ケアマネジメントの独立に向けて

2004・7・15
北日本新聞朝刊からご紹介します。

不正加担ケアマネに罰則    悪質事業所は再申請制限
厚生労働省は14日、介護報酬を水増しするなどの不正請求・受給で介護事業の指定を取り消された悪質事業所の再申請を一定期間認めず、不正に加担したケアマネジャーに業務停止などの罰則を科す方針を固めた。

また現在都道府県だけが持っている指定取り消しの権限を市町村にも持たせる。
介護保険全般を見直すため来年の通常国会に提出する介護保険法改正案に盛り込む。

不正請求・受給の増加が介護給費を押し上げ、保険財政の圧迫につながっている可能性があり、不正に対する処分を厳しくすることで、参入規制が緩く不正の起こりやすい制度上の問題解決につなげたい考え。

介護保険制度は二〇〇〇年度にスタートしたが、不正請求などで〇三年度までの四年間で二百三十二事業所が指定取り消しを受け、報酬返還額は二十九億円に上った。

見直し後は指定取り消しを受けた事業所については、一定期間再申請を認めない方針。
期間は五年が検討されている。

ほとんどの不正請求で、介護プランを作成するケアマネジャーと事業所が示し合わせている実態を重視し、不正にかかわったケアマネジャーにも罰則規定を設け、業務上の独立性を高める対策を検討する。



2004・1・31 
富山型ディサービスの特集(一つ屋根の下で)の中から「ケアマネジャー」(NO20)をご紹介いたします。
富山総合福祉研究所所長の塚本さんには、日頃からお世話になっています。
以下、北日本新聞朝刊より転載します。

一人ひとりに最良のプランを 「ケアマネジャー」

県内のある法人が運営する入所施設併設型のディサービスに通っていたお年寄りがいた。
近所にできた民間ディサービスを利用したいと考え、担当のケアマネジャー(介護支援専門員)に、ケアプランの変更を頼んだが、「うちのディサービスにもまだ空きがあるのに、なぜそちらを利用するのか」と拒まれた。
担当のケアマネジャーは法人系列の事業所に所属していた。

介護保険の認定を受けた人が、在宅で介護保険のサービスを受ける時は、ケアマネジャーに希望を伝え、ケアプランを作成してもらい、それに基づいてディサービスや訪問介護などの事業者と契約することになる。
ケアマネジャーは公正、中立であることが求められるが、多くはサービス提供事業所に所属し、そこから給料をもらっている。
中には自分の施設サービスを受けるよう持ちかけ、プランに盛り込むケアマネジャーがいる。
いわゆる「囲い込み」だ。

富山総合福祉研究所(大沢野町上大久保)の所長、塚本聡さんは「公正中立なケアマネジャーがいないとさえ言われている」と現状を話す。
塚本さんは、サービス提供事業者に所属していない“独立型”のケアマネジャーとして活動しているが、全国でも少数派だ。
介護保険制度が始まった当初から、ケアマネジャーの報酬の低さが指摘されている。
昨年4月の改定で、ケアプラン作成報酬は介護度に応じた六千五百―八千四百円から、一律八千五百円に引き上げられた。
だが、「常勤のケアマネジャーを抱える事業者にとっては、まだ不採算部門。
入所施設やディサービスの収入で、赤字を埋める状況は変わらない」という。
現在の報酬では、独立するのは困難な状況だ。

四月の報酬見直し以降、塚本さんに寄せられた「囲い込み」の相談は増えている。
報酬が引き上げられた一方で、介護認定の更新時にカンファレンス(サービスを提供する事業者全員による会議や、電話などによる照会)を行わなかった場合などは、三割を減算される仕組みとなったためだ。
「もともとカンファレンスは規定されていたが、忙しくてなかなかできなかった。減算されることで強制力が出た。複数の事業者を組み合わせてプランを作れば、それだけ、カンファレンスの手間がかかる。ほかの事業者を使わせてくれと、利用者から言われると、あからさまに拒むケアマネジャーが出てくるようになってしまった」

昨年一月、「独立・中立型介護支援専門員全国協議会」が設立された。
塚本さんは副代表を務める。
ケアマネジャーが公正中立の立場で、利用者や介護者の代弁者として役割を担うための環境づくりを進めようと、情報交換や政策への提言などを行うのが目的だ。

塚本さんは「囲い込み」を防ぐ方法として、報酬を独立採算ベースまで引き上げることに加え、ケアマネジャーを自分が利用するサービス事業所以外から選ぶ「第三者機関主義」の制度化を提案する。
「自分の事業所のサービスを使いたいという人がいれば、ほかのケアマネジャーを紹介する。
自分の所属以外のサービスを利用することで、ケアマネジャーはサービス事業者側でなく、利用者側にたって、プランを立てることが出来る。結果的にサービス事業者相互の質も高まる」と考える。

一方で、ある民間ディサービスのケアマネジャーは「ここに来た人たちとは一生付き合っていこうと思いプランを作る。利用者自身が、自分の話を親身に聞き、納得のいくケアプランを作るケアマネを選べばいい」と話す。

ケアマネジメントは介護保険制度の中核。
お年寄りが望む生き方をサポートするものでなくてはならない。

市民と市政から  2004・1・30
2004・2月号から「高岡市介護保険運営協議会の内容をお知らせします」をご紹介いたします。
(ここから)
市では、介護保険事業を円滑に推進するため、運営全般にかかる審議・調査を行い、専門的な立場で保険者に提言を行う機関として介護保険運営協議会(会長・鏡森定信富山医科薬科大学教授)を設置しています。
現在、高岡市介護保険事業の実施状況や課題などについて熱心な論議が交わされています。今回は、昨年開催した第1回目の会議内容をお知らせします。

委員 介護保険制度の趣旨は十分理解できるが、在宅と施設介護のあり方に問題があるのではないか。
施設入所が当たり前ではなく、温かい人間関係に基づく在宅介護が尊重されるべきである。

答え 介護保険の理念は、あくまでも在宅重視であり、これまでの家族による介護負担を軽減し、住み慣れた地域で安心して生活できるよう支援を行うものである。
専門的な介護はできるだけプロに任せ、家族は精神面を支えるようにしてほしい。

委員 介護保険サービスの利用に際して、ケアマネジャーからいろいろ説明を受けているが、利用者や家族にとっては初めての経験で十分に理解できない場合がある。

答え ケアマネジャーの研修などを通じて改善していきたい。

委員 相談件数が急に増えたが、その内容は何か。

答え 保険料や高額介護サービス費に関する問い合わせが大きく増え、住宅改修、福祉用具などのサービスに関する事も増加している。

委員 計画では、地域ケア推進体制の整備・充実を掲げているが、具体的にどう進めていくのか。
また、病院における介護保険サービスの利用に関する説明が十分でなく、訪問リハビリの供給体制が不十分なこともあって、在宅介護に移行する際、大変困ったことがある。

答え 地域には、介護や生活支援が必要な人など、いろいろな福祉ニーズを持つ人たちがいる。
今回の計画は、地域型の在宅介護支援センターが中心となり、地域での問題発見から、サービス提供までを行う体制づくりを確立し、地域の既存の資源や人的パワーを積極的に活用していこうとするものである。
また、訪問リハビリの実施事業者やスタッフの確保は、全国的な問題となっており、市でも今後の検討課題としている。
医療機関における介護保険サービスの説明についても、職員研修の充実やケアマネジャーによる十分な対応に務めていきたい。

(ここまで)

特に、最後の答えに強い印象を受けました。

このページについて、ご意見、ご感想などEメールをいただければ幸いです。

HOME
「お便り・情報・ご案内」へ