                    1 この規則は平成8年1
                                      月1日より施工する


新就業規則に関して

 年次有給休暇の改訂があったのは、職員にとって非常に喜ばしいことですね。この有給休暇を消化するように、あるいは消化できるような職場環境を創っていっていただきたいと思います。
 さて、その他の部分は全て、私の処分のために改訂されたものです。
 まず、就業規則の改訂は理事会付議事項です。平成八年一月一日施行ですから、最も近い理事会で審議されたのではないでしょうか?一応一二月二一日理事会議事録には就業規則の一部改正について議案として載っておりますが、ここまですっきりしたかたちに出来上がっていたかは疑わしいものです。(特に第12条6)
 何れにしても、就業規則に不備(実行しようとしていることに反する) があった場合に、指摘されてから、平気で書き換えする (陳述書(二) 一四四〜一四五頁)管理者ですので、私は『必要になって書き替えた』ものと解釈しております。そして、実際に『新』就業規則が施行されているかは疑わしい。役職員で読者の皆さんの中の誰かに答えていただけるものと信じております。
 又、理事会で決定していたものとすれば、何故、施設長・事務長・理事長に休職理由を尋ねたときに『新』就業規則のことが話題にならなかったのでしょうか。
 平成八年一月四日、酒井施設長ははっきりと、三九条の3項その他・・(二一頁)と言っておりながら、就業規則の改訂には触れておられません。

 過日、人伝に内島行秀くんの病気による長期休職の話を聞きました。精神的に弱い男ですから、私の処分理由を職員に尋ねられたことに耐えられなかったのでしょう。あるいは、他人のサインをしたことへの良心の呵責に耐えきれなかったのでしょうか。平成八年春頃から、平成九年秋頃(理事長が解任された頃・後述) までの一年以上の休職だったと聞いておりますが、これはどの項目が適用されるのでしょうか。それとも前理事長の養子だから良いのでしょうか。
 私には行秀くんを責める気持ちはありません。しかし、養父とはいえ親です。親の間違いを正すのも子の役目ではないでしょうか。君一人が苦しんでいても問題は解決しないでしょう。若い君には、無限大の可能性が秘められているはずです。一日も早く立直っていただきたいと思っております。


審尋 (結審)       平成八年一二月二五日      於名古屋高裁金沢支部
                                   出席者 松波弁護士
                                         青島弁護士 二上
問題点要旨
裁判官・新就業規則の存在を知っておりましたか。
二 上・知りません。
裁判官・社会福祉・医療事業団退職手当共済はこの場合75%になるのですね。
松 波・自己都合の場合と同じ75%になります。
二 上・退職の理由が書いてない共済金請求書類 (請求権は私にある) が届いた。
青 島・休職及び解雇理由はいずれも法人側の都合であるから百%でないですか。

 この後、個別に和解の話し合いがもたれるが、法人側は五カ月ということで、裁判所提示額(非公式) 二百五十万円にも及ばないので、合意には達しなかった。

 平成九年一月中頃までに、最終書類を提出戴いて、決定を出す事で結審しました。
 尚、参考資料となった県社協から山崎氏あてのFAXを次頁に掲載します。


乙第二八号証
             F A X 送 信 票
《送信先》   社会福祉法人 永寿会     山  崎   健  様
《内 容》
 二上さんの有効期限が6年4ヶ月とすると
             基礎額   支給率
 事業団の退職金は 320、000×4、5=1,440,000円
             退職時給与     支給率
 県の共済は(338,900−320,000)x4,5=85,050円
となります。 
            送信票を含めて3枚
《送信元》   平成8年12月10日
           富山県社会福祉協議会              担当 S        


乙第三〇号証
      社会福祉施設職員等退職手当共済約款  平成八年四月一日改正
                           発行者 社会福祉・医療事業団
              内容省略

乙第三一号証      被共済職員退職届
                                    平成八年11月  日
富山県社会福祉協議会長殿
              内容省略


甲二三号証                                −440−
                陳   述   書
   一九九六年一二月二五日
                              高岡市中川上町九番二五号
                                   二   上      浩
                                    一九四七年八月四日
名古屋高等裁判所 金沢支部  御中

