『高岡発・介護問題研究会議』設立の趣意

 1996年、私は特別養護老人ホーム雨晴苑(社会福祉法人高岡会・現永寿会)から非常に不当な処分を受けました。〔不当処分の記録誌「虚構」をご希望の方に郵送致します。返信用封筒(5号程度)に310円切手を貼って・933−0043 富山県高岡市中川上町9−25 二上 浩(二上介護問題相談室)迄お申し込みください。〕
 
 当時、私は在宅介護支援センター・ソーシャルワーカーとして勤務しており、多忙な日々を送っていました。
 地域や、医療・保健・福祉等の情報ネットワークも輪を広げ、支援体制が整いつつある時だっただけに、今想っても残念でなりません。

 仮処分ではありましたが、長〜い法廷での闘いの末、高裁決定が出されたのは二年半後の事でした。
 丁度、第1回介護支援専門員試験の受付開始間近の事でした。「申立却下決定」でしたので受験も断念し「二度と福祉界へ戻ることが無いであろう」決心を致しました。

 この度、ホームページ開設を決意致しましたのは、最近、人生の中で何か残してきたものが有るような気がして落ち着きません。
 そんな時に、塚本氏の「社会保障と人権連絡会議inとやま」http://www2.nsknet.or.jp/~mcbr/index.htmlホームページを思い出しました。
 『インターネットでケース会議が出来ないだろうか』というのが私の発想です。

 私には、生活指導員やソーシャルワーカー時代の数多くの体験があります。
 色々な家族関係を見てきました。
 複雑な問題・困難な問題にも正面から立ち向かってきました。
 そして多くの問題を解決してきた実績があります。
 それらのノーハウを全国の困っていらっしゃる方々の為に役立てる事が出来ないものか・・・・・と。

 老後の生活には千差万別、色々なスタイルがあります。
 一方が障害者になられても幸せが漲っている老夫婦があれば、嫁姑のギクシャクした関係を引きずっておられる方々など・・・・。
 「若い時にいじめられたから、何も解からなくなったこの人の全てをお世話する事が、私の復讐です。」と明るく話して下さった方もありました。
 又、老姉妹や老夫婦あるいは独り世帯で、介護の必要がありながら、地域との交流も全く無く、ひっそりと生活しておられる方が、意外と多いものです。

 私が今回『介護問題』として取り上げたいのは後者の方です。
 長い人生の中で日が当たる事無く、介護が必要になっても訴えもしない。
 公的福祉(保健・医療)サービスを勧めても排斥する。その様な方々に人の心を届けたい。
 地域から隣近所へ、そして家庭内へ図々しくも侵入して、そして本人の心の中にまで・・・・・・・・。

 先日「ケアマネジャーの皆さんが過大な事務負担で役割を果たせていない」旨報道されました。
 介護保険に移行されたと同時に介護認定業務が増えた事、ケアマネジメントが量的に増えた事、定期的見直しが義務付けられた事等がその原因ではないかと推測しています。
 介護保険は、高齢者の介護費用を負担する制度が変更されたものです。
 負担増から利用を控える方もあり、福祉面から一考の余地はありますが、医療・保健・福祉の役割は本質的には変わっていません。

 厚生省で介護保険を検討しておられた時期に、ケアマネジメント機関について、医療・福祉関係者間で『相当の綱引きがあった』と聞いております。
 本来、在宅介護支援センターは、ケアマネジメント機関として制度化されました。
 しかし、歴史が浅い事、充分な力を蓄えていなかった事もあり、介護認定業務が、コンピューターと医療・保健・福祉関係者による介護認定審査会の二段階審査に落ち着いたのだと理解しております。
 介護保険もまだまだ変革の道を辿るでしょう。
 「必要な方に必要なサービス」が提供出来るように・利用者の立場で一緒に『生活』を考えることの出来るケアマネジャー・所属機関のサービスセールスに拘らない介護支援専門員・が一人でも多く誕生される事。
 そして在宅介護支援センターが、本来の目的に向かって仕事が出来る態勢を一日も早く整えられる事を願っております。

 一方、極稀な例だとは思いますが、法人役員、管理者の考え方が常識では考えられないほど、低いレベルにある事実があります。

 以前ディサービス事業で、軽度(介護度が低い)利用者の利用回数を増やして(週二回)『市内の施設で実施していない事をやっている』とY氏は得意顔でした。
 そして報告書上は数字的に優秀な施設を装っていました。

 又、入所措置に関して、法人役員の関係者が経営する会社の従業員家族を優先的に入所させた等の事実があります。
 「役員さんが多額の投資をして建設した施設だから、役職員はじめ関係者の入所を優先していく」という考え方が根底にありました。
 尚、当然の事として、ディサービス事業は市の委託事業であり、入所は社会福祉事務所の措置でした。

 又、「医者は薬を出さんと儲からん」元嘱託医(理事解任)は入所者全員に医療行為を行っていました。
 健康な人にも、必要な人にも・・・・・。
 同医師は現在、市介護認定審査会の要職を務めていますが、公的法人の経営管理者の資質に首を傾げたくなるのは私だけでしょうか。

 又、「終のすみか」の入所者に年金遺産が残る制度も可笑しなものでした。
 この問題は我が国の社会保障制度の根幹にかかわる問題であり、縦割り行政が裏目に出た顕著な例だと思います。