 私の生活状況を次のとおり陳述いたします。
一、「収入状況は別紙給与明細書のとおりです。尚、5月分給与については、6月分と一緒に7月10日支払いを受けました。
二、支出状況は、毎月定期的に口座振替にしている約00万円と、食費、生活費、学費などの合計00万円余り必要です。従来は、月給で不足する分は、ボーナスでなんとか補填してきましたが、今年の一月からは、私自身の小遣いを、○万円から○万円に減額し、晩酌もやめました。又、長女の大学進学に対しても、条件を付けざるを得ませんでした。交際費も捻出できません。妻はアルバイトに出る事になりました。そして、その収入でなんとか生活しています。
三、住宅ローン・ボーナス時返済は、融資を受けた時点で、ボーナスに比重のかかった給与体系だったので、「毎月7:ボーナス5」 の返済方法にしました。(別紙) 一九九七年一月一六日にそのボーナス時返済日が来ますが、もう解約する預金がありませんし、S 重機建設もアルバイトのため、ボーナスがありませんので、返済出来ない事になると思います。
四、預金の解約について、郵便局の定額預金を解約しながら、総合口座(別紙) に不足が出ない様にしておりました。以下省略
五、普通預金通帳にあらわれている積み立て貯金について、現在残高は00万円ですが、この貯金は冠婚葬祭や生活費の不足など、どうしても出費しなければならない時の為のものです。以下・省略
六、妻のアルバイト収入は、二カ所で、月額00万円ぐらいです。
七、今後の見通しについては、冬場はクレーン仕事が減る為に、出勤日数も20日前後になると思います。又、本採用になって月給制にしてもらったとしても、トナミ運輸で働いていた時の様な訳にはいきません。最近妻と住宅ローンを無くする方法を話し合っています。
 しかし、老人福祉の仕事に誘われたのは、内島理事長自身です。私が二上桂介君の選挙に携わったというだけで、家も無くする事になるのでしょうか。

甲第二四号証  S 重機建設・給与支払明細書                 省略

甲第二五号証  住宅ローン・返済予定表                     省略

甲第二六号証  普通預金 (兼お借入明細)自動積立定期預金・明細    省略


平成八年(ラ)第二七号                            −443−
                             抗 告 人   二  上   浩
                          被 抗 告 人   社会福祉法人高岡会
    一九九七年一月一○日

                         抗告人訴訟代理人
                                 弁護士  青  島  明  生
名古屋高等裁判所 金沢支部  御中

               主   張  書  面

 保全の必要性について
  この間の生活状況
  本件休職処分後、今日まで一年余り経過しているが、この間、抗告人はアルバイトをして月額00万円余りの収入を得てなんとか生活を維持しているが、住宅ローンの支払、食費、生活費、学費等に月00万円が必要であり、不足分を補うため申立人の配偶者もアルバイトに出たが、月収は二か所で合計00万円であり、やはり不足を来たし、この間000万円あった貯金を取り崩して支払いに充ててきた。
しかし、以下省略
 2 今後の見通し
  今後は貯金も底をつき、また冬場でクレーン運転手の仕事も減り収入が減ることや、貯金の取崩で支払ってきた住宅ローンのボーナス時増額支払い分の支払いもあり、全く生活の目処がたたない状況であり、住宅を手離すことも考えざるを得ない事態となっている。

 被抗告人の一九九六年一二月二五日付け準備書面に対する認否反論
  被抗告人の主張する新就業規則は一九九六年一月一日より施行されたものであるから、特段の事情がないので施行前の抗告人の行為については適用されるべきでない。
 2 退職手当共済に関する主張は概ね認める。
 3 抗告人の給与額については本給と特殊業務手当分としては認める。
                                     以上

            ◇     ◇     ◇     ◇     ◇

 これで、裁判所へ.提出した全書類を紹介いたしました。
 最終審尋で、この後すぐに決定を書き始めるということだったので、遅くとも一カ月後ぐらいには、結論が出るものと思っておりました。誰がこの先一年半も審理が長引くと考えていたでしょうか。
 この間、色々な事が起こりました。又、状況に応じて各種の行動を起こしました。
 次に、その出来事や行動、そして人の心との出会い等、考え方をも交えながら紹介していきたいと思います。

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