 以前、「残された家族の生活が成り立たない」という理由から入所を断念されたケースもありました。
 介護保険下では、負担増から在宅サービスの利用を控える方があるそうです。
 しかし、入所者には生活保護者でない限り、年金遺産が残る制度には変わりありません(一部例外有・高年金者優遇)。
 在宅介護出来なくなった時、余程の事が無い限り、入所を選択されるでしょう。
 年金制度は夫婦単位で具体的数字が表されています。
 夫婦で歩んできた人生だから、結果としての年金も共有のものでしょう。
 しかし、老後に何が起こるか分かりません。
 病気・介護・そして死別(離別)・・・・・・どちらがどうなるか分からないのが人生です。

 以前、在宅サービスは、必要な方に必要なだけ(量に限りはあったが)提供されました。
 負担は、一部の定額サービス以外は負担能力に応じたものでした。
 しかし、義務としての保険料負担とサービスの一割負担が必要な介護保険は、個々の家庭の事情にまで目を向けてはくれません。

 一方、入所に関しては、生活費用(食費以外)が全て介護保険で賄われる為に、少ない生活費で済む事になります。
 この在宅と入所に措ける矛盾をどう解決していくのか。
 何か福祉的観点からの配慮は出来ないものでしょうか。(小泉総理・三党連立政権合意ポイントに『年金・介護を包括した枠組みの構築』が上げられていました。期待したいものです)

 一つの考え方として【入所・入院費=年金・本人分相当額】というのは極論でしょうか。
 その上で、家庭に残される配偶者に福祉的配慮をした方が、公平ではないかと感じます。年金は生きるために必要なものです。決して掛け金の払い戻しではありません。
 そして、措置と生活保護の考え方は残すべきと考えます。

 現在、老人ホームの個室化により居住費の増額が検討されています。
 個室は生活の場でプライバシーを守るため等に必要なものであり、費用負担と同時に論議されるべきでないとも考えます。
                                         2001・6・23

在宅介護支援センター運営時の考え方と具体的方法

 当時高岡市には、三ヵ所在宅介護支援センターがありました。
 中学校区が十一の市で、その三分の一が担当区域でした(当時厚生省では一中学校区に一ヵ所の在宅介護支援センター・全国で一万ヵ所を目標としていた)福祉対象者の情報を一番お持ちなのが地域の民生委員(自治会役員)さんだと考え、まず担当区域別の地図を作るために約九十名の民生委員さんを訪問、同時にその趣旨をお話し致しました。
 一方、福祉対象者の台帳を町内(民生委員担当区域)別に整理して、利用しておられるサービス機関(医療・老健・福祉・混合)を色別にファイルしました。

 以上が私のソーシャルワーカーとしての道具です。

 定期的に民生委員さんとは情報交換を行い、新規の情報も頂きました。
 その中に非常に困難な事例も含まれており、介護保険がスタートした現在では敬遠されるであろうと思われる内容のものばかりでした〔介護支援専門員はケアマネジメント目的で配置されており、ソーシャルワークが本業ではない〕。
 又、サービス提供機関との情報交換も不定期ではありましたが実施し、利用が中断している方の追跡調査も行いました。

 在宅介護支援センターは、地域と医療・保健・福祉等のネットワークを形成〔連携〕するという目的で設立されました。
 又、対象者を発見、相談、そしてケアマネジメント機関でもあり、縦割りの行政に横への拡がりを持たせる役割も持っております。
 その為にも関係者のネットワークの中心に成っていく必要があると考えます。

 支援センター相談協力員人選に関して、担当地域の民生総務(市民生総務会長)に相談し、高齢福祉課から総務会に議案として提出していただくように働きかけて、市の統一見解が出来ました。
 「待つ福祉から発見する福祉へ」地域の情報が支援センターと結びついたスタートの一瞬でした。

 介護保険が始まると同時に、認定業務が増え、本来の仕事が出来ないで居られるソーシャルワーカーの皆さんも多いと思いますが、訴えの無い方、弱い立場の方、困難なケースほど大切にして頂きたい。
 そして、一人で苦しまず、この会議をご利用頂きたいと考えております。
 又、地域の民生委員さんや福祉関係・行政関係の方々には、困難な問題を見過ごす事無く、ぜひご利用頂く事を祈っております。

 参照  在宅介護支援センターが介護保険実施後も在宅介護支援センターである為に
 参照  「研究会議NO2」 管理者の地域活動実践活動紹介


2004・4・1
本日、指定居宅介護支援事業所『高岡発・介護問題研究会議』を開設いたしました。
「介護問題」をテーマに、在宅介護支援センターソーシャルワーカーの過去の実践をHPで紹介してきましたが、今度はケースを通じて地域から機関や施設をながめていきたいと思います。
内向した市民感情「介護保険であんな事も、こんな事も出来るの???」という不公平感を取り除くためにも、公正・公平・中立の立場で業務に当りたいと思います。
「公平」を負担と給付の関係で見ています。
「法に正しい」ケアマネジメントの実践を目指し、意を新たにしています。

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指定居宅介護支援事業所『高岡発・介護問題研究会議』
   管理者兼介護支援専門員    二   上     浩
        〒933-0043 富山県高岡市中川上町9−25 
           TEL 0766-22-7972 FAX 0766-22-7973
           (携帯)090-5684-6065
         独立・中立型介護支援専門員全国協議会会員
